8年前に“ゆるFIRE”した男 新NISAより確実なリターンは自分への投資

山口明 プロ童貞・現代アーティスト
更新日:2024-07-13 06:00
投稿日:2024-07-13 06:00

確実な投資先は自分自身?

 オレが思う確実な投資先…。それは自分自身、つまりは自己投資だね。

 多くの本や音楽、そして映画やアートとかに触れるようにして感性を磨くこと。あとは資格でも語学でもいいけど、専門分野や学びを深めることも必要だし、「いつかやろう」と思っていることを早めにスタートさせてもいい。

 ファッションや美容も“自分磨き”だし、いろんなジャンルの人と会うのも大切だよね。

 そういうことにお金と時間を投じて、自分自身の人間力を最大限にアップさせておけば、人生で失敗した時でも新たなチャレンジに挑めるし、まわりにいる誰かしらが助けてくれると思うのよ。

 オレは35歳で当時いた制作会社をほぼクビになって、しかたなく「フリーのデザイナー」になったんだよね。だけど、全身クロム・ハーツにロレックスの時計で武装して出版社に出入りしていたら、ほぼ何のキャリアもないのに、なぜか力のあるオジさんに気に入られて“大物”とか言われちゃって、実際に大きな仕事をいただいたりしたんだよ。

――人間、見た目も大切ってことですか?

 よく「人間は見た目じゃない」とはいうけど、やっぱり見た目は大事だと思うよ。時にはハッタリも必要だからね。あとは、どんな分野でも話題が豊富な人って魅力的だよ。話がおもしろくないと人も寄ってこないから。

 そうやって自分自身のブランディングに力を入れて、価値を上げることで“自分という資産”を運用する。新NISAよりもよっぽどリターンがいいはずだよ。

結局はカネ持ちの戯言?

 FIREって乱暴な言い方をすると「カネ持ちの戯言」って感じで、潤沢な資産と投資の知識がなければ実践できない。一般市民にとってはやっぱり手の届かない話のように思える。

 ところで、生涯現役みたいな生き方が美徳みたいな風潮があるけど、どこかで「退く」決断が必要なタイミングがあると思うんだ。いつまでも仕事を続けていると自覚なく「老害」になってしまうかもしれない。政治の世界とか見てるとそう思うよ。

 そもそも、みんなそんなに仕事が好きなのかね? 朝早くに満員電車で出社して、残業して、終電で家に帰るような生活。これを「死ぬまで続けたい」と心底思っているわけじゃないよね。

 少し早めに引退して、オレみたいにFIREとまではいえないレベルでも、わずかな貯金と年金をあてに郊外で質素に地味にゆるく暮らすスタイルが、オーソドックスな選択肢になるかもしれない。

 幸せのかたちは人それぞれだからね。ちなみにオレは今、とても幸せです。次回もお楽しみに。

(聞き手・箕浦恵理/コクハク編集部)

【童貞のつぶやき(おまけトーク)】

 早期リタイアを目指すFIREとは逆に「死ぬまで働き続ける」と意気込んでる人もいるでしょうが、テクノロジーが進化して「誰でもできる単調な仕事」をロボットやAIが担う時代がすぐそこまで来ている。

 危ない作業だって24時間、365日休むことなく正確にやってくれるんだから有り難いことだよ。だけど、それによって仕事を失う人も出てくるんだろうね。

 そう考えると、これからは「単調ではない仕事」に重きが置かれて、そんな人材が求められる。きっと「誰でもない自分を作り上げること」が自己投資になるはず。

 自分を持ち上げる(?)ようで悪いけど、例えばAIにはオレみたいにふざけた発想は無理だろうし、おそらく童貞という概念もないワケで…。これからを生き抜いていくためのヒントもそういうところにあるんじゃないかな。

山口明
記事一覧
プロ童貞・現代アーティスト
1960年生まれ。プロ童貞しかし、あるときは現代アーティスト。そしてまたあるときはオナニストにして予言者。しかし、その実体は無職のオシャベリ・クソジジイ。毎日、地元MAD CITY(松戸市)の平和を守る為、猫背&早歩きでパトロール。本日も童貞戦線異状なし!!
著書の「ワイルドチェリーライフ山口明 童貞力で一億総クリエーター時代を生きる」が発売中。代理人による公式Xも更新中。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


マスク生活で惰性の肌ケア→顔イボ発症! “老人性”の言葉にショック。こりゃあかん…50代目前で決意したこと
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
女性事業者はとってもタフ! 微妙にズレてるおじさま役員との差よ…古い商店会の“これから”は?
 とうとう最終回、この10カ月、ポンコツ商店会話を長らく読んでいただきありがとうこざいました。  この商店会もポン...
大人に“ときめき”はいらない?『続・続・最後から二番目の恋』を見て感じた、私が中年恋愛に望むもの
 アラフィフ独女ライターとして日々を過ごす中で、「50代からの恋愛」って、いったいどういうものなんだろうと考えることがあ...
見るだけで幸福♡ 神々しい“神たま”から“にゃんたま”戦士まで元気いっぱい8連発!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 2025年4月にご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかし...
夫婦生活の頻度まで指示するか!? 義母の「妊娠アドバイス」がウザすぎる
 妊娠を望んでいてもなかなかできなかったり、タイミング的に妊娠を望んでいなかったり。あるいは、初めての妊娠で不安でいっぱ...
「ちょっと待ったー!」にゃんたちの恋のバトルを激写。勝利する“たまたま”は誰だ?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ボスママにまず相談ってなんでやねん! 理解できない暗黙の「ママ友」ルール
 ママ友界でよくある暗黙のルール。「集団の意見をまとめるため」など必要不可欠かつメリットとなるルールもありますが、中には...
過去から未来へ続く景色
 過去から未来へ続く景色。  それはいくつになっても目の前に広がっている。  そう信じて、今晩の自分に、お疲...
【動物&飼い主ほっこり漫画】第97回「筋肉質なヤンチャ坊主」
【連載第97回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
【女偏の漢字探し】「娘」の中に隠れた一文字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
おいっ! 遅刻常習犯の笑える“言い訳LINE”集。許してもらえるうちが花ですよ?
 約束してた時間に相手が来ないと、イライラしたり心配したりするものですよね。そんなときに相手から送られてきたLINEに、...
さよなら…ドコモ“絵文字”終了の発表に「おつかれさま!」「青春がよみがえる」と懐かしむ声。「おじさん構文はどうすれば」と心配も?
「ドコモ絵文字」の提供終了が5月21日にNTTドコモより発表され、大きな話題を呼んでいます。  このたび提供の終了...
おしゃれダイソー、やるじゃん。ヘアアレンジは『スリーピー』でコスパ良くしよっ。1000円で3つ買えちゃう
 THREEPPY(スリーピー)は、ダイソーが展開する300円が中心のオリジナルアイテムのブランドです。「あいらしい。そ...
え、そんな理由?「挨拶しない若手社員」のフクザツ心理。パワハラにならない接し方は…
 最近、若手のなかで「挨拶不要論」が唱えられているのをご存じでしょうか。コロナの影響なのか、挨拶をしない若手が急増してい...
激レアな“たまたま”3連複! 猫のお導きで最高な一日をスタートしましょ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
マナー教えてます?「友達の子ども」にモヤった5つの瞬間。ベタベタ触るのはやめて~!
 友達との女子会などに子どもを連れていくママは、友達への配慮が必要かもしれません。いくら仲がよくても「子どもどうにかなら...