父からは頻繁に電話が
――お父様との苦しい関係もお話くださりありがとうございます。話せる範囲で、その後もお聞かせください。
「大学時代も、父の命令で『サークル・合コン・アルバイトがNG』というひどい支配を受けました。『学生は勉強することが一番。遊びやアルバイトは許さん』と、生活費もギリギリの仕送りだったんです。
でも、友達に事情を話して協力してもらい、何度も合コンに行きましたし(笑)、家庭教師のアルバイトもしましたね。それなりに恋愛もしました。
成績もそこそこ良く、希望していた大手化粧品会社に就職できた時は嬉しかったですね。でも、のちに妻子ある正樹さんと不倫生活をすることになるのですから、人生、何が起こるか分かりません。
ただ『親バレ』をきっかけに、父からは頻繁に電話が来るようになりました。
――早く実家に帰ってこい!
――イヤよ。絶対に帰らない。
あと1年で正樹さんは離婚に王手がかかる。その大事な時期に、彼と離ればなれになり、奥さんとヨリが戻ってしまったら…。
(彼だけは絶対に失いたくない)
その思いでいっぱいでした。外出時も興信所の調査員に見張られていないか気が気じゃなくて…。その予想は当たりました。父からは、
――不倫相手は千鶴だったんだな。情けない…絶対に許さん!
――ごめんなさい。でも私たちは本当に愛し合ってるの。
――お前はバカか! 不倫する男の甘い言葉を鵜吞みにするとは情けない。相手の妻に慰謝料請求されたらどうするんだ!
母が心労で入院
目の前が真っ暗になりました…もう終わりです。悪いことは重なるもので、母も心労で入院してしまって。正樹さんにすべて話すと、
――一度、実家に帰っておいで。
そう言われたんです。
――イヤよ。正樹さんと離れるなんて、絶対にできない。
私は彼に抱きつきました。
――妻は息子が合格したら、離婚することに応じてくれた。そうしたら、千鶴の実家に挨拶に行くよ。そして、正式に結婚を認めてもらおう。
――本当?
正樹さんは、すでに奥さまとの話はついているとなだめてくれたんです。詳しく聞けば、奥さまとは『できちゃった婚』であることも判明。それが真実ならば、私は晴れて彼と再婚できる。
でも、その言葉に安心してはいけません。不倫中の知人の中には、同じように言われて、結局『内縁の妻』生活を5年も続けている女性もいたのです。何よりも、父は絶対反対するに決まっています」
エロコク 新着一覧