母親が施設から帰ってくる夢…認知症の予兆を「ボケたな」で済ませない

山口明 プロ童貞・現代アーティスト
更新日:2024-07-09 21:55
投稿日:2023-12-16 06:00
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳の時に仕事中心で働く生き方をドロップアウト。現在は悠々自適な老後(?)を送りながら、還暦過ぎの童貞として注目を集めています。

高齢者の5人に1人が認知症になる時代

 もともと体調が悪かった父とその面倒を見る母と千葉県松戸市の実家で同居していましたが、あるときから母に認知症の兆候が出始めて…。50代前半にして突然始まった両親のダブル介護。父を見送り、母を施設に預けた今でも「母親が施設から帰ってくる夢」を見るといいます。

 ◇  ◇  ◇

 オレも自分の母親が実際に認知症になるまでは、正直、認知症って他人事だと思っていた。

 だけど、今から2年後の2025年には、高齢者の5人に1人の約700万人が認知症の世の中になるそうだから、これから多くの人たちが「親の認知症」という大変な事態に直面する時代がすぐそこまで来ている。

 これからオレの母親が認知症になった経験を話そうと思うんだけど、もしもオレと似たような状況になったときには思い出してもらって、少しでも誰かの役に立てたらいいかな。

「ボケたな」で済ませない

 初めて母親の異変に気がついたのは、オレが51歳で母親が76歳だった2011年の頃。外出した母親が夜になっても帰宅しなくて警察に相談していたんだけど、結局、深夜に頭部に軽く怪我をして帰宅したんだ。

 母親が言うには、「途中で転んでビックリしてワケが分からなくなって迷子になった」らしいんだけど、頭から少し出血もしていたから、そのまま病院に行って調べてもらった。

 そこでは特に問題ないと言われて安心していたんだけど、その後もメガネや財布なんかを家の中の変な場所に置き忘れたり、ときどき1人で外出して迷子になるようになった。

 当時は「オフクロもボケたなぁ~」くらいに思っていたんだけど、このときに「ボケたな」で済ませずに、認知症の可能性についても考えておくべきだったと思う。今になって振り返ればだけど、もう少し気持ちの準備とか対処法があったかもしれない。

まずは「要介護認定」を申請

 その3、4年後には、もう1人で外出させないようにしたりと、こちらも気をつけていたけど、頻繁に徘徊して行方不明になるような状態でどうにもならなくなってきた。

 それから1年後経つ頃には、要介護認定を受けて介護サービスを受けられるようになって、とりあえず週に2、3日はデイサービスに通っていたよ。

 大事だから伝えておくけど、市に申請して「要介護認定」を受けないと、介護サービスって受けられないからね? オレは相談先とか支援制度とかも全然知らなくて、すごく困ったからさ。

 父親は母親が認知症になる前からずっと具合が悪くて人の心配をできる状況じゃなかったし。オレひとりで老いた両親をふたり抱えて途方に暮れていた時期もあったけど、ケアマネージャーさんとつながってからは、なんとか生活が回るようになった。

 だから読者のみんなは、もし親の介護が必要な状況になったら、とりあえず地元の地域包括支援センターに連絡して相談してケアマネージャーさんを紹介してもらって、とにかく自分ひとりで抱え込まないようにしてほしい。

山口明
記事一覧
プロ童貞・現代アーティスト
1960年生まれ。プロ童貞しかし、あるときは現代アーティスト。そしてまたあるときはオナニストにして予言者。しかし、その実体は無職のオシャベリ・クソジジイ。毎日、地元MAD CITY(松戸市)の平和を守る為、猫背&早歩きでパトロール。本日も童貞戦線異状なし!!
著書の「ワイルドチェリーライフ山口明 童貞力で一億総クリエーター時代を生きる」が発売中。代理人による公式Xも更新中。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


ご祝儀は新札しかNG? 土日の入手方法やアイロンでの作り方
 友人の結婚式が近づいて、美容院の予約やドレス、靴の手配まで完璧なのに「ご祝儀の新札がない!!」と焦った経験はありません...
来年は猫年じゃない? 干支に入れず恨み節の“にゃんたま君”
 昔、神様は元旦に動物たちにあいさつに来るよう言いました。12番まで先着順に、年の動物になれるという大イベントでした。 ...
本当に自分のために? 素直に聞くべきアドバイスの見極め方
 昔から「素直さは大切」だと言われます。大人になっても素直さを忘れずに、周囲のアドバイスを聞き入れられる人のことは尊敬し...
脱いだ作家を守るために…作品を山に埋めた編集者の話 #3
 投資していた友人の失脚により、K社長はブラックな債権者から追われる身となりました。  社長は行方をくらまします。...
縁を切るべき友達の5つの特徴&上手に縁を切る方法とは?
 どんなにコミュニケーション能力が高い人でも、「苦手だな」「付き合いにくいな」と感じる人は、誰にだっているもの。仕事の付...
後ろ足で器用にポリポリ…一緒に“にゃんたま”も揺れちゃうの
 きょうは、首元がカユ~イにゃんたま君です。  首を掻くのに、うしろ脚を使うなんて…ニャイす!  一本だけ爪...
脱いだ作家を守るために…作品を山に埋めた編集者の話 #2
 自分の作品がヘアヌードブームに引っかかることも、世間はこんなにエロが好きで、女性のヌード=男性の下半身への奉仕物、と見...
脱いだ作家を守るために…作品を山に埋めた編集者の話 #1
 女が脱ぐ仕事をするのには、いまも昔も危険や煩わしいことが付きまといます。  私自身、音楽をやっていた頃に自分の作...
お葬式に黒いタイツはダメ?寒い日の防寒対策&喪服のマナー
 真冬にお葬式に参列することになった時、黒のストッキングでは足元が寒いことってありますよね。でも、暖かい格好で行こうと思...
配信者にとっては厄介!「察してもらいたい欲」がすぎるひと
 ライブ配信は、まさに魑魅魍魎(ちみもうりょう)がうごめく世界。今日も今日とて、多くのライバーやリスナーは、配信をめぐっ...
この匂いはあの子かにゃ?チェックに余念のない“にゃんたま”
 猫の嗅覚は、人間の嗅覚の数万倍から数十万倍鋭い、といわれています。  猫の鼻先は常に湿っていて、空気中に流れてい...
今年の実付きは最高!「千両」と共に迎える幸せなお正月
「今年の千両、実付きがいいよ!」  花市場でいつもお世話になっているセリ人のお兄様が電話の向こうで叫んでおります。...
旅行できない今こそ…年末年始におすすめグルメサービス2選
 政府の観光支援策「Go To トラベル」の全国一斉停止が決まり、年末年始の予定を変更した人も少なくないはずです。こんな...
静かな時間の終わりなき毛繕いに感じる“にゃんたま”の美学
 男には自分の世界があるらしいと知ったのは、小学校低学年の頃。  テレビでルパン三世のアニメのテーマ曲が流れていて...
人と仲良くなる6つのコツ&友達作りが上手な人の共通点♪
 社会人になってから、「人付き合いに苦労している」という人は多いはず。学生の頃には、無難にこなしていたはずの人付き合いが...
アンガーマネジメントのススメ~怒りを伝えて我慢にさよなら
 男女問題研究家の山崎世美子(せみこ)です。人間関係のほとんどのトラブルは“怒り”から始まるといっても過言ではありません...