兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

更新日:2024-11-19 17:03
投稿日:2024-11-19 17:00

 17日に投開票された兵庫県知事選は、前職の斎藤元彦氏(47)が111万票余りを獲得し再選した。投票率が前回より14ポイント上昇の55.65%で、当初リードしていた時点の元尼崎市長の稲村和美氏(52)に13万票差を付けた勝利だったが、当確後の報道番組や翌日の朝や昼の情報番組ではテレビ局をはじめ、大手マスコミが"斎藤陣営のSNS戦略が功を奏した"と分析している。

 だが、斎藤氏自身はSNSを駆使した印象はない。X(旧ツイッター)のフォロワーこそ、出馬表明時の9月末(約7万)から現在は21万と急増したが、日々の投稿は街頭演説の写真を添付する程度。10月11日に登録したYouTubeチャンネルにおいては、登録者数は現在4.6万人。動画は2~3万回再生程度でバズっているとはいえないものばかりだ。

「東京都知事選に出馬していた前安芸高田市長の石丸伸二氏(42)のように切り抜きを意識した演説をしていたわけでも、拡散を呼びかけていたわけでもない。動画では対抗馬の稲村氏の切り抜きも相当上がっていましたが、結果的に拡散されたのが斎藤氏。視聴回数を稼ぐための"動画職人"にとっても斎藤氏に価値があると判断されたからでしょう。もうひとつの背景には、斎藤氏の支援に回った『NHKから国民を守る党』党首・立花孝志氏(57)を同じ立候補者でありながら、地元紙や大手マスコミが存在を隠そうとする姿勢もあったとみています。SNSでは立花さんの主張を隠していると訝しむ投稿が日増しに大きくなりました」(Webメディア編集者)

 実際、斎藤氏勝利後、情報番組などでは「大手メディア vs SNS」の構図で取り上げていた。SNSがバズっただけで、テレビ局が自らの報道には問題なかったとするスタンスにSNSで《メディアのコメンテーターの話きくとむかつくわ。SNS戦略で勝ちとったみたいな、、、違うと思うよ 県民の一票を馬鹿にしないでほしいわ》《斉藤さんが当選したのがさもsns戦略のせいと言うお粗末さ》《昼の情報番組 何か斉藤さんを選んだ私達が暗におかしい、SNS戦略に乗せられてる的な印象を放送するのをやめて欲しい 演説を聞くのも握手してもらうのも直接エール送るのにも自分が直に足を運んでいる 相手方の情報も公平にSNSで検索もしている バカにするな》《#ひるおび チラ見したら。。。兵庫県知事選挙の斉藤氏の勝因がSNS戦略が上手くいったから?とか言うてて。地上波アホやなって思いました》と火に油を注いている状況だ。

 もちろん一部では、17日のフジテレビ系「Mr.サンデー」で、元兵庫県明石市長で弁護士の泉房穂氏が斎藤氏に「一面的な見方で、かなり厳しいトーンで、対応してきたことにつきまして、今回民意を見て、私自身、反省するところも多く、おわび申し上げたいと思います」と謝罪。地元サンテレビのキャスターも報道姿勢に反省の弁を述べ、18日放送の日本テレビ系「ミヤネ屋」に出演の読売テレビ報道局解説副委員長・高岡達之氏も「SNS戦略で斎藤さんが頂点を極めたといういい方は違和感がある。それによって情報を得られた有権者が自分の判断で見極めた結果」と語っているが……。

 とはいえ、大半の報道は「SNSの拡大は危険」という見方で、同日の「ミヤネ屋」でも「SNSの法規制」に言及したタレントもいた。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、斎藤氏の選挙戦略をこう見る。

「斎藤陣営のSNSを見ていても積極的に拡散はしていません。斎藤支持者の間では、"お騒がせ"イメージの強い立花氏の応援を快く思っていない呟きも目立っていたほどです。SNSの影響をもたらしたのは、街頭演説を見た名もなき『勝手連』の拡散力と『アンチマスコミ』の存在でしょう」

 米大統領でトランプ大統領を支持した『Qアノン』に近いイメージだという。主に積年のマスコミの報道姿勢に不満を持った人々だ。

「だから勝手連の拡散する議論は、政策よりも、斎藤氏はパワハラしたのか、いじめられた側かの2択になっていました。メディア不信も影響しています。もちろんネットには、メディアが報じない真実もたくさんありますが、嘘も同じだけ混じっている。これからはテレビや新聞だけでなく、あらゆる媒体から個々が正しい情報を見極める時代になります。大手マスコミはSNSを信じて情報を得る人の心理も理解し、SNSの利点も称えて、共存を訴えればいいのですが『SNSにはファクトチェックがない』などと自分たちの正義を主張するあまり、視聴者や勝手連の人たちには『ほら、やっぱり都合のいいことしか報じない』と陰謀論にされてしまう。この流れは変わらないでしょう」(井上トシユキ氏)

 稲村氏は敗戦の弁で、「斎藤候補と争ったというより、何と向かい合っているのかという違和感があった」と述べている。立候補者にとっては政策は二の次で気の毒だっただろう。

  ◇  ◇  ◇

 SNSはどのように拡散されるのか?●関連記事【もっと読む】兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」…に詳しい。

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