日本はピル後進国! 「ピル=避妊」の考え方は遅れています

リタ・トーコ ライター
更新日:2023-01-26 20:15
投稿日:2019-07-11 06:00
 あなたは、ピルを飲んだことがありますか? きっと「ない」という方が、ほとんどでしょう。それどころか、飲もうという考えすら持っていない方が多いはず。その理由は、ずばり、「ピル=避妊薬」という、“セックスのための薬”というような不埒なイメージがあるからではないですか?でも、この考え方は本当に古い! ピルは、女性の味方になってくれる存在。私はそう思っています。
 そんなわけで、ピルユーザー6年目の私が、ピルの本当のメリットや考え方について、お伝えしていきたいと思います。

「ピル=避妊薬」のイメージに辟易してしまう

 ピルを飲み始めたのは、6年前。生理不順から婦人科に通ったことがきっかけでした。

 飲み始めてみると、生理にまつわるいろいろなマイナートラブルがなくなり。さらには、避妊を男性に頼まなくても良い気楽さもあり。そんなわけで、生理不順解消後にも、ずっとピルを飲んでいる私。

 でも、私がピルユーザーだと話すと、男女問わず、なぜか「え〜!」と驚いた顔をされます。「相手が避妊してくれないの?」と、心配されることも。さらには「自分とのセックスのために、飲んでくれているんでしょ?」という、おバカな男性もいますね。

 そうなんです。日本では、あまりにも「ピル=避妊薬」というイメージが強い。「ピル=遊んでそう」なんて思われがちなのも、このため。一言申し上げるとすると、無知ってかわいそう。そう思うんです。「ピル=避妊薬」のイメージに辟易しちゃいますね。

 私がなぜピルを飲むのか、それは「私のためになるから」なのに。

そもそもピルとはどんなもの? おもな働き

「ピルとは」と検索をすると、クリニックをはじめとしたたくさんのページで解説されています。それを読むだけでも「ピル=避妊薬」でないことは分かると思うのですが、そもそも自分に関係ないことって、なかなか調べないですよね。

 そんなわけでまずは、ピルについての基礎知識を。

ピルとは

 ピルとは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2つの女性ホルモンが含まれた薬のこと。経口避妊薬と呼ばれることもありますね。

ピルのおもな働き

 ピルにはどんな働きがあるのか、おもな働きを見てみましょう。

○生理周期の安定
○生理痛を改善させる
○避妊効果
○肌荒れの緩和
○子宮体がん・卵巣がんの予防
○骨粗鬆症の予防
○更年期症状の予防
○貧血の改善 etc……

(ピルの効果については、また次回以降詳しくお伝えできたらと思います)

日本は先進国らしからぬピル後進国! ユーザー数は1%?

 世界中で1億人ほどの女性が飲んでいると言われるピル。でも、日本であまり飲んでいる女性を見かけないのはなぜでしょうか。

ピルは先進国になるほど服用者が多い

 実はピルは、先進国になればなるほど服用者が多いそうなんです。欧米では約50〜70%、フランスでは約40%の女性がピルを服用しているのだとか。でも、そんな「先進国」である日本でのピルユーザー数は、たった約1%!非常に低いことが分かりますね。珍しがられるのも、分かるような気がします。

日本でピルが浸透しない3つの理由

 日本でピルがなかなか浸透しないのはなぜでしょうか。それには、3つの理由がありました。

・ピルの承認が遅かった

 ピルは、アメリカで1960年に承認されてから、たくさんの国で使われてきました。でも、日本でようやく承認されたのは1999年。わりと最近のことなんです。ちなみにこれは、先進国の中ではもっとも遅いそう。これは、明らかに国の体質のせい。

・偏見や間違った知識が蔓延している

 ピルを始める時、母に話したら「子どもができなくなるよ!」と言われた私。夫からも、「子どもに影響しないの?」と聞かれました。

 生きた化石かと思うようなこの発言は、何も母や夫だけではありません。先に挙げたように「ピル=避妊薬」という偏見や、「子どもができにくくなる」「太る」「がんになる」など、間違った知識が蔓延しすぎているため、ピルを使ってみようという気すら起こらないのが現実でしょう。

・入手する手間がかかる

 国によっても差があると思いますが、多くの先進国では薬局のような場所でピルを購入することができます。初回だけ処方箋が必要だけど2回目からは要らない、そんな国もあります。でも、日本ではきちんと診察を受けて、処方箋を出さないともらえないのが難点。時間とお金がかかるから、面倒で続けたくないという人もいますね。

時代遅れのまま? あなたが選ぶピルとの生活

 ピルを飲んで思うことは、女性にとってのメリットが大きい! これに尽きます。いざという時に生理周期をずらすこともできるし、月1のつらい生理痛や生理のイライラもあまり感じなくなるし。

 そして、避妊面でも。セックスをする時に避妊を男性任せにするわけではないから、自分で身を守れる安心感すら持てる。(とはいえ、性病は防げないので相手の見極めは必須。コンドーム併用がベスト。)

 ピルは、文明の利器といっても過言ではないかも。以前から、ピルについて書きたいと思っていたので、それが叶って幸せです。次回は、男女のお付き合いの中でピルがどう関わるか、のような、そんな話をしたいと思います。

リタ・トーコ
記事一覧
ライター
引きこもり既婚ライター。夫とのゆるい幸せを楽しみつつ、つい浮つく。類は友を呼ぶのか、周りに似た友人が多い。人生1回きり。興味に負け続ける女。好きな言葉は「自己責任」。

ライフスタイル 新着一覧


【動物&飼い主ほっこり漫画】第92回「町のちいさな動物病院にハルがキタ」
【連載第92回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
【女偏漢字探し】「燗」の中に隠れた漢字は?(難易度★★★★☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
56歳で初めて包丁を握ったYO! 万年実家暮らし男性が力説する「テキトーな自炊」の愉しみ
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
主婦vs丸の内バリキャリの「マウント合戦」は漫才よりも笑える。“負け顔”ができる女芸人の観察
 かつて西大井にあったお笑い養成所に通っていた3人の女。SNS・mixiのコミュニティに麻梨乃が書き込むと、2人の同期生...
早稲田卒、商社OLの称号は「貧乏な夢追い人」とは違うの。誰よりも高い“現在地”は私だよね?
 かつて西大井にあったお笑い養成所に通っていた3人の女。約20年後、懐かしさで当時使用していたSNS・mixiのコミュニ...
ゲッ…まだ「mixi」見てるの? 独身女2人の即レスに“意地悪な幸せ”を感じる上から目線の主婦
 mixiでの呼びかけに、応答があったのは2人だけだった。  当然だろう。そこはもう誰もいない公園なのだ。あの頃は...
否定ばかりする人のLINEがしんどい…。我慢せず、受け手側ができる3つの対応策とは?
 LINEのやりとりで、相手から否定ばかりの内容が届いたら対応に困りますよね。  腹が立ち、関係をやめたいと思って...
金運を上げる花5選!植物で開運を狙う基本のキ。黄色いお花だけではない【開運花師おすすめ】
 いくらやりくりを頑張っても、追いつかない物価高。こうなったらもう金運を呼び込むしかないかも?  お花や開運に関する...
辻希美は第5子妊娠の衝撃度。長女希空とは18歳差に…年の差きょうだいの良さと熟考すべきこと
 元モーニング娘。の辻希美(37)と夫の俳優・杉浦太陽(43)が3日、第5子妊娠を発表した。  2007年6月に結...
一気に距離が縮まる会話術! 社長も平社員も、みんな笑顔になる「あの話」は鉄板エピソード
 例えば今目の前に距離を縮めたい相手がいたら、みなさんは何をしますか? 私なら、その人の子供時代の話を聞きます。 ...
「子持ち様」認定されないように…非常識な親バカママ友あるあると3つの対処法
 子供がいると避けて通れないのが、ママ友とのお付き合い。  今回は、思わずイラッとしたママ友の親バカ行動をご紹介。周...
職場の「1on1ミーティング」を苦痛に感じる3つの原因。今すぐ取り入れたい対策方法は?
 近年、企業で取り入れられている「1on1ミーティング」をご存知ですか? 新しい手法を取り入れるのは良いことですが、蓋を...
堤防の上は“たまたま”のランウェイならぬ、ニャンウェイ♡ 見せ場のターンの瞬間をパチリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
意外に難しい「ミモザの鉢植え」を成功させたい! ほっぽらかし園芸好きの花屋が教える5つの失敗と対策
 暦の上では3月、ポカポカを通り越して半袖脇汗が止まらない日中があれば、突然寒くなり雪が降る…これは本当に三寒四温なのか...
想定外しかない商店会ワーク。文句ばかり言うおっさんにブチ切れ寸前、寅さんの名台詞で堪えました
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
ぎっくり腰再発かも…? 運動不足解消のため、水泳を始めた中年おばさんの“まさか”
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...