待ったなしの更年期、すこぶるつらい「おばさんの生理」どう乗り越える?

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2024-12-15 09:40
投稿日:2024-12-04 06:00
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。
 第8話は「おばさんの生理はすこぶるつらい」。

おばさんサイン、点灯

 毎週、更年期を迎えた女性の不調について綴っているけれど、書いても書いても不調ネタが尽きない。

 ひょっとしたら大きな病気を抱えているのではないかと懊悩(おうのう)。ああ、これも更年期障害の症状のひとつだろうか。すみません、基本は元気です。

 今回はおばさんになってから、生理がしんどくなったことがテーマなので、けして病気云々ではない。なぜキツくなってきたのかといえば理由はカンタン、生理機能を動かす体にガタが来ているのである。

 20代も50代も生理は変わらないのに、受け止める体力は雲泥の差。新築物件なのか、築30年マンションなのかで相当の印象差があることと同じだ。

 ちなみに私は超低容量ピルを医師の処方のもと、30歳から服用している。

 そのおかげで生理周期も安定しているし、生理痛、経血量、PMSに悩むこともないはずだった。が、40代後半に突入以降、少しずつ症状が変わり始めた。おばさんサインが点灯したのだ。

【こちらもどうぞ】更年期、私はこれで対処しています①漢方薬服用歴15年超、「意味あるのか?」と医師に尋ねた

絶好調は1カ月のうち、たったの2週間…

 まずPMSの期間が長くなった。それまでは生理スタートの1週間前に胸のハリを感じて、食欲が増し、イライラして周囲に当たるまでが症状のセットだった。

 それが2週間前から症状として表れるようになってきた。これは本当につらい。

 加えて浮腫みに、食欲倍増に、軽い生理痛。終始、憂鬱だ。時々、腰の痛み(生理痛)もうっすら出てくるようになった。それでも年齢的に超低容量ピルを、低容量ピルに切り替えることもできないので、黙って耐えるのみ。

 この長い忍耐期間を経て、出血が終了すると絶好調! となる。どんな様子なのかといえばアニメ『アルプスの少女ハイジ』となって、スイスの山をスキップしている気分に近い。

 絶好調の期間には明日を気にせずにアルコールを嗜み、運動もする。1回につき20~140mlの経血量のある生理期間は、本来であれば安静にしているのが望ましい。

 でも社会人ともなるとそんな簡単に休むわけにもいかず、ナプキンをつけながら、何もなかったような顔をして職場へ向かう。

 若い頃は生理中に酒を飲んでも、徹夜をしても平気だった。それがおばさんともなるとそうはいかない。スキップ期間を狙って、スケジュールを組むしかない。

 ただスキップ期間はそんなに長く続くものではない。中年女性がまともな状態で生きていられるのは1カ月のうち、たったの2週間しかないのだ。殺生よのう…。

第2反抗期=更年期がきている

「キツい」「しんどい」ばかりを並べていても、鬱々としてきそうなので、最近の生理期間は「ま、仕方がない。どうにかなる」と自己肯定感を高めることにした。要するに自分を甘やかすのだ。

 食欲に襲われたらもう食べる。夜中のサッポロ一番だって上等だ。我が家のエンゲル係数がどうなるかは後々、考える。仮に食費がアップしたとしても、これは我が身を守るための必要経費。

 イライラしてきたのなら、その気持ちに従う。

「(よくわからないけれど)ムカつく!」

「なんでメールをちゃんと返信してこないの?」

「掃除当番、今日はあなただって言ったじゃん」

「ビンの蓋が開かない!」

 理由は千差万別だけど、生理前はワケもなく、自分でもよくわからないまま、目に入るすべてのものがイライラするのがおばさんの生理。人生2度目の反抗期が毎月やってくる。

先手の宣誓が功を奏す

 こんな調子なので周囲の親しい人には「今日、生理だからイライラしたらごめんなさい」と先に謝ってから、イライラを爆発させている。生理だけではなく第2反抗期=更年期と定義をしても間違いはないので、カリカリしてきたら、

「当たってしまったら申し訳ない。でもいつかみんなも来ることだから、ロールモデルだと思ってください…」

 と、宣誓。今のところ、人間関係は破綻していないので、人間の生理現象だと理解してもらえているらしい。

 この孤軍奮闘はいつまで続くのか。

 そういえば先日、生理専用ショーツがだいぶくたびれきたので、買い換えようと計画が脳内をよぎった。

 でも待てよ。これ、いつまで使うのかは分からない。来月、閉経することもあり得るのだから、と購入を踏みとどまった。できれば現在のショーツのまま、数十年間の生理物語の大円団を迎えたい。

 次回(#9)へ続く。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


諦めないで!猫と共に送る安全な植物生活。花屋が実践する「3つの心得と6つの対策」
 植物は我々の心豊かな生活を送る癒しですが、残念ながら猫にとって有害なものはたくさんあります。  種類によっては中毒症...
うまっ…!期待薄で「メキシカンセット」買ったら当たりだよ。お店の味を再現できた【イオンで発見】
 9月に起こった令和の米騒動。スーパーのお米コーナーからお米が消えました。最近は近所のスーパーでも見かけるようになってひ...
LINEならではのビジネスマナー&言葉遣い。返信タイミングはメールよりシビアになりがちで…
 ビジネスシーンにおいても、LINEでのやりとりは日常茶飯事。  ただ、メールでのビジネスマナーは完璧でも、LIN...
共働き世帯は専業主婦世帯の約3倍! 女性が選ぶべき未来のための選択とは
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。
目は合わせないけど…“たまたま”をチラ見せしてくれた美少年の太郎君にキュン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
踏切の音
 黄昏る街。  踏切の音が懐かしいのは、一体なぜ?
「紅娘」って読める? ぜっっっったい読めないと思うやつです
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
悪口誤爆→既読スルーの沈黙が怖っ! 顔面蒼白…冷や汗が止まらない義母vs嫁のLINE3選
 世の中で一番LINE誤爆を避けたい相手といえば、「義母」ですよね…。夫と結婚している限り付き合っていかなければならない...
2024-09-22 06:00 ライフスタイル
【45歳からの歯科矯正】本当の苦行は1年半はめていたワイヤー矯正を外したあとだった
 昨年4月に歯科矯正(表側のワイヤー矯正)を始めて、1年半。ついにワイヤーとブラケットを外せることに。想定内のスケジュー...
独身にとって旦那のグチも育児話も「圧」。リスケ不要だからー!気遣いが逆にうざいLINE3選
 人への気遣いは、ときに迷惑になることもあります。これらのLINEがよい事例。相手にとってありがた迷惑な気遣いにならない...
モテは“たまたま”の大きさ次第? 経験豊富なイケニャンを激写
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
発達障害、情緒障害、認知症…花をお求めになるお客様から教わること
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋にはいろいろなお客様がやってまいります。  学校帰りに「ただいま~」なんて...
会長報酬は月500円。スタバのソイラテ買ったらほぼ終わり…商店会活動は「ご奉仕」です
 勢いとその場の流れで商店会会⻑を拝命(←ぶん投げられた?)することになり、まず何から⼿を付けるべきか考えてみた。 ...
大ピンチ!よくある裏垢誤爆5選。悪口を投稿するだけならまだかわいい?
 ここ最近、アインシュタインの稲田さんやフワちゃんが「裏垢を持っているのでは?」と疑惑をかけられていましたよね。世間では...
指先をあざとく香らせるネイルオイル術【調香師がタイプ別に解説】乾燥対策におすすめのアロマは?
 乾燥が気になり始めるこの時期は、意外と異性にも見られている指先を意識してみましょう。きれいなネイルをしていても手がかさ...
城からは一歩も出ないにゃん! 窓際で鳥を眺める“たまたま”王子
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...