花の値段も上がる一方だが、買いに来る女は必ずしもお金持ちとは限らない

斑目茂美 開運花師
更新日:2024-05-15 06:00
投稿日:2024-05-15 06:00
 連日連夜「これも値上がりかぁ」と悶々としております。大好きなお菓子や菓子パンのサイズや個数が減っているのを確認するたび、「コイツもかー!!」の発狂レベルな大問題。毎日食べて知ってるくせに、“うるせーよ”ではございますけど。

物価高が止まらない

 日々の暮らしでさまざまなものに値上がりを感じる今、生きるために必要なものを買うのは外せないとして、一方のそう必要でもない嗜好品から足が遠のくのは自然なことではございます。

 ですが、健康な心のためにそれでもいいの? が今回のテーマ。「花は余裕がある人しか買わないの? 心のゆとりは自分で作るもの」のお話でございます。

花が最も動く日に

 お花がもっとも売れる日「母の日」が終わったばかり。今でも「遅れてごめんね」の母の日商品が全国的に動いている真っ最中でございます。猫店長「さぶ」率いる我がお花屋も、母の日直後の一週間は母の日アイテムが毎日売れておりますわよ。

 個人的には、株価は上がっても“一般庶民には全く反映されておりませんな”という感覚。「世の中ますます不景気よ」ともやもやしております。それでも大切なママに差し上げるお花は頑張って買いに来た! な人たちで、全国のお花屋さんはごった返しました。

 さまざまなものが値上がりしているので当然、お花の世界も値上がっております。花、資材、人件費、運搬費…これらを売価にどう反映するのか。落としどころを探る毎日です。

 そんな中、そもそも花が苦手な方は別にしても、「花は高価で枯れるから合理的ではない」という方が声をあげていらっしゃるのも無理ない話かもしれません。でも本当にそうなのでしょうか?

女子力を持つ人の条件

 長年お花屋の店頭で接客をやらせていただいていると、老若男女、あらゆる価値観の方々にお会いします。女性客に限った話ですと、自分のため、人のためにわざわざお花屋さんで買う方に共通するのは、“どことなく小綺麗で余裕がある”ということ。

 におい立つような色気を放つ方、あるいはスッキリこざっぱりした方が選ぶ花の種類に違いはあれど、《生きた花》を所望される方々は必ずといっていいほど、高い女子力をお持ちです。

 そして、お金に余裕のある方ばかりとは決して限らないことも、ワタクシはたくさんのお客様を通して感じているのでございます。

花を買う人

 過日閉店間際に慌ててやって来た若い女性は、スマホ片手に執拗に何かを調べていらっしゃいました。見た目可愛らしいけど、様子がおかしい。

「どうかしましたか?」と声をかけてみると、「このあたりに引っ越してきたばかりで不安だ」と仰る。知らない土地だし、手持ちのお金も乏しい。でも心を整えるために部屋に花を飾りたいというのです。

 そんな今の自分にぴったりな花言葉の花を調べていらしたのですが、結局お買い求めになった花は、「忘れな草」。花言葉は「真実の愛」そして「私を忘れないで」

 どちらの花言葉が彼女の心に引っかかったのかは謎でござんすが、ほんのひと時おしゃべりをして、ささやかな花束を抱えて笑顔に。「しばらくはこの花を見て頑張れそうです」と嬉しい言葉を残してくださいました。

人のために花を買う人

 女性が「人を励ますため」の花は、毎日お作りしております。お友達の元気がないから、落ち込んでいるから、理由はさまざまでも、共通しているのは「贈る相手を思いやる気持ち」です。

 おそらくご自身も普段から花を見て励まされている方なんでしょうな。そして「自分のためにはなかなかお花は買えないからね~。だからプレゼントしたいの」と続きます。

 母の日をはじめとした「女性になにかをプレゼントする日」に花を選ぶとき、贈る側は「いったい何が似合うのか」を探りながら花選びをなさいます。

 どんな場面でも贈る側は相手を花に投影しているケースが多い。やはり女性をたとえるなら花なのでしょうか。喜ぶ顔を想像しながら買って行くのです。

心のゆとりとは

 花は儚く、やがては枯れていきます。そして贅沢だといわれれば確かにそうかもしれません。ですが、たとえ一輪でも花の面倒を見たり飾る場所を綺麗に整理したりと、環境や暮らしを整えるアクションをします。

 面倒にも思えますが、そのおかげで花を見たときに忙殺される日々の暮らしから解放され、ほっこりする瞬間が訪れるはずです。

 どんな花でもなんでもない日に花を飾る女性は、花の美しい時間を感じているせいか、どこか余裕があります。そして、必ずしもお金持ちばかりとは限らない。

 心のゆとりは自分で作るもの。お花屋仕事を通してそんな女子力高めな方々に素敵な生き方を教えていただいております。

 美しい花で女子力を高める方が1人でも増えてくれますことを…遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


連れて帰りたい! 人懐っこすぎる“たまたま”の激レアショット
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
茜色に心和むひと時、だからこの時間が好きなんだ
 忙しない街にも訪れる特別な時間。  足早に歩く人々は顔を上げ、しばし空を仰ぎ見てから、また現実へと戻っていく。 ...
女+家=嫁…「嫁ぐ」と「結婚」の違いはある?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第68回「コウメばあちゃんはどこ?」
【連載第68回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
貸したお金を催促するのにこんな手が…! モヤモヤを解消するLINE3選
 人にお金を貸した後、なかなか返してくれなかったら、とても嫌な気持ちになりますよね。  とはいえ、お金の話は、言い...
電マの営業からラブホの清掃員へ…羞恥心とも戦うストリッパーが思うこと
『電マの営業・新井です!』(略して「電マの新井」)という新作が大変好評だ。  書店員にとっての新作といえば「新しく...
口喧嘩で負けたくない! 勝ちたい時に使えるマル秘戦術3選
 みなさんは誰かと口論になった時、どんな戦法で勝ちにいきますか?  方法は十人十色ですが、今回は代表的な勝ちパターン...
凍り付いた湖の夜が更けて
 もしも突然、この瞬間に、氷が解けたらどうなるんだろう。  そう思いながら、凍て付いた湖の上に立つ自分が結構好き。...
「レンジでゆたぽん」人気じわり..足を温めると眠りやすい!
「レンジでゆたぽん」を知ったのは、年末年始に長野県の義実家に行った時。寒がりな私を気遣って、義母が用意してくれたのです。...
青空にオレンジボディが映え“たまたま”の見返りメンチにキュン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
私って性格悪い? 自分のダークサイドを自覚した4つの瞬間
 誰の心にだって、優しい部分と優しくない部分が存在するもの。そうわかっていても、自分の心のダークサイドを自覚すると「もし...
卒入学、彼岸、送別会【花屋が教える】予算内で理想の花束を贈る7カ条
「斑目さん、今年こそは頑張って期限内にお願いしますよ!」  お正月がなんとなく終わったばかり、なんて思っていたら、我が...
「とにかく盛り上がるやつ頼むよ」ってさぁ 先輩の無茶ぶりLINEがすぎる
 お笑い芸人の松本人志とその後輩芸人たちによるアテンド飲み会が話題になっていますね。  ニュースの真偽はともかく、...
2024-02-21 06:00 ライフスタイル
仕事のサボりがバレた瞬間4選 リモートワークは意外と見られている!
 近年では、リモートワークやフレックスタイムなどの制度が導入されて、数年前よりも働きやすくなりました。  一方で、自由...
真似から始まったファッションも、いつか体に馴染むもの
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
年の差婚の弊害?夫の“昭和の価値観”を持つ息子の将来が不安すぎる件
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  私の夫は10...