【独占】いきなり“ヤリマン願望”宣言した漫画家のモヤモヤと裸への価値観

河合桃子 ライター、ジャーナリスト
更新日:2024-04-26 06:00
投稿日:2024-04-26 06:00

 青年コミック誌「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で連載中の『ヤリマンになりたい。』。そのド直球すぎるタイトルを描いているのは初々しい女性でした。自身も「ヤリマンになりたい」と話す著者、まおいつかさんの独占インタビューです。

【インタビュー後編はこちら

ヤリマンになりたい。』の主人公は抑圧された環境から恋愛や性に奥手で、32歳までセカンドバージンだった市川もも。そこに楽しいセックスライフを過ごしている池田ひまわりが現れ、彼女の生き方は一転。「自分もヤリマンになって自由に生きたい」と考えるようになる成長ストーリーです。

 一見ギョッするようなタイトルの本作ですが、実は女性の「性の解放」「自己の解放」をテーマとした意欲作なのです。そんな漫画をまおいつかさんが描く理由とは。

「私、ヤリマンになりたいんですよね」

――第7回ヤングスペリオール新人賞佳作受賞後、初のデビュー作ですよね。この漫画の構想は元々あったのでしょうか?

 いえ、まったくありませんでした。編集担当さんから「“エロ”のジャンルで漫画を描いてみないか」というお話をいただいたことがきっかけです。エロとは無縁でこれまで過ごしてきた私はヤリマンという正反対の生き方に憧れがあったので、編集さんに「私、ヤリマンになりたいんですよね」と伝えたら「それで行こう!」となりまして(笑)。

――なぜヤリマンになりたいと思ったんですか?

 主人公のももほどじゃないですが、私もシングルの母に育てられ父の悪口をよく聞いていたので男性に対しどこか信用できない気持ちがあったんです。それが関係しているのか恋愛感情がそもそもよくわからず、付き合ってもすぐ別れちゃう。私に欠落したところがあるのかもってモヤモヤした思いもあって。

 そんななか、ヤリマンの友人を見ていると、とても軽やかで楽しく生きてるなって羨ましく感じることがあるんです。

 私はセックスに至るまでたくさんの工程が必要だと思っていたし、そもそも裸を見られるのが恥ずかしいからセックスするのに大変な精神力と労力がかかるんです。でも友人を始めとしたヤリマンの方々は、良いと思った男性と「とりあえずしてみるか!」とチャレンジする。そんな軽やかで自信のある姿勢に憧れたんですよね…。

――ももちゃんには、ご自身が投影されているんですね。

 そうなんです。ももが漫画の中で変わりたいと願うように、私の気持ちも漫画を書いて変わっていけたらいいなと思いました。

「エッチなんだね」の言葉にゾワッ…

――「恋愛感情がわからない」ということですが、これまでの交際経験は?

 20代のとき付き合った人が変わった人で…真面目でいい人そうという理由で付き合ったんですが、映画館デート中に、私の顔をジロジロ見てくるのが耐えられなくて。手の甲に水をぺちゃぺちゃ付けてくるし…「キモッ」って思っちゃったんですよ。

 せっかく付き合ったのに、気持ちの距離が縮まらず、友人に相談したら「お泊まりに行ってみれば?」とアドバイスを受けて。「家に行きたい」と伝えた私に、「いつかちゃんって、エッチなんだね」と返す彼にゾワ~ッと…。その後、すぐにお別れしました(笑)。

――その人はやや特殊なケースですね(笑)。

 その人はともかく、男性の容姿ではなく内面に惹かれるとか、心の底から湧き上がる「好きっ!」みたいな気持ちがわからない。だからこそ「この人とやりたい」みたいな感覚もわからなくて。ヤリマンの子たちは男性と楽しく関わっていて、セックス以外の部分でもヤリマンに興味があったんです。

――実際のヤリマンの方々に取材をして、作品に反映したと聞きました。

 はい、彼女たちの性に対する思いやエピソードを聞けたことは非常にいい勉強になりました。

 プライベートでも“ヤリマン道”を突き進むセクシー女優さんや、昼はOLしながら夜は裏垢女子として性的な遊びを楽しむ方とか。その方たちはみんな自分なりのポリシーと言葉を持っていました。ももの活動記録でありながら私もたくさん学ばせていただきました。

河合桃子
記事一覧
ライター、ジャーナリスト
1977年生まれ、週刊誌を中心に執筆。大分県の椎茸農家から都内のハプニングバー摘発事件まで幅広く取材。ライフワークはママ友の家庭のいざこざや性愛事情を聞くこと。

関連キーワード

ラブ 新着一覧


彼の稼ぎだけでは厳しいのに…仕事を理解されない女性の苦悩
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2021-09-18 06:15 ラブ
ファンにおねだり三昧…恋人の欲深い一面に幻滅した男性の弁
「冷酷と激情のあいだvol.56〜女性編〜」では同棲中の彼氏からライブ配信者としての姿を認めてもらえないシングルマザー・...
並木まき 2021-09-18 06:22 ラブ
割り勘をする男性に隠された5つの心理&交際する判断ポイント
 交際前、もしくは交際したばかりの彼とのデートの際、会計で割り勘を要求されたら、あなたはどう思いますか? 中には、その時...
恋バナ調査隊 2021-09-18 06:00 ラブ
男性は恋に冷めると態度が変わる…見極めたい男性心理&行動
「彼氏の態度が最近冷たい……」と、悩んでいる人は多いでしょう。「冷めてしまったの?」と、眠れない夜を過ごしているかもしれ...
恋バナ調査隊 2021-09-17 06:00 ラブ
肉食系男性が本気になる女性の特徴&効果的なアプローチ方法
 好奇心旺盛で積極的な「肉食系男性」。遊び人や浮気性というイメージがあるため、そんな肉食系男性を好きになってしまった人は...
恋バナ調査隊 2021-09-17 06:00 ラブ
年の差を気にする年上男性の心理&上手なアプローチ方法3選
 たとえば、10歳以上、年の差がある男性を好きになったとしても「年齢の差なんて気にしない」と思う女性は多いでしょう。でも...
恋バナ調査隊 2021-09-16 06:00 ラブ
性別の違う恋人を2人作る「両性型恋愛」を選んだ女性の告白
 性の多様化が進む昨今、複数の恋人を持つポリアモリーという分散型恋愛を実践する人も増えています。また、それとは別に、性の...
内藤みか 2021-09-16 06:00 ラブ
運命の人“スピリチュアルパートナー”の特徴&出会う前の変化
「魂の深いつながりがある」「お互いの成長をサポートし合う関係」と言われるのが、“スピリチュアルパートナー”です。まさに、...
恋バナ調査隊 2021-09-15 06:00 ラブ
待っていたらダメ! 彼から連絡が来ない本当の理由と対処法
 仕事が忙しいとパートナーとの連絡頻度が減り、お互いに放置してしまう……なんてことはありませんか? 私は仕事中にカレから...
若林杏樹 2021-09-15 06:00 ラブ
恋愛にドライになりたい…真似したい性格の特徴&恋愛傾向
 恋愛に依存してしまうと精神的に追い詰められてしまうことも多く、疲れてしまいますよね。恋愛にドライな友人を見て、「あんな...
恋バナ調査隊 2021-09-14 06:00 ラブ
長年交際した彼女と別れてすぐに他の女性と結婚する男性心理
 何年も付き合っていた彼女とは結婚しないまま別れて、その後に付き合った新しい彼女とあっさり結婚する男性って少なからずいま...
田中絵音 2021-09-14 18:11 ラブ
“好きな人ほど連絡しない”のはなぜ? 男性心理4つ&対処法
 普通、付き合っている相手とは少しでも長くつながっていたいと思うもの。でも、中には「好きな人ほど連絡しない」男性もいるよ...
恋バナ調査隊 2021-09-13 06:00 ラブ
マンネリを解消できないカップルの特徴5つ&上手な乗り越え方
 どんなに仲の良いカップルでも、ある程度の交際期間が過ぎるとマンネリ化を感じるケースが多いようです。そんな危機を上手に乗...
恋バナ調査隊 2021-09-12 06:00 ラブ
さすがに凹む…クールな彼氏が送ってきた冷たいLINE5選
 クールな男性って、ミステリアスでかっこいいですよね。彼のそんなところに惹かれたという女性もいるでしょう。でも、中にはク...
恋バナ調査隊 2021-09-12 06:00 ラブ
魅力的で愛されるキャラ作り~あなたのプラスのギャップ診断
 男女問題研究家の山崎世美子(せみこ)です。より魅力的で愛されるためには、見た目と内面のギャップを上手く使い分けることが...
山崎世美子 2021-09-11 06:00 ラブ
ライブ配信の沼に…“推し”に課金を続ける夫を理解できない妻
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2021-09-11 06:13 ラブ