西田敏行さん、ピーコさんの死去めぐる“憶測”がSNSに拡散…根拠なく「コロナワクチン説」が流れてしまう事情

更新日:2024-10-26 17:03
投稿日:2024-10-26 17:00

 17日に76歳で亡くなった俳優の西田敏行さんと、9月3日に亡くなっていたことが分かった双子タレント「おすぎとピーコ」の兄でファッション評論家のピーコ(本名・杉浦克昭=享年79)さんを巡る"憶測"がネット上で拡散されている。

 西田さんの死因は所属事務所が「虚血性心疾患」と発表し、ピーコさんは「敗血症」による多臓器不全だったという。

「いずれも血栓ができることなどから、新型コロナワクチンの副作用と疑うユーザーがSNSで拡散しています。しかし、これらは一般的な死因として珍しいものではない。それ以前にそもそもお二人が新型コロナワクチンを接種したのかは明らかになっていない。さらに拡散の発端となったとみられるのが、医師を名乗る男性の西田さんが亡くなる数日前に打ったという情報を入手したという投稿でした」(医療ジャーナリスト)

 SNSでは《ワクチンの広告出てたらしいから当然ご自身もうってるんだろうな》《西田さんはワクチン接種の旗振り役をしていた訳だからうってたと捉える方が自然な訳でうってないと言う側が根拠を出すべき》《西田さんに限らず先日亡くなったピーコさんもワクチンを接種したため敗血症で亡くなった可能性は高い。(ピーコ・ワクチンで検索すればいくらでも出てくる)》などといった具合だ。

 ちなみに西田さんは過去に「肺炎球菌ワクチン」のCMに起用されていた。このことを根拠にする投稿も多数みられたが、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザ予防接種を受けていても、「新型コロナワクチン」を接種しない人はいる。

■「陰謀論を組み立てるには適しています」

 そもそもこうした陰謀論的な投稿はコロナ禍から多く見られるようになった。ITジャーナリストの井上トシユキ氏がこう分析する。

「陰謀論的な投稿が増えたベースとして日々の報道に対するマスコミや政治家への不信感があります。契機となったのが新型コロナウイルスで、当初中国の武漢で発生したと報じながら、『マスコミの追及が弱い』『政治家が中国に忖度している』といわゆる嫌中韓のネトウヨと呼ばれる層から、攻撃の象徴テーマになってしまいました。個別の事案ではなく、ウイルスは国民全体に関係するテーマなので、話題性もあって陰謀論を組み立てるには適しています」

 もっとも、新型コロナワクチンの副作用による死亡や後遺症が認められているケースはある。関連死や後遺症については検証や補償は当然だが、一方で、「接種したら3年で死ぬ」や「マイクロチップが埋め込まれている」などの突拍子のないものまで、医療従事者を名乗る人々が拡散するのは不思議だ。

「パワハラ疑惑などが取り沙汰された斎藤元彦前兵庫県知事が、疑惑の一切の非を認めなかったのと構図は似ています。医療従事者だからこそ、一度表明したスタンスを崩すことはできないのでしょう。西田さんやピーコさんのように好感度の高い有名人が亡くなった時というのは持論を拡散するにはバズりやすいタイミングでもあります。国民の"悲しい"という感情はSNS拡散には影響しやすい。死因が副作用でも起きるものであればなおさらです。ワクチンデマ論争は終わりが見えません」(前出の井上トシユキ氏)

 そもそもワクチン接種は推奨をされていても強制ではない。デマや誹謗中傷による名誉棄損が問題になるなか、根拠のない投稿は危険だ。

  ◇  ◇  ◇

 陰謀論と宗教も切り離せない?●関連記事【もっと読む】幸福の科学が生んだ反ワクチン・反マスク活動家 主張や活動はなぜか教義とは別物…は興味深い。

エンタメ 新着一覧


“マッチ先輩”近藤真彦がうたコン降臨!ヤンチャ返上?謙虚な発言に驚き
 4日放送のNHK「うたコン」は「作曲家 筒美京平特集」。尾崎紀世彦「また逢う日まで」、太田裕美「木綿のハンカチーフ」、...
花岡死す「栄養失調で死亡」見出しの衝撃…“甘党男子”桂場は和洋イケる口
 穂高(小林薫)は法の道へ導いて不幸にしたと寅子(伊藤沙莉)に謝罪し、新しい仕事を紹介すると言い出す。しかし寅子はむしろ...
桧山珠美 2024-06-07 15:30 エンタメ
公園ランチの約束は叶うのか? 花岡の“しょんぼり言動”が不穏すぎる
 ホーナー(ブレイク・クロフォード)から子供たちにとチョコレートをもらった寅子(伊藤沙莉)は、公園で花岡(岩田剛典)に再...
桧山珠美 2024-06-06 17:00 エンタメ
いよいよ裁判官編。NHK制作陣の遊び心、8時14分過ぎに見たり
 昭和22年3月。新しい日本の憲法に希望を見出した寅子(伊藤沙莉)が向かったのは法曹会館。そこには空襲で被害を受けた司法...
桧山珠美 2024-06-03 16:05 エンタメ
「虎に翼」お宝物件!三山凌輝はピアスにアクセジャラジャラの“チャラ”男
 先週のNHK朝ドラ「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」は、ヒロイン・寅子(伊藤沙莉)にとって、悲しみの連続でした。...
刮目!伊藤沙莉“静”の演技、「佐田優三 仲野太賀」表示も期待は泡沫に…
 これまでの後悔と秘密をすべて打ち明けて、直言(岡部たかし)は安らかに亡くなった。  寅子(伊藤沙莉)は何事もなか...
桧山珠美 2024-05-30 19:10 エンタメ
古谷徹は“あの役”降板?声優不倫騒動の後始末、カギは「キャラの私物化」
 レジェンド声優・古谷徹(70)の不倫報道が世間を騒がせている。 『文春オンライン』よって報じられた37歳年下女性...
優三も草葉の陰で苦笑い? 前代未聞な別れの“懺悔”は直言らしい名場面に
 直言(岡部たかし)は栄養失調と肺炎でもう長くはないと診断される。直言が大事なことを隠していたと知った寅子(伊藤沙莉)の...
桧山珠美 2024-05-30 18:50 エンタメ
「見るんじゃない」と直言。ダチョウ倶楽部の“押すなよ、押すなよ”を彷彿
 直言(岡部たかし)の体調が優れない。寅子(伊藤沙莉)と直明(三山凌輝)はマッチ製造の仕事を紹介してもらい、はる(石田ゆ...
桧山珠美 2024-05-28 15:30 エンタメ
視聴率苦戦だから失敗に物申す!山下智久と錦戸亮、5年ぶり民放作の意義
 山下智久(39)が主演を務める「ブルーモーメント」(フジテレビ系)、錦戸亮(39)がキーマンとして出演する「Re:リベ...
こじらぶ 2024-05-25 06:00 エンタメ
「おいしいものは一緒に」出征前の河原デート。はて?初回を思い出すと…
 寅子(伊藤沙莉)は訪ねてきた後輩の小泉(福室莉音)から、女子部が閉鎖されることになったと知らされる。  今年は高...
桧山珠美 2024-05-24 15:30 エンタメ
優三の優しさシャワー全開!寅子のゴロゴロ床入り作戦も大成功だった神回
 昭和17年3月。直言(岡部たかし)の工場は軍からの注文が途切れず、順調に稼働を続けていた。戦時下で食べ物が貴重になる中...
桧山珠美 2024-05-21 15:30 エンタメ
朝ドラヒロインは「大日本国防婦人会」と揉めるのがお約束
 結婚した寅子(伊藤沙莉)は弁護の依頼も来るようになり順調な日々を送る。  ある日、手伝いとして働くよね(土居志央...
桧山珠美 2024-05-20 15:30 エンタメ
角界一の美容力士・翔猿らが明かした脱毛&モテ事情、全力で推したいのは
 圧倒的な強さと精神力、鍛え抜かれた筋肉美、昭和の名横綱“ウルフ”千代の富士、整った顔立ちと沸き立つ色気がたまらない“各...
「僕じゃ駄目かな」あすなろ白書のキムタクを想起、優三渾身のプロポーズ
 寅子(伊藤沙莉)は、弁護士として社会的な信用を得るためにお見合いをさせて欲しいと直言(岡部たかし)とはる(石田ゆり子)...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
事件はいつも「あの階段」で起こる! 岩ちゃん演じる花岡もう婚約
 晴れて弁護士になったが、女性であることを理由になかなか依頼をしてもらえない寅子(伊藤沙莉)。「女の幸せより大事なものか...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ