新設枠健闘の理由は…
ムロ演じる元敏腕芸能マネージャー・蔵前勉が、平手友梨奈(22)演じる新人天才弁護士でありながら思いやりの心と常識が欠落している天野杏を、パラリーガルとして支えるバディもののリーガルドラマ。
ムロのクドすぎないコミカルさが心地良く、平手とのアドリブ合戦だというかけあいも視聴者の笑いを誘う。蔵前の聞く者の心を打つお説法は事件の解決に繋がったり、杏の「人間らしさ」を引き出していく。
つっけんどんだった杏が蔵前に徐々にデレていく様も見どころの一つだ。
年の差バディが絶妙な絡みを見せることで、2人それぞれに近い世代どちらからも反響を得て、世帯視聴率、配信の強さを両立させているのではないだろうか。
23年秋ドラマ視聴率3位でありながら、TVerのお気に入り登録者数は12作品中12位の49.3万人に留まった「ゆりあ先生の赤い糸」は、題材が介護・不倫・嫁姑問題と中高年層には受け、若い世代にはそこまで刺さらなかったようだ。
「いちばんすきな花」が配信で支持されるワケ
一方、TVerのお気に入り登録者数で23年秋ドラマ断トツ1位の139.3万人を誇るのは「いちばんすきな花」(フジ系)。同じ制作チームによる22年秋の同局メガヒットドラマ「silent」には及ばないものの、5話までの見逃し配信累計再生数は1900万回を突破している。
ただ、全話平均視聴率は5.0%で12作品中10位。松下洸平(36)、多部未華子(34)、今田美桜(26)、神尾楓珠(24)という豪華クアトロ主演ながら、「silent」のような分かりやすい恋愛モノではなく、「男女の友情」をテーマにしたためか視聴率では伸び悩んでいる。
それでも配信が強いのは、
「昔から2人組を作るのは苦手だった」
「傷つけられるのに慣れても、傷つかなくなるっていう事はないでしょう?」
「言っちゃダメなことはたくさんあるけど、思っちゃダメなことはない」
など、毎話のように繰り出される名言が、多感な若い世代に刺さりまくっているからだろう。
注目3ドラマの強みは…
まとめると、23年秋ドラマでは、中高年層を中心として世帯視聴率に強い「下剋上球児」、若い世代とコアファンに支持され配信に強い「いちばんすきな花」、世代問わずバランス良く見られている総合力の「うちの弁護士は手がかかる」が3者3様に注目を集めていると言えるだろう。
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