義父の法律上の「養女」に
――幸せなひと時でしたね。その後はどのようになったのでしょうか?
「互いの家庭を守りつつ、拓斗とは月に2回ほど逢瀬を重ねています。夫は相変わらず銀座のクラブ通いをしていて…(笑)。でも、私にとっては好都合ですね。夫の浮気という免罪符があるからこそ、堂々と不倫を楽しめますから。
そしていざという時、私に有利になるように夫とホステスとのラブラブLINEはこっそり撮影しています。
さらに嬉しいことがありました。義父が私を法律上の『養女』にしてくれたんです」
――えっ、それは一体どういうことでしょうか?
「遺産問題の関係です。次男夫婦と後々トラブルが起きないよう、私は夫の妻であるとともに、義父の養女にもなることができました」
――それは法律上、可能なのですか?
「はい、可能です。実は子供ができない私たちを慮(おもんぱか)ったのと、『息子の浮気』の代償と察しています。義父は自宅マンションの他にいくつかの不動産も持っているので、自分たちが亡くなった後、暮らしに困らないよう配慮してくれたんです。
もちろん、夫も異論はないようです。長男として、莫大な資産を受け継ぐ手はずは整っているので」
◇ ◇ ◇
現在、奈緒子さんはブティックで働きながら収入を得て、拓斗さんとの逢瀬を楽しんでいるようだ。拓斗さん自身も『会社や家庭で僕の居場所はないけれど、奈緒子との時間があるから、何とか頑張れる』と言ってくれている。
奈緒子さんは語る。
「人生って不思議ですね。あんなに憎んでいた元カレが、今はなくてはならない存在になっている。逆に、私を口説き落として結婚した夫が若いホステスに入れあげて、嫌悪の対象になっている。経済面の不安はなくなったので、あとは拓斗との不倫がバレないよう、細心の注意を払って婚外恋愛を愉しむつもりです。
回り道をしたけれど、結局はこれで良かったと言い聞かせています。『リベンジ不倫』は成功ですね(笑)」
奈緒子さんはショートヘアを掻き上げながら微笑んだ。人生、何が起きるか分からない。だからこそ「今を一生懸命に生きるつもりです」と告げた彼女の凜としたまなざしが、筆者の心に深く刻まれた。
(了)
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