不安感いつまで?プレ更年期「ぐるぐる思考」への向き合い方

コクハク編集部
更新日:2023-01-26 18:58
投稿日:2022-11-10 06:00
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、ちょっとした有名人。でもって、タヌキか妖怪の噂も囁かれるなか、健康に関する知識はズバ抜けている――。
 そんなえりのボスのもとにはウワサを聞きつけ、今日も悩みを抱えた女性が、ふらりと立ち寄ったようですよ。

1. ぐるぐると考え込んでしまい、不安になる

 今回のご相談はアサミさん(43歳女性・仮名)から。

「ついつい考え込んでしまい、不安で頭の中がいっぱいになってしまうんです……」

 と、アサミさんは暗い表情でつぶやきました。

 えりのボスは、アサミさんの隣にそっと座ります。

「なにか不安なことがあるのかしら?」

「いえ、落ち着いて考えてみると大したことではないんですけれど……。家族とのちょっとした言い合いとか、ご近所との微妙な距離感とか、些細なことですぐ不安を感じてしまって。そんなとき、『私の人生はこのままでいいのかな』とふとした瞬間に考えてしまい、さらに不安が強くなるんです」

「頭の中で、ぐるぐると不安が渦巻いている感じ?」

「はい。本当に『ぐるぐる』という表現がぴったりです」

「私にも経験があるわ」

 えりのボスはうなずきながら、こう言いました。

「不安感は更年期に起こる代表的な症状のひとつなのよ。更年期のメンタル不調への基本的な対策が、あなたの不安感を和らげてくれるかもしれないわ」

「更年期のメンタル不調への対策……?」

 アサミさんは、救いを求めるような表情でじっとえりのボスを見つめています。

 これは放っておけません!

2. 不安感が強まる原因は更年期!?

「えりのさん……なぜ更年期になると、不安感が強まってしまうんですか?」

「大きく分けて、ふたつの原因があるといわれているの。ひとつは女性ホルモンの分泌低下による脳の機能の変調。もうひとつは更年期の時期に特有の、環境的な要因よ。順番に説明するわね」

 えりのボスは、アサミさんをそっと見つめながら説明を始めました。

「まずは、ひとつめの原因。卵巣から女性ホルモンが分泌されるとき、脳の『視床下部(ししょうかぶ)』という部分から、女性ホルモンを出すようにという命令が出るの。

 更年期には卵巣の機能が衰えて、視床下部からの命令伝達がうまくいかなくなり、視床下部の機能に変調をきたすと考えられているわ。

 視床下部はさまざまなホルモンの分泌や自律神経の機能を調節する大切な部分だから、更年期にはイライラや不安感のような精神症状も出やすくなるの」

 アサミさんは真剣にうなずいています。

「もうひとつの原因は、40代半ばから50代半ばにかけての更年期女性をとり巻く、環境的な要因よ」

 えりのボスは続けます。

「ご主人の定年やお子さんの独立や結婚、あるいはご両親の介護のように身のまわりの変化が多い年代でしょう? お子さんの独立で喪失感を覚えたり、介護ストレスや定年後の経済状況の変化を経験したり。更年期は、ちょうど心境の変化をもたらすイベントに重なりやすい時期なのよ」

「なるほど。たしかに、当てはまることがたくさんあります。この不安感を和らげるには、どうしたらいいんでしょうか……?」

更年期の不安感は抑え込まずに、受け止めて付き合うことが大切なの。コツをお伝えするわね」

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


食欲の秋が到来!旬の味覚に秘められた“健康”パワー。サツマイモの美肌効果に注目【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
高市首相もメイクで激変! 強そうな女→柔らかな女に印象を変える“3つの鉄則”ポイント
 第104代首相に選ばれ、今やメディアで見ない日はない高市早苗さん。かつては黒々とした力強い眉が印象的でしたが、最近では...
「生理が終わったのにだるい…」その原因、加齢じゃなくて“鉄分不足”かも。食後のコーヒーは注意して【専門家監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
夏の紫外線+秋の乾燥でボロボロ…化粧水だけじゃない「うるおい対策」で肌を守ろう【専門家監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
急に泣きたくなる…30代以降は“情緒不安定”に注意。不安定な心を整える3つのセルフケア【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
今季のプチプラは大当たり! 大人も“盛れる”目元・口元・肌の新作コスメ3選。「キャンメイク」で老け感を一掃♡
 今季のプチプラが、ものすごく「当たり!」です。コスメの進化は著しく、もはやデパコス要らずの実力!? とざわついてしまう...
女性の6割が悩む「生理前の便秘」痔やイライラ悪化の原因に? 放置せず試したい改善法4つ【医療従事者監修】
 生理前の便秘に悩む女性は、6割もいるといわれています。「でも生理が終われば治る」「便秘くらい、大したことはない」こんな...
流行りの「耳つぼジュエリーダイエット」信じていいの? 貼るだけで楽痩せできる噂の真相【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
【再現メイク】今田美桜になれるか!? 大人世代が3つのポイントを真似してみた。“への字眉”でぐっと近づく
 これまではキュートで華やかなイメージが強かった今田美桜さん。しかし今放送中のドラマ『あんぱん』では40代の役柄に挑戦し...
暑くて無理~! “ドライヤー”キャンセル界隈に捧ぐ、お風呂上りの汗だくを回避する6つの方法
 お風呂上がり、せっかくすっきりしたのにドライヤーをかけてるうちにまた汗だくに…。こんな経験、ありますよね。  髪...
30歳から「骨活」のススメ。将来の“寝たきり”リスクを防ぐため大切な3つの対策【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
健康診断でわからない「隠れ貧血」のリスク。 だるさ、イライラの原因は年齢以外にあり?【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
ブルドッグ顔におさらば! 3秒でできる若見え“メイク”テクニック。コンシーラー1本で激変するコツ【美容家解説】
 夏の疲れが、顔に出ていませんか? 鏡を見て、「なんだか不機嫌そう…」と感じるなら要注意! 年齢を重ねると、どうしても顔...
37℃の熱がダラダラ続くのなぜ? たかが微熱と放置しないで。日常に潜む「体温が上がる」生活習慣【医療従事者監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
えっ、納豆にタピオカも!? 実は“カロリーお化け”な食材4選。じゃあ、美容効果バツグンなおやつは?
 ダイエットの大敵といえば、「おいしい食べ物」ですよね。でも、完全に我慢するのは逆にストレス…。多くの人はできるだけ低カ...
汗が止まらない→頭痛や倦怠感の原因に。実はリスクだらけの多汗、自宅でできるセルフケア【医療従事者監修】
「服の汗染みが恥ずかしい」「毎日タオルが手放せない」こんな滝汗に悩んでいませんか? 汗はからだの正常な働きですが、多すぎ...