自虐戦略に乗っかる? ドンキ新業態「ドミセ」のドすべりはなぜ不発だった

コクハク編集部
更新日:2023-09-05 11:28
投稿日:2023-09-05 06:00

売れなかった商品を“自虐”ディスカウント

 ドン・キホーテ(以下「ドンキ」)の新業態「ドミセ」が話題です。売れると踏んで売り出したオリジナル商品の中で、目標売上額にかすりもしなかったどころか、まったく売れなかった商品を値下げして販売する「ドすべり」がウリだとか。

 何かと出費がかさみ、財布のヒモが堅くなっている40代女の心に刺さるブツはあるの? ドミセ渋谷道玄坂通ドードー店に行ってきました。

 ドンキのプライベートブランドといえば「情熱価格」。それが、黒文字でデカデカと「ド」というロゴを冠し、全面リニューアルを図ったのは21年2月でした。あれから2年半以上の時を経て、いまやすっかりおなじみとなった「ド」の文字。

 永山瑛太さんのCMも強烈ですしね(笑)。

吟味して購入した4商品とは?

 8月24日にオープンした「ドミセ」の渋谷道玄坂通ドードー店。情報番組やワイドショー、ネット記事などでも紹介されていますが、最大の売りは、全然売れなかった「ド」商品を値下げして販売する「ドすべり」。自虐ネタで商売しよう、って話です。

 ドすべりの他にも、

・人気商品の焼き芋専用コーナーの設置
・ドすべりの逆で「売れすぎ商品ドップ10」のコーナーを設置
・ドンキ初のナッツやドライフルーツの計り売り

 といった“目玉”をラインナップ。でもって、無駄遣いする余裕のまったくない40代半ばの筆者が吟味しながら買い物かごに入れたのは、以下の4つ。

 ぜーんぶ、PB商品の「ド」でございます。

1. 「ドすべり」の「はちみつミックスナッツDX」300円(税抜き・以下同)

 年間売り上げ10億円の素煎りミックスナッツで作ったはちみつ漬け。定価996円が70%強オフの300円! ドすべりコーナーの棚に並んでいました。

 商品POPに掲げられたドすべりに至った敗因は、「多くの人に食べてほしいと思い気合を入れて作りすぎてしまい、大量在庫を抱えてしまいました…」(by開発担当者)。

 えーつまり、商売っ気を出して、まきまきでこしらえたものの、需要と共有のバランスが合わなかったってことですね。

逆手に取った自虐戦略は上々?

「素煎りミックスナッツ」に使われているナッツ(アーモンド・くるみ・カシューナッツ)に加え、“はちみつまみれ”には、ごろりとしたマカダミアナッツまで入っているー!

 原材料表記には、ベトナム産のはちみつ、ミックスナッツのみ。余分なものはなし。物価高騰の折、間違いなくお買い得と踏みました。

 賞味期限には「23年9月30日」の印字。10億円もの売り上げのうち、どれほど溶かしたかはナゾですが、カウントダウンが始まり、ちょっぴり焦ってる(?)、ドンキさま。

2. 「ドンキの焼き芋大福」(298円)

 平日夕方に行ったのですが、焼き芋コーナーには、インバウンド含め、お客さんがひっきりなしに訪れ、焼き芋を取り囲んでいました。売り場近くに充満するあの甘い香り……罪ですよね。

 こちとら取材の途中で立ち寄った身。焼き芋を抱えて歩き回るわけにもいかず、隣の棚に陳列されていた「焼き芋大福」を購入しました。1袋10個入り。

 一口サイズの和スイーツは、アラフォーの心をやさしく癒してくれます。ほんのりと甘くて、万人が好きな味わい。

「ドンキの焼き芋を包んだ大福って知ってる?」などとプチエピソードを添えながら、ちょっとしたお返しや差し入れにも使えそうですよ。

3. 「しいたけスナック」(548円)

「売れすぎ商品ドップ10」の9位でした。同僚も猛プッシュしておりましたが、ほんと、クセになる味。

 歯科矯正中の身としては、スナック菓子系は食べやすいとは言い難く……。でも食べたい!

 しかも、通常598円が9月30日までの期間限定価格。50円オフですからー。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


雪平莉左さんとリオの日常「人間の彼氏もお眼鏡にかなわないと絶対ダメ」
 私が24歳で上京したとき、一緒に東京にやってきてずっと同棲しているのがマンチカンの男のコ、リオです。  リオは高...
連れて帰りたい! 人懐っこすぎる“たまたま”の激レアショット
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
茜色に心和むひと時、だからこの時間が好きなんだ
 忙しない街にも訪れる特別な時間。  足早に歩く人々は顔を上げ、しばし空を仰ぎ見てから、また現実へと戻っていく。 ...
女+家=嫁…「嫁ぐ」と「結婚」の違いはある?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第68回「コウメばあちゃんはどこ?」
【連載第68回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
貸したお金を催促するのにこんな手が…! モヤモヤを解消するLINE3選
 人にお金を貸した後、なかなか返してくれなかったら、とても嫌な気持ちになりますよね。  とはいえ、お金の話は、言い...
電マの営業からラブホの清掃員へ…羞恥心とも戦うストリッパーが思うこと
『電マの営業・新井です!』(略して「電マの新井」)という新作が大変好評だ。  書店員にとっての新作といえば「新しく...
口喧嘩で負けたくない! 勝ちたい時に使えるマル秘戦術3選
 みなさんは誰かと口論になった時、どんな戦法で勝ちにいきますか?  方法は十人十色ですが、今回は代表的な勝ちパターン...
凍り付いた湖の夜が更けて
 もしも突然、この瞬間に、氷が解けたらどうなるんだろう。  そう思いながら、凍て付いた湖の上に立つ自分が結構好き。...
「レンジでゆたぽん」人気じわり..足を温めると眠りやすい!
「レンジでゆたぽん」を知ったのは、年末年始に長野県の義実家に行った時。寒がりな私を気遣って、義母が用意してくれたのです。...
青空にオレンジボディが映え“たまたま”の見返りメンチにキュン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
私って性格悪い? 自分のダークサイドを自覚した4つの瞬間
 誰の心にだって、優しい部分と優しくない部分が存在するもの。そうわかっていても、自分の心のダークサイドを自覚すると「もし...
卒入学、彼岸、送別会【花屋が教える】予算内で理想の花束を贈る7カ条
「斑目さん、今年こそは頑張って期限内にお願いしますよ!」  お正月がなんとなく終わったばかり、なんて思っていたら、我が...
「とにかく盛り上がるやつ頼むよ」ってさぁ 先輩の無茶ぶりLINEがすぎる
 お笑い芸人の松本人志とその後輩芸人たちによるアテンド飲み会が話題になっていますね。  ニュースの真偽はともかく、...
2024-02-21 06:00 ライフスタイル
仕事のサボりがバレた瞬間4選 リモートワークは意外と見られている!
 近年では、リモートワークやフレックスタイムなどの制度が導入されて、数年前よりも働きやすくなりました。  一方で、自由...
真似から始まったファッションも、いつか体に馴染むもの
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...