配役に一本の筋…小林一三役・海宝直人は日本のミュージカル界を背負う男

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-09-11 16:10
投稿日:2023-09-11 16:05

NHK朝ドラ「らんまん」~第24週「ツチトリモチ」#116

(C)NHK
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 日本全国の植物を載せた図鑑がまもなく完成しようとしていた。が、浮かない様子の万太郎(神木隆之介)。これまで応援してくれた寿恵子(浜辺美波)や虎鉄(濱田龍臣)らに応えることができるのか、本当に人々に必要とされ、愛される図鑑になるのか、と自信をなくしていた。

 そんな万太郎の不安を聞いた虎鉄は、「きっと何百年も残り続けるものになります」と励ました。

 一方、寿恵子の店には、相島(森岡龍)と小林一三(海宝直人)がやってきて……。

【本日のツボ】

(C)NHK
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海宝直人(小林一三役)

 ※※以下、ネタバレあります※※

「らんまん」の面白いところは、時々、実在の人物がそのままの名前で出てくることです。これまでにも、坂本龍馬(ディーン・フジオカ)とか、ジョン万次郎(宇崎竜童)とか、岩崎弥之助(皆川猿時)とか。教科書にも出てくるような歴史上の人物がちらほら。

 主人公の牧野富太郎は槙野万太郎とするなど主要人物の名前は少し変えていたりもするなかで、なぜ、この人たちだけそのまま? となんとも不思議な感じがします。

 ですが、要所要所に有名人が登場するのも楽しみになってきました。

 そして、今回、小林一三(こばやし・いちぞう)の登場です。ご存知、宝塚歌劇団など阪急東宝グループの創始者。演じるのは、海宝直人でした。逓信省鉄道省庁の役人・相島圭一(森岡龍)に連れられ、寿恵子の店「やまもも」にやってきました。

 熱く「鉄道構想」を語っていましたね。「この渋谷には、あなたが降り立てばいい!」と相島をたき付けていて、相島は東急電鉄の創業者、五島慶太では、と思うのですが、五島慶太ではなく、相島圭一となっているのが気になりました。

「ライオン・キング」初演のヤングシンバ役

 ところで、その小林一三役を海宝直人が演じるのは、ミュージカルファンとしては萌えポイントです。劇団四季「ライオン・キング」の初演でヤングシンバ役を演じていたのが、当時11歳の海宝くんでした。

 その後もさまざまなミュージカル作品で活躍、現在も、梅田芸術劇場ミュージカル「アナスタシア」に出演中です。小林一三なくして日本のミュージカルの発展はなく……。

 まさに適役です。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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