元テレ東アナ福田典子さんは歯科業界ベンチャー企業の広報に…「モヤさま2」で3代目アシスタント
【あの人は今こうしている】
福田典子さん
(元テレビ東京アナウンサー/33歳)
◇ ◇ ◇
「さまぁ~ずのおふたりには、『歯科業界のベンチャー企業で広報をやります』と伝えたところ、『また、珍しいところに行くんだな。まあ、それも福田らしいな』と言われました」
人気番組「モヤモヤさまぁ~ず2」の3代目アシスタントを務めた元テレビ東京アナウンサーの福田典子さんは、今年3月末に同局を退職。現在は、歯科業界向けの決済や予約管理などのサービスを提供する「SCOグループ」の広報ブランディング本部に在籍している。丸の内の一等地にオフィスを構える同社で話を聞いた。
「2021年に結婚して出産し、母親になったことで、今後の働き方について考えるようになりました。独身時代のようにはいかない。たまたま、ファミリーマート元社長の沢田貴司さんにお会いする機会があって、『自分自身の市場価値を知っておくべき』とアドバイスされたのです。そのとき、転職はまったく考えていなかったのですが、自分の価値を客観的に知るために、転職サイトに登録してみたんです。そこで気がついたのは、アナウンサーは、非常に稀有な職種だということ。つまり、転職市場全体から見ると、つぶしが利かない仕事だという、その現実に気がつかされたのです……」
そんなタイミングで、たまたまSCOグループから声がかかったという。福田さんは、大学卒業後、出身地・福岡県のRKB毎日放送に入社し、その後、2016年8月に、中途採用でテレビ東京に入社。ローカル局からキー局のアナウンサーにステップアップしたということでも、当時注目を集めた。今回の転職に迷いはなかったのだろうか。
「わたしは、テレビ東京には中途採用だったので、いってみれば外様のような存在でした。それなのに、最初からとても温かく迎え入れてくださって、未熟者にもかかわらず、たくさんの経験をさせていただき、成長することができました。だから、ここから本当に離れていいのだろうかという迷いはありました。でも、やっぱり最後は、アナウンサー以外の仕事も経験してみたいし、新しい環境で自分自身の可能性を模索したいという気持ちが強かったということなんだと思います。一度きりの人生ですから」
自分自身が下した決断について、後悔はないと凜とした表情で応える。
■ガラリと変わった生活
「アナウンサー時代は、極端な話、朝起きて家を出て、会社に行けば衣装もあれば、メークさんもいて、髪もセットしてもらえて、番組に出ることができたのですが、いまはメークをして、髪をきれいに整えて、今日服、何着ていこうかなという。そこからして生活はガラリと変わりましたね。いまの主な業務は、プレスリリースを書いたり、新サービス発表のイベント準備だったり、まだ新しい仕事に慣れていないというのもあるとは思うんですけど、ずっと仕事に追われている感じがして、この作業は終わったけど、次はこれを確認して、次はあれをやってと、これが終わったら、あれを書いてみたいな。毎日慌ただしく働いていますね」
福田さんから手渡された名刺には、「COC」という肩書が記されていた。
これは「チーフ・オーラルヘルス・コミュニケーター」の略称だという。
「歯の健康状態が損なわれることで、いろんな病気につながることが指摘されています。上司からは、業務の一環として、歯・口腔ケアの重要性についても世の中に広く伝えていってほしいと言われています。フリーアナウンサーの仕事も続けていいと言われているので、たくさん勉強して、吸収して、今後は、歯や口腔の健康についての情報もさまざまなメディアを通して、発信していきたいと思っています」
(取材・文=大崎量平)
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