福岡西高野球部監督役・真砂京之介さん タダモノではないと思ったら…

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-11-13 15:30
投稿日:2024-11-13 15:30

第7週「おむすび、恋をする」#31

 結(橋本環奈)は、翔也(佐野勇斗)とのつきあいをどうするか考え、メル友になることを提案する。

 一方、翔也は野球部の監督から野球以外のことはすべて捨てろと言われるが、結の案なら監督に怒られずにつながれると喜ぶ。

 そして結は、翔也にメールを送るために付け焼き刃ではあるが、栄養について勉強を始める。

【こちらもどうぞ】ようやく!? 橋本環奈演じる“等身大の女子高生”ヒロインが生き生きと描かれ始めた

【本日のツボ】

その1. 光陰チョー矢の如し

 ※※以下、ネタバレあります※※

「メールで彼を応援して支えてやりぃよ」、ハギャレンギャルに言われ、メル友になる結と翔也。翔也のために栄養マメ知識を送る結とそれを実践する翔也。なんとも微笑ましいと思っていましたが驚きました。

 あれ以来、1度も会っていなかったなんて…。

 結の「2年ぶりやね」の台詞にもびっくり。「そうか~。あれから2年か~」「うん」「いや~、しかし、長かったなあ」「いや、『長かったなあ~』やないし。普通2年も待たんけん。みんなどんどん彼氏できようのに、うちだけ我慢して」と不満をぶつけますが、あれだけ偶然のようなかたちでしょっちゅう会っていたのに、そんなに会わなくなるなんて、極端過ぎやしませんか。

 ♪会えない時間が愛、育てるのさ~とヒロミゴーも歌っています。「光陰チョー矢の如し」で済ませちゃっていいものなのか、と。

「今日から甲子園の福岡予選が始まる。これが最後のチャンスだ。米田結、決勝戦、見に来てくれんか。絶対に勝っておめえを甲子園に連れて行く」と「タッチ」のような展開になってきましたが、2年の春、夏と3年の春、甲子園に一歩届かなかった試合には結を招待しなかったのも疑問です。

 そもそも、365日×2年分、毎日毎日、栄養マメ知識だけのやりとりしかしていなかったのも信じられません。

その2. 野球部監督

 などという疑問はこれくらいにして。永吉(松平健)に、名将と言われていたあの監督がなにやら気になりました。

「ようやくキレが戻ってきたな四ツ木。いいか。愛や恋なんていずれイヤってほどできる。だが、甲子園を目指すのは今しかできない。今は野球以外のことは考えるな。すべて捨てろ」

 何が気になったかというと台詞回しや所作がなんといいますか、時代劇チックだったもので…。

 その名将・中西監督役の真砂京之介。調べてみましたら、どうやら上様、じゃなかった永吉と同じ三喜プロモーション所属で「暴れん坊将軍」など、おもに時代劇で活躍する俳優さんでした。

 今年の夏、明治座で行われた「松平健芸能生活50周年記念公演」にも出演し、マツケン演じる吉宗の側用人を演じておりました。タダモノではないと思っていたら、そういうことかと合点がいきました。

 それがわかると、昨日(12日)放送の米田家食卓シーンで、永吉が「中西監督がうちに?」と驚き、「有名なんあのひと?」と愛子(宮崎美子)に聞かれ、「ああ。いろんな高校ば甲子園に導いた甲子園請負人、名将たい」と言った後の、「会いたかったな~」が沁みますね。

 マツケンファンは、お茶の間で狂喜乱舞していたのでは? とお察しいたします。

 役者は揃いました。翔也にはなにがなんでも甲子園へのチケットを手に入れてもらい、米田家でどんちゃん騒ぎ。どさくさに紛れて、永吉&監督の「マツケンサンバⅡ」を見せてもらえれば、盛り上がること間違いなし! です。


桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


“マッチ先輩”近藤真彦がうたコン降臨!ヤンチャ返上?謙虚な発言に驚き
 4日放送のNHK「うたコン」は「作曲家 筒美京平特集」。尾崎紀世彦「また逢う日まで」、太田裕美「木綿のハンカチーフ」、...
花岡死す「栄養失調で死亡」見出しの衝撃…“甘党男子”桂場は和洋イケる口
 穂高(小林薫)は法の道へ導いて不幸にしたと寅子(伊藤沙莉)に謝罪し、新しい仕事を紹介すると言い出す。しかし寅子はむしろ...
桧山珠美 2024-06-07 15:30 エンタメ
公園ランチの約束は叶うのか? 花岡の“しょんぼり言動”が不穏すぎる
 ホーナー(ブレイク・クロフォード)から子供たちにとチョコレートをもらった寅子(伊藤沙莉)は、公園で花岡(岩田剛典)に再...
桧山珠美 2024-06-06 17:00 エンタメ
いよいよ裁判官編。NHK制作陣の遊び心、8時14分過ぎに見たり
 昭和22年3月。新しい日本の憲法に希望を見出した寅子(伊藤沙莉)が向かったのは法曹会館。そこには空襲で被害を受けた司法...
桧山珠美 2024-06-03 16:05 エンタメ
「虎に翼」お宝物件!三山凌輝はピアスにアクセジャラジャラの“チャラ”男
 先週のNHK朝ドラ「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」は、ヒロイン・寅子(伊藤沙莉)にとって、悲しみの連続でした。...
刮目!伊藤沙莉“静”の演技、「佐田優三 仲野太賀」表示も期待は泡沫に…
 これまでの後悔と秘密をすべて打ち明けて、直言(岡部たかし)は安らかに亡くなった。  寅子(伊藤沙莉)は何事もなか...
桧山珠美 2024-05-30 19:10 エンタメ
古谷徹は“あの役”降板?声優不倫騒動の後始末、カギは「キャラの私物化」
 レジェンド声優・古谷徹(70)の不倫報道が世間を騒がせている。 『文春オンライン』よって報じられた37歳年下女性...
優三も草葉の陰で苦笑い? 前代未聞な別れの“懺悔”は直言らしい名場面に
 直言(岡部たかし)は栄養失調と肺炎でもう長くはないと診断される。直言が大事なことを隠していたと知った寅子(伊藤沙莉)の...
桧山珠美 2024-05-30 18:50 エンタメ
「見るんじゃない」と直言。ダチョウ倶楽部の“押すなよ、押すなよ”を彷彿
 直言(岡部たかし)の体調が優れない。寅子(伊藤沙莉)と直明(三山凌輝)はマッチ製造の仕事を紹介してもらい、はる(石田ゆ...
桧山珠美 2024-05-28 15:30 エンタメ
視聴率苦戦だから失敗に物申す!山下智久と錦戸亮、5年ぶり民放作の意義
 山下智久(39)が主演を務める「ブルーモーメント」(フジテレビ系)、錦戸亮(39)がキーマンとして出演する「Re:リベ...
こじらぶ 2024-05-25 06:00 エンタメ
「おいしいものは一緒に」出征前の河原デート。はて?初回を思い出すと…
 寅子(伊藤沙莉)は訪ねてきた後輩の小泉(福室莉音)から、女子部が閉鎖されることになったと知らされる。  今年は高...
桧山珠美 2024-05-24 15:30 エンタメ
優三の優しさシャワー全開!寅子のゴロゴロ床入り作戦も大成功だった神回
 昭和17年3月。直言(岡部たかし)の工場は軍からの注文が途切れず、順調に稼働を続けていた。戦時下で食べ物が貴重になる中...
桧山珠美 2024-05-21 15:30 エンタメ
朝ドラヒロインは「大日本国防婦人会」と揉めるのがお約束
 結婚した寅子(伊藤沙莉)は弁護の依頼も来るようになり順調な日々を送る。  ある日、手伝いとして働くよね(土居志央...
桧山珠美 2024-05-20 15:30 エンタメ
角界一の美容力士・翔猿らが明かした脱毛&モテ事情、全力で推したいのは
 圧倒的な強さと精神力、鍛え抜かれた筋肉美、昭和の名横綱“ウルフ”千代の富士、整った顔立ちと沸き立つ色気がたまらない“各...
「僕じゃ駄目かな」あすなろ白書のキムタクを想起、優三渾身のプロポーズ
 寅子(伊藤沙莉)は、弁護士として社会的な信用を得るためにお見合いをさせて欲しいと直言(岡部たかし)とはる(石田ゆり子)...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
事件はいつも「あの階段」で起こる! 岩ちゃん演じる花岡もう婚約
 晴れて弁護士になったが、女性であることを理由になかなか依頼をしてもらえない寅子(伊藤沙莉)。「女の幸せより大事なものか...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ