東京ブギウギ初お披露目! 第1回冒頭のシーンとの違いは明白だった

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-02-12 13:40
投稿日:2024-02-09 15:30

NHK朝ドラ「ブギウギ」~第19週「東京ブギウギ」#91

(C)NHK
(C)NHK

 羽鳥善一(草彅剛)の気合が入った稽古に臨むスズ子(趣里)だが、愛子の世話をするために何度も中断することになってしまう。

 このままでは稽古にならないと悩む一同だが、いい解決策を見出すことができない。

 そんな時、茨田りつ子(菊地凛子)が稽古場を訪ねてくる…。

 やがて迎えたショーの当日。人々を楽しませ、励まし、生きる活力を与え、日本中をズキズキ・ワクワクさせた名曲「東京ブギウギ」で、ブギの女王が誕生する!

【本日のツボ】

(C)NHK
(C)NHK

「青森の人間は情が深いのよ」by茨田りつ子

 ※※以下、ネタバレあります※※

「愛子と一時も離れたくない」というスズ子の思いも分かりますが、稽古場にまで連れ込むのはいかがなものでしょう。

 赤ちゃんは泣くのが仕事だから、稽古が佳境になったところで泣くこともあるでしょう。そのたびに稽古を中断しては、楽団員やダンサーの士気も萎えるというものです。

 で、思い出したのが、1988年の流行語にもなった「アグネス論争」です。当時、コメンテーターなどで引っ張りだこだったアグネス・チャンが第1子出産後、テレビ局の収録に「子連れ」で出勤したことが発端です。

 このことを林真理子が「周囲の迷惑を考えていない」などと批判。批判派、擁護派に意見が分かれ、喧々囂々やっていました。

 アグネスよりもずっとずっと前に、笠置シズ子が「子連れ出勤」をやっていたとは、驚きです。

淡谷のり子はアグネス論争の批判派だった…?

 さらに驚いたのが、「アグネス論争」について調べようとウィキペディアを確認したところ、「芸人は夢を売る商売なのに、楽屋に子どもを連れて来たりすると芸が所帯じみてよくない」という批判派の言葉が引用されていたのですが、その発言者がなんと淡谷のり子(1987年3月20日フジテレビ『おはよう!ナイスデイ』)だったこと。

 ドラマの中の茨田りつ子は、スズ子に優しく手を差し伸べ、愛子の面倒をみると自ら買って出てくれたのに…。それとも心の中では「子どもなんか連れてきて、歌が所帯じみるわよ~」と思っていたのでしょうか。

 りつ子いわく「青森の人間は情が深い」とのことなので、困っているスズ子を見て見ぬふりは出来なかったのかも!?

ブギウギ第1回放送回との違い

(C)NHK
(C)NHK

 何はともあれ、りつ子のおかげで、スズ子は無事に「東京ブギウギ」をお披露目することができました。「ブギの女王」の誕生は、第1回冒頭のシーンに繋がりました。

 羽鳥の「トゥリー、トゥ、ワン、ゼロ」のカウントが超高速だったので、このシーンが新撮であることはすぐに分かりました。

 第1回とどこが違うか、興味のある方は「NHKオンデマンド」で見比べてみては。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「お月のもの」ネタ再び、寅子らの生理談議にマスターのヘンな気遣い
 よね(土居志央梨)は貧しい生い立ちを明かし、涼子(桜井ユキ)や寅子(伊藤沙莉)など、同級生らが恵まれていることに憤りを...
桧山珠美 2024-04-18 16:50 エンタメ
森香澄は“嫌われる女”を演じてる説 「女子アナ」抹消計画を進行中!?
 元・テレビ東京の「女子アナ」で、昨年3月に退社してフリーに転身後、バラエティ番組を中心に引っ張りだことなっている森香澄...
堺屋大地 2024-04-17 06:00 エンタメ
朝ドラ史上初の快挙!ヒロインの月のもの(生理)事情が描かれた
 生徒数が減り、存続の危機に陥る明律大学女子部。宣伝のため2年生の寅子(伊藤沙莉)たちは先輩の久保田(小林涼子)・中山(...
桧山珠美 2024-04-15 15:48 エンタメ
平野、神宮寺、岸のNumber_i返り咲きの春! 欲いえばもっともっと…
 さくら満開の春、Number_iがテレビに帰ってきました平野紫耀(27)、神宮寺勇太(26)、岸優太(28)、お久しぶ...
「ニャニャニャニャニャ」寅子の必殺技!いずれ強い虎になる“伏線”か?
 判決の日。寅子(伊藤沙莉)たちの予想は外れ、妻が着物を取り戻すことが認められる。大喜びする女子部の面々だったが、よね(...
桧山珠美 2024-04-12 18:20 エンタメ
不祥事芸人・フジモンの賛否両論の復帰劇!実は吉本への貢献度が抜群?
 昨年10月に当て逃げ事故を起こして活動自粛していたフジモンことFUJIWARA・藤本敏史が、3月23日放送の『さんまの...
堺屋大地 2024-04-12 06:00 エンタメ
寅子「あきらめたらそこで終わり」はもしや…名作漫画のイズムにニヤリ
 傍聴した裁判について尋ねた寅子(伊藤沙莉)に対し、穂高(小林薫)は皆で議論してみるよう促す。  暴力を振るう夫か...
桧山珠美 2024-04-11 15:25 エンタメ
トラコ入学、伊藤沙莉は表情筋を自由に操る女優…男装の山田よねにも注目
 昭和7年。晴れて「明律大学女子部法科」に入学した寅子(伊藤沙莉)のクラスには女子の憧れの的の華族令嬢・桜川涼子(桜井ユ...
桧山珠美 2024-04-08 18:38 エンタメ
“お騒がせ”青井実アナが心機一転、なにわ男子の道枝駿佑と似てるって⁉
 世の中の人がNHKに持つイメージといいますと、「真面目」「お堅い」「地味」といったところでしょうか。  そんな中...
逃げ恥の百合ちゃん役が“頭のいい女は頭の悪いふりをするしかない”発言
 穂高(小林薫)に出くわしたことで女子部への出願が母・はる(石田ゆり子)にばれてしまった寅子(伊藤沙莉)。  娘に...
桧山珠美 2024-04-05 15:30 エンタメ
「虎に翼」語りは尾野真千子 NHKアナと俳優のナレーションの違いは?
 寅子(伊藤沙莉)がお見合いに苦戦する中、親友の花江(森田望智)は寅子の兄・直道(上川周作)との結婚準備を順調に進めてい...
桧山珠美 2024-04-05 15:14 エンタメ
「虎に翼」シン・朝ドラの予感!わずか1話、たった15分で心つかんだ描写
 昭和6年・東京。女学校に通う猪爪寅子(伊藤沙莉)は父・直言(岡部たかし)、母・はる(石田ゆり子)から次々とお見合いを勧...
桧山珠美 2024-04-01 22:28 エンタメ
僥倖!世界に挑む赤西仁ほど「サムライマック」のCM向きな俳優はいない
 マクドナルドのCMにイケメンあり!  そんな声をちらほら耳にするようになりました。たとえば4月2日から全国放送さ...
平野らTOBEがドーム公演大成功の一方、暗雲立ち込める旧ジャニの逆転は
 3月14日から17日にかけて、滝沢秀明氏創設のTOBE所属アーティストによる東京ドーム公演「to HEROes ~TO...
こじらぶ 2024-03-30 06:00 エンタメ
ブギウギ最終回、水を差すようでスンマセン! 残念すぎる4つの演出と描写
 スズ子(趣里)のさよならコンサートが始まる。客席には懐かしい多くの面々がかけつけている。茨田りつ子(菊地凛子)、愛子(...
桧山珠美 2024-03-30 11:41 エンタメ
スズ子引退会見、“天敵の文屋”鮫島の「シャッポを脱ぐ」演出を読む
 歌手・福来スズ子(趣里)の引退会見の当日。スズ子は結局、羽鳥善一(草彅剛)とは話ができないまま会見に臨むことになってし...
桧山珠美 2024-03-27 14:30 エンタメ