金ヅルとして狙われている?
交際を始めた当初は初々しさもあって、佳織さんにメロメロだったとトシさんは振り返ります。
しかし交際4カ月を過ぎた頃から、佳織さんと過ごす時間に違和感を覚えることが増え、今では惰性で付き合っていると言います。
「別れたいけれど、別れるのも面倒って感じです。わかります? この感覚。相手がまともじゃないから、別れ話も難航しそうだなって。
俺、多分あの女に狙われているんですよ。うまく結婚して、俺からお金を搾り取ってやろうくらい思っているんじゃないかな。
ほら、妊娠騒動のときにすんなりお金を渡しちゃったから、味をしめたんじゃないかなって気がするんですよね。
こっちは嘘だろうなって薄々わかりながら渡しているんだけど、佳織は浅はかなところがあるから、多分そこまで気づいていないですよ」
周囲には「彼女」だと紹介せず
もともとトシさんと佳織さんは、トシさんが働くお店に佳織さんが客として訪れたことが発端で出会いました。
今でもトシさんの勤務時間中に佳織さんが食事をしに来るといいますが、トシさんは同僚に佳織さんを彼女だと紹介したことはないそうです。
「一応、真剣に付き合ってますけど……、周りに彼女だって言いたくないんですよね。なんでかな、別れる前提だからかもしれないっすね。
別れ話をして、店に押しかけて来られるのが嫌なんですよ、客商売しているんで。
結婚は絶対にない
え? 結婚ですか? ないないない、絶対にないですね! あんな浅はかな女と結婚したら、幸せにならないのは目に見えているじゃないですか。
そもそも小さな嘘をつくような人は、大きな嘘も平気でついている気がするんです。
僕が佳織から聞いている話の大半は嘘だろうから、最終的にはその嘘を暴いていくやり方で、本人に納得してもらって縁を切るしかないのかもですね」
恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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