40代でも胸は大きくなる? 垂れるのはまだ嫌!アラフォー世代向け「美胸キープ術」【薬剤師監修】

コクハク編集部
更新日:2024-08-22 06:00
投稿日:2024-08-22 06:00
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、ちょっとした有名人。でもって、タヌキか妖怪の噂も囁かれるなか、健康に関する知識はズバ抜けている――。
 そんなえりのボスのもとにはウワサを聞きつけ、今日も悩みを抱えた女性が、ふらりと立ち寄ったようですよ。

1. 40代になって胸が成長!? 友人に「豊胸した?」と聞かれて…

 今回のご相談は、サキさん(43歳女性/仮名)からです。

「実は最近、前より胸が大きくなった気がするんです」

 サキさんは、少し恥ずかしそうな顔でえりのボスに言いました。

「学生時代の友達に先日会ったんですが、冗談っぽく『豊胸手術した?』と聞かれて…。私、返事に困っちゃいましたよ。豊胸なんてしてないし、ひょっとして友達は『太った?』っていう意味で言っていたのかもしれないし」

 えりのボスはふむふむと、サキさんの話に耳を傾けます。

「えりのさん。40歳を過ぎてから胸が大きくなることって、あるんでしょうか?」

「そうね。個人差はあるけれど、40代になって胸が大きくなったと感じる人もいるわ

 サキさんは、目を見開いて驚いています。

「そうなんですか? ちょっと意外です。『年をとると胸が垂れる』っていう話はよく聞きますけど…」

「たしかに、加齢現象で胸のクーパー靱帯が伸びると、胸が垂れてボリュームダウンしたように見える人が多いわね。一方で、更年期の体調変化からバストサイズがアップするケースもあるようなの」

 えりのボスは安心させるように、にっこり笑って言いました。

「それじゃあ今日は、40代に胸が大きくなるかについてお話しましょう。40代の女性がきれいな胸を保つ秘訣も、お伝えするわね」

「ぜひよろしくお願いします!」

 まだ不安そうな顔をしながらも、目を輝かせるサキさん。

 これは放っておけません!

【読まれています】40代、黒いおりものに不安MAX!もしや病気?薬剤師監修の原因と対策

2. 40代で胸が大きくなったと感じる理由は?

「一般的に、胸が大きくなるのは乳腺が発達する10代の初潮後から20代前半くらいまでといわれているわ。あと、妊娠・授乳の時期にも乳腺が発達して胸が大きくなるけれど、産後にサイズダウンするわね」

 えりのボスの説明を、サキさんはうなずきながら聞いています。

「40代で胸が大きくなる場合、実際には胸だけでなく、脚やおなかなど全身にも脂肪がついている可能性が高いわ。胸の約90%は脂肪でできているから、個人差もあるけれど胸のサイズアップを実感しやすい人もいるの」

 えりのボスの話を聞いて、サキさんはちょっとがっかりした様子です。

「やっぱり太ったせいだったんですか…? 『40代で胸だけサイズアップする』というのは、現実的には難しいんですね」

「がっかりしなくて大丈夫よ。たしかに、40代は女性ホルモンの減少などの影響で肥満に注意が必要な時期だけれど、運動や食事などの生活習慣に気を配れば、引き締まったからだを作れるんだから」

 えりのボスがそう言うと、サキさんは気をとり直したようでした。

「たしかに! 胸の大きさをキープして、他の部分が痩せたら理想的ですね!」

「ええ。運動やバランスのいい食事で肥満対策をしつつ、きれいなバストラインを保っていきましょう。40代できれいな胸を保つための注意点と、具体的な方法を紹介するわね」

3. 40代のバストは、形の崩れに要注意

 40代になると胸が垂れやすくなり、バストラインが崩れたと感じる人が多くなります。胸に存在するクーパー靱帯が伸びたり切れたりすることが、胸が垂れるおもな原因です。

 クーパー靱帯は胸と大胸筋や皮膚をつなぐ靱帯で、40代ごろから衰えやすくなります。更年期特有の女性ホルモンの乱れや加齢に伴って、クーパー靱帯を構成するコラーゲンが減少するため、クーパー靱帯が細くなってしまうのです。

 クーパー靱帯の衰え以外にも、皮膚のハリ低下や大胸筋の筋力ダウンなども、胸が垂れる原因です。

4 .40代で美しい胸をキープするには

 40代女性が年齢に負けないきれいな胸を維持するには、日々のケアが欠かせません。ここでは、美しい胸をキープするための3つの重要なポイントを解説します。

4-1. 適したサイズのブラジャーを使う

 美しい胸を保つ基本は、適切なサイズのブラジャーを選ぶことです。サイズの合わないブラジャーは胸の形を崩したり、胸の血行を悪くしたりするため、使い続けているとバストラインが悪くなってしまいます。

 正しく着けてもカップが余ったり、アンダーバストがきついと感じたりしたら、適したサイズのブラジャーに買い替えましょう。夜はナイトブラを着用すると、胸が重力で垂れたり流れたりするのを防ぐことができます。

4-2. コラーゲン豊富な食事を摂る

 美しい胸を保つには、内側からのケアも重要です。クーパー靱帯の主成分であるコラーゲンを豊富に含む食事を心がけましょう。牛スジやゼラチン、高野豆腐などは、コラーゲンを多く含んでいます。

 また、コラーゲンの合成にはビタミンCが不可欠なので、柑橘類やアセロラのようなビタミンC豊富な食材を一緒に摂取するとコラーゲンを効率的に作ることができます。

4-3. 胸痩せを避けてダイエットする

 胸だけを残して痩せることは難しいものの、適切なアプローチをすれば、胸のサイズをできるだけキープしてダイエットすることが可能です。

 たとえば、内臓脂肪の多いおなか周りを積極的に鍛えると、胸を残してくびれたからだを目指すことができますよ。プランクやレッグレイズなどの筋トレをして、メリハリボディを目指しましょう。腕立て伏せで大胸筋を鍛えるのも、垂れない胸を作るのにおすすめです。

5. 年齢に負けないきれいな胸を手に入れよう!

「えりのさん。今日はきれいな胸を作るコツを教えてくれて、ありがとうございました!」

 サキさんは、えりのボスにお礼を言いました。

「バストアップの疑問が解決して、すごくすっきりしました。太らないように注意しながら、食事やダイエットにも気をつけてバストラインをキープしたいと思います! ブラジャーも、サイズを見直してみますね」

「お役に立ててうれしいわ」

 えりのボスは、にっこりとサキさんにほほえみかけました。

「自分のからだに向き合いながら適切なケアを続けて、魅力的なバストラインを維持しましょうね。また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

「はい、ありがとうございます」

 明るい笑顔でサロンを去っていくサキさん。背筋を伸ばして歩く姿は、とても健康的です。バストラインもすっきり見えて、魅力的だとえりのボスは思いました。

「さて。私も久々に美胸作りのために筋トレでも始めようかしら。何歳になっても、きれいな胸でいたいものね」

 と、ひとりごとをつぶやくえりのボスなのでした。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)

 デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


【夏の脇汗】毎シーズン悩む…洋服の黄ばみ&ニオイどう防ぐ
 夏になると多くの人を悩ませるのが「脇汗」ですよね。洋服の種類によっては、くっきりと脇汗部分だけ色が変わって、黄ばみやニ...
2022-06-15 06:00 ビューティー
実感!偉大なる“おばあちゃんの3大教え” 2022.6.14(火)
 おばあちゃんっ子です。母が病弱だったこともあり、小さな頃からしょっちゅう祖母の家に預けられていました。大学も祖母の家か...
梅雨・台風の不快を減らしたい!1日1分の耳穴ストレッチ<前>
「梅雨の時期や台風が多い時期は、なぜかカラダの具合が悪い……」という人は、意外と多いのではないでしょうか。それは自律神経...
疲れ目対策&美鼻狙いで「耳穴ストレッチ」1日2分でOK<後>
 前編では、骨格矯正士の清水ろっかん氏の著書「『聞こえ』がよくなる! 耳穴スイッチ」(世界文化社)から、「気象病」を治せ...
髪色より眉色チェンジ!垢抜け狙いの時短メイクは目元がカギ
 メイクのテイストを変えるなら、“眉色”に変化をつけるのも人気ではあるけれど、せっかく眉を変えても「なんだか垢抜けないか...
やせたいのに食べてしまう!脱・過食は歯磨き粉を味方にする
 ダイエット中、やせたい気持ちとは裏腹に食べてしまった経験はありませんか? そのたびに自己嫌悪に陥り、さらにストレスで過...
低用量ピル愛用歴10年でドクターストップが!2022.6.9(木)
 ここ数年ですっかり身近になった低用量ピル。周囲にも「飲み始めたんだ~」と気軽に話してくれる友人が増えてきました。しかし...
梅雨の湿気で髪ボンバー!「ボサこ&ぺたんこ」お悩み別対策
 湿気の多い梅雨の季節は、髪に関する悩みが尽きませんよね。ボサボサになって広がってしまう人、うねってしまう人、ぺたんこに...
「黒目を大きく見せるメイク」習得すべし!やりがちNGも紹介
 ポイントメイクの中でも、多くの女性が重要視しているアイメイク。アイメイクのトレンドは変わっていくものの、黒目の部分が大...
万年ダイエッター卒業? 夏までに無理せず緊急ダイエット5選
 ダイエットは、女性にとって永遠のテーマです。「年中、ダイエットをしている」なんて人もいれば、なんらかの理由で「すぐに痩...
2022-06-04 06:00 ビューティー
【ドラコス3選】ギョッ!シミ・シワのケアは毎日の習慣に
 久しぶりにデパートのコスメカウンターに座って鏡を見た時に、自分の目元のくすみにギョッとしてしまいました。デパコスを買う...
「本気デートに合うバッグ」男性は金銭感覚も見てるんだと!
 大好きな彼とデートに行く時、メイクや洋服のコーディネートはばっちり決めていくのに、バッグに関してはいつもの使い慣れたも...
痩せられる人と痩せられない人には明確な“境界線”があります
 女性の多くは、ダイエットを経験しているでしょう。でも、「結果を出せた!」という人は、意外と少ないもの。どうして同じよう...
「刈り上げ女子」への疑問 伸びてきたらメンテどうしてる?
 最近増えている「刈り上げ女子」。下ろしていればいつも通りのスタイル、アップにすればクールな印象になり、2WAYのスタイ...
叶姉妹は無理でも40女のセクシーメイクは“カモメ”を意識して
 家事や仕事、子育てに奮闘する30代を過ぎ、少し落ち着いてくるのが40代。あらためて、女性としての色気や魅力を大切にして...
どうしてる? 30代40代にも多い「外出先での尿もれ」対策6つ
「尿もれなんて、年を取ってからの悩みでしょ?」と、思っている人は多いかもしれません。でも実は、出産や病気などが原因で30...