バツイチ女一匹「昭和の意地」を捨てたおじさまから商店会会長を任されましたよ…!

フィッシュバーン真也子 コラムニスト
更新日:2024-09-10 16:31
投稿日:2024-09-04 06:00

ポンコツ商店会再起動活動の始まりは、書類仕事が盛りだくさん

 前回、ポンコツ商店会再起動という渦に巻き込まれた私。とりあえず、様々な問題解決のため、床屋さんと元酒屋さんとの密なミーティング@床屋店先からスタート。

 床屋さんと元酒屋さんのおじさまペアに、

「商店会の再起動とともに、街路灯のLED化申請をした方がいいと思うんです。電気代が10分の1になるらしいんで」と私。

「えー、10分の1! そりゃいいわー、やらないとね!」床屋さんと元酒屋さん、ホクホク顔。

「ただ、再起動には、会員募集の手紙、人事策定、過去の収支決算表、新規会員名簿や新会則などなど、書類仕事がいっぱいあるんですよ。それと…区役所の人から聞いたんですが、今年の街路灯LED化申請の締切は2カ月後なんで、再起動と同時進行でこっちの書類仕事も進めないとやばいんですよー」

 と、一気にてんこ盛りの事務ワークについて説明。するとおじさま2名、電気代削減の話を聞いた時のホクホク顔はどこへやら、急に渋面に変わり、「あぁ、そういうのはねぇ、ちょっと苦手で…。その辺お願いできたら助かるんですよ~」と元酒屋さん。

【こちらもどうぞ】「ポンコツ商店会」お預かりしましたvol.1 “幽霊商店会”から「相談がある」と突然言われ、会合に出てみると…何!ナニ!!なにー!!!

 やはり、そうきたか。

「…そうですか。じゃ、過去の商店会資料を全部ください。ちょっとやってみます」と私。

 まぁ、乗りかかった舟、こういう流れになるのはある程度想定内。お二方お困りだし、地域のお役に立つなら、お手伝いもやぶさかではなし。

入会お願いの手紙は「同情&共感票獲得」作戦

 書類仕事の始めは、会員募集のお手紙作成。商店会再起動は、新規会員がいなければ話にならない。地域の事業者の皆様に、この商店会の現在のポンコツぶりをわかってもらい、これから地域のために一緒に何かやってみたい、という気持ちを持ってもらうことが重要なのだ。

 過去の商店会は、割と上からなところがあり「この地域でお店やるなら入って当然」といった印象であったが、今の時代そんな態度では、誰も商店会なんぞに入会しない。

 そこで、入会お願いは「この商店会ってこんなにダメなんです、どうかお助けくださいまし」「そしてご一緒に作ってくださいまし」風な文面のお手紙にし、同情? 共感? を誘うよう仕上げた。

 また、お手紙には会費に関しても明記し、過去には3カ月ごとに集金をしていた会費を、「人手不足」「年払いは1,000円お得♪」などとうたい、年払いをプッシュ。先に少しでも多く現金収入を得られるよう策を講じてみた。

勘違いおじさまたちへ軽く「お小言」

 数日後、ほとんどの書類仕事を終わらせ、改めて会合に参加。

「だいたい終わりましたよ、書類。今後は会員候補リストにしたがって新会員を勧誘して、区にその他の書類と一緒に出せばオッケーです!」と私。

「いやー、すごいなー! 早いねー、こまかいなー!」と喜ぶ床屋さんと元酒屋さん。

「で、作ったこの資料を全部お渡ししますので、今後は会長になる人がこれを引き継いでください。私、ミーティングの時の議事録も作っておきましたのでー」と一式お渡ししようとすると、

「え! いやいや、こんなん俺らはできないですよ…。会長職は引き受けてもいいですけど、こういう細かい仕事は無理ですよ~」と床屋さん。

名ばかりの会長職ですか?

 ん? なぬ? それは、会長職は引き受けるけれど、会長は事務仕事をしないということ?

 こんなポンコツ商店会に会長秘書がいるわけもなし、じゃ、会長ってなにすんの?

 ちょっとびっくり仰天の発言。あぁ、こういうところがダメなんだよなー、昭和のおじさまたちは。

 そして、わたくし、とても静かに、でも、がつんとお返事。

「あのー、申し訳ないんですけど、私、秘書みたいな事はやりませんよ。バツイチ女一匹、長らく個人事業主で生きてますし、性格的に男性のサポート役とか無理なんですよー。今回はお困りのようだったし、ちょっとだけお助けのつもりでした…」

 再起動に必要な書類をほぼ仕上げたので、全然ちょっとだけお助けじゃないけど、一応大人として控えめに。

 床屋さんと元酒屋さん、しーん。

フィッシュバーン真也子
記事一覧
コラムニスト
養生茶カフェ店主。とある都心商店会会長。ちょこっと大家業。

出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として長らく勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして活動。現在はメディカルハーブのスペシャリスト、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、養生茶と手作りおやつのカフェ『だんで茶屋』を経営。その他、著述業、不動産賃貸業などを少々営む。

外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな経験を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住。住まいや暮らしを自分流にカスタマイズしながら「空間から得る幸福感」を実践研究している。54歳から建築系大学に再入学、現在大学院にて空間によるコミュニケーションデザインを研究中。

著書に食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)、住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


電話の主は意外な人物…浮かび上がった“怪しい女性”の存在
 郊外に念願の一軒家を手に入れた、1組の「パワー夫婦」。会社への通勤には少々不便な地でも、テレワークがメインの今は「少し...
聖なる秘密の島で出会ったカッコイイ見返りイケ“にゃんたま”
 尊いにゃんたまωを求めて遠い島へ。  地図上で見つけにくい、ここは神聖なる秘密の「にゃんたま島」。  初め...
栄養士が太鼓判!“幸せホルモン”がアップする食べ合わせ3選
 梅雨が明け、いよいよ本格的な夏の到来です。例年ならばバーベキューや旅行など、楽しみがたくさんある季節ですが、外出や旅行...
男女にモテる優しい女性の特徴5選!本当の優しさを身につけるには?
 いつでもニコニコしていて優しい女性、あなたの周りにいませんか? そういった女性は男女問わず、人気があるでしょう。しかし...
身を滅ぼしてもウソがやめられなかったコスプレ虚言癖男の話
 一生に一度も嘘をついたことのない人はいないでしょう。人をだます悪質な嘘をつく人は少ないと思いますが、隠しごとをしたり、...
ハードボイルド“にゃんたま”のタフでクールな姿に惚れ惚れ♡
 きょうは、惚れ惚れするにゃんたまωに出逢いました。  張りがあって、形も色も……なんて美しいのでしょう! ...
男性も女性も憧れる♡ “ハンサム女子”の外見&性格12の特徴
 近頃、外見も性格も男前な“ハンサム女子”が大人気。男性も女性も憧れるハンサム女子には、一体どのような特徴があるのでしょ...
アナタにチャンスをもたらす!極楽の花「蓮」は幸運最強の花
 まさか自分がお花屋さんになるなんて思ってもいなかった、社会人1年目の夏。初めていただいた夏のボーナスで、仏教の国「タイ...
夫宛の怪しい封筒に戸惑う妻…すると固定電話が突然鳴って
 郊外に念願の一軒家を手に入れた1組の「パワー夫婦」。会社への通勤には少々不便な地だが、最近ではテレワークがメインになり...
ニャンとも大胆ポーズ…“にゃんたま”少年のオープンマインド
「にゃんたまωを撮らせてください!」とお願いすると、「ハイョ♪ 大サービス♪」と、ニャンとも大胆!  可愛いにゃん...
素直になれないのはどうして…?5つの原因&素直になる方法
 素直な人に出会った時、「私も、あんな風に生きられたら……」と思う人は多いでしょう。いつも自分に正直でいられたら、人付き...
よく言えるよね〜! 無責任すぎる義母のアンビリバボー語録
 無責任な義母がいると、親族内の問題は深刻なものになりやすいですよね。いい大人なんだから、もう少し責任感をもってほしい…...
キャラクターのカエルもびっくり!おもしろいカエルの世界
 今回はキャラクターのカエルと野生のカエルの関係について考えてみたいと思います。  「ビッキのときめくカエルライフ...
いつかはお隣の島でハレームを…夢を諦めない“にゃんたま”君
 きょうは、隣にある猫の島へ想いを馳せるにゃんたまωです。  お隣の島ではたくさんの猫が暮らしていて、可愛い女の子...
優しく光る植物が心を整えてくれる…快適な夏の夜の過ごし方
 世の中、またもやコロナが再流行の兆しでございます。  首都圏内に住むワタクシ、このコロナな世の中に慣れたとはいえ...
郊外に家を建てた若夫婦…幸せ絶頂の妻を襲った夫の浮気疑惑
 郊外に念願の一軒家を手に入れた若夫婦。会社への通勤には少々不便な地だが、最近ではテレワークがメインになり「少し無理をし...