「写ルンです」が流行る若者のレトロブームは、何を写しているのか

山口明 プロ童貞・現代アーティスト
更新日:2024-07-09 21:54
投稿日:2023-11-18 06:00

「大変だね、今の人は」

 かつての雑誌やテレビに代わって、今はSNSからブームが生まれる時代。流行の発生源が一般の人でも不思議じゃない。

 だけど、普通の人たちが「他の人とは違う」情報を発信しようと、わざわざ昔のモノを引っぱり出して「投稿する」って、かつての流行をただ純粋に楽しむのとは、なんとなく違う気もするんだよな~。

 まぁ、オレ自身がSNSはおろかスマホもパソコンも持たない人間だから、今の人とは感覚がズレるのかもしれないけど。

 承認欲求を刺激する「いいね」文化とかセルフブランディングとか、いろいろと気にしなきゃいけないことが多くて、傍から見ても本当に生きづらい世の中だと思うよ。

 昔は業界の人が先導したその時に格好いいとされる服を着とけばよかったし、女の子とデートをするのも「こういう店」って決まっていたから、よっぽどラクだったね。

レトロブームの本質は手間や不便!

 そういう傾向の影響なのか、最近は企業にとっても若者の消費行動が読みにくい、これまでのマーケティング手法が通用しない難しい時代みたいだね。

 また違った話だけど、デジタルで便利な暮らしに慣れているからこそ、手間や不便さにある種の価値を感じる雰囲気もある。

 SNSの「いいね」文化や不便さに価値を見出すこととか、どうもこの辺にレトロブームの本質があるのかな。

人間は昔のことを思い出すと幸せになる?

 ところで、人間って「1日に数分間」昔のことを思い出すようにすると幸福感の数値が上がると実証されているらしいんだよ。

 つまり、生まれ育った地元で暮らす人は、近所を歩くだけで自分が子どもだった頃の原風景に触れて、無意識に日常的に幸せを感じているらしいんだ。

 若者のレトロブームは、昔の思い出してどうこう、ってワケじゃないだろうけど、結局人間って、そもそも昔が好きなんだろうな~。

 そして今の時代、社会的にも経済的にも先行きが不透明で未来のことを考えようとすると、なんだか不安になってくるもんね。

 てことは、昨今のレトロブームって、昔に救いを求めるようなネガティブな現象でもあるのかなぁ。よくわかんないね。皆さんDOなのYO!! 次回もお楽しみに。

(聞き手・箕浦恵理/コクハク編集部)

【童貞のつぶやき(おまけトーク)】

 オレ、出身地は「千葉県松戸市」と自己申告してるんだけど、生まれたのは群馬で、これは母親が実家に帰って産んだだけで、その後は埼玉、東京、神奈川と移り住んで、実は松戸に来たのは小学1年生の終わりなんだ。

 だけど50年以上も住んでいて、もう「松戸出身」ってことでいいよね? 世界で一番好きな街は松戸だと思ってるし。

 ところで、26年前の今頃(秋)に亡くなったオレの弟は、家族が東京にいるときに生まれたので「東京出身」と言っていた。アイツ、なかなか図々しいやつだったなぁ~。

 オレもついつい昔のことを思い出しちゃったよ。

山口明
記事一覧
プロ童貞・現代アーティスト
1960年生まれ。プロ童貞しかし、あるときは現代アーティスト。そしてまたあるときはオナニストにして予言者。しかし、その実体は無職のオシャベリ・クソジジイ。毎日、地元MAD CITY(松戸市)の平和を守る為、猫背&早歩きでパトロール。本日も童貞戦線異状なし!!
著書の「ワイルドチェリーライフ山口明 童貞力で一億総クリエーター時代を生きる」が発売中。代理人による公式Xも更新中。

ライフスタイル 新着一覧


「大谷翔平です」はアレンジOK!? 初対面から好印象を抱いたLINEの面白い挨拶3つ
 LINE交換をしてから最初に送る内容は、意外と大切かもしれません。だって、ただの挨拶よりも面白い挨拶を送れば好印象を抱...
自分の年齢を言いたくない時は「98歳になるよ!」もアリ。困った時のスマートなかわし方6選
 40代を超えると、年齢はあまり言いたくないものになりませんか?(苦笑)年齢を聞かれた時には、スマートなかわし方を身に付...
幹事は多めに払うべき? 同窓会で見たちょっと切ない「友情とお金」の話
 ずっと続く友情っていいものですよね。大人になっても昔の友だちと飲みにいけるなんて幸せなことだなと思います。だけどスナッ...
【ゼクシィ付録】結婚予定はないけど買ってみた!「アフタヌーンティー」ポーチの実力は?
 結婚の「け」の字すらない状況なのに、こんなことをしていいのでしょうか。付録目当てでゼクシィを購入してしまいました!(汗...
メルカリか永久引き出し奥か。女友達からのいらない誕生日プレゼント6選
「誕生日プレゼントってもらえるだけで嬉しい♡」と、どんなものにも感激していたかわいい時代は、遥か昔。アラサー・アラフォー...
男社会で出世する女性は何が違うの? 特徴&今すぐ身に付けたい3つの習慣
 女性の社会進出はかなり進んできましたが、まだまだ男社会で出世する女性になるのはたやすい話ではないでしょう。では、どのよ...
「鏡も見たくなかった」対人恐怖症の筋肉マッチョが自分を好きになるまで
 日本で唯一のコンテスト主催団体による“生涯現役で魅力ある存在を目指す”ミスターコンテスト「Mr. Phoenix(ミス...
出費額は100万円!? なぜ筋肉マッチョは「ミスターコンテスト」に挑むのか
 女性の外見や内面の美を競うミスコンテスト(以下、ミスコン)。ルッキズムの議論が広がる昨今、ミスコンの意義を問う議論が絶...
記憶鮮明な阪神・淡路大震災発生前夜の“異変”。冬眠モードのカメが突然大騒ぎして…
 8月8日16時42分ごろ、日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生。その後、気象庁が初めて「南海トラフ地震臨時情報(...
“たまたま”チェックに余念のない茶トラ君♡ 写真集の表紙になれるかな?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「妊娠アウティング」経験者たちのエピソード 悲劇はどうすれば防げたのか
 皆さんは、「妊娠アウティング」という言葉を知っていますか? もしかしたら、実際に被害を受けたことがある人もいるかもしれ...
あの人気観葉植物が地震を予知!? 植物の異変から事前兆候を察知する話
 テレビ画面に映し出される南海トラフの「巨大地震注意」の文字…。不安で心が押しつぶされそうになりますな。ワタクシが生...
アプローチ中のおんにゃの子は塩対応? “たまたま”の恋の行方にドキドキ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
盆地を見下ろす丘で
 盆地を見下ろす丘で。  くるくると回る風に吹かれ、空に風の交差点を観た。
ほっこり癒し漫画/第79回「来るかな? ニャー」
【連載第79回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
「女郎花と男郎花」読める? ヒント:ジョロウは間違い。初秋に愛でたい
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...