東京都も国もおばさんたちをガン無視か? 更年期割引、お願いいたします

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2025-03-12 06:00
投稿日:2025-03-12 06:00

更年期世代に愛の手を

 すべては少子化が原因だというけれど、こうなることは分かっていたのだから、それ以前に日本ができる施策もあった。フランスは将来を見据えた、少子化対策を打ち、合計特殊出生率を回復させたと聞く。当時はまったく見向きもせず、緊急事態になってから、突然国民にゴマをするかのような施策をホイホイ並べても、国民への公平性は薄すぎる。全部が平等に動くとは思わないけれど、せめて平等にしようとする意思だけでも示してほしい。

 そこで私からの提案なのだが『更年期割引』という施策を考えてほしい。信じられないほど汗が出る、頭痛、腰痛、耳鳴り、自律神経の乱れにめまい、月経など、日々不調のまま私たちは労働を強いられている。ただ“病気”とは認めてもらえず、補助金もないので働くしかないし、自宅に帰ればふんぞり返って座っている家族のために、家事をする。独身女性だって単身生活というだけで税金が多く支払うシステムが組まれているのだから、頑張っている。

『更年期割引』は公共機関、映画、買い物、テーマパークなどに適用されるちょっとしたご褒美みたいなもの。こういった対応があれば「ああ、行政もちょっとは自分たちを視野に入れてくれるのか」と、先述のよく分からない施策の数々にも同意するかもしれない…と加えておく。

国は若い子に夢中

 更年期世代のおばさんたちはずっと苦労を強いられてきた。受験はすべて競争で、高校生の頃は女子大生ブーム、自分たちが女子大生になったら渋谷女子高生ブーム。バブルなんてまったく知らず、就職氷河期を迎えて、やっと働き出したら「経費節約」を掲げられる。給料も上がらず、そのうえ「結婚をしろ、子どもを産め」と、周囲から良妻賢母像を洗脳させられてきた。やっと更年期まで生きてきたと思えば、国は若い子に夢中である。なんだか凋落の一途を辿ってきたような人生じゃないか。

 そんな私たちにぜひ『更年期割引』の愛の手をお願いしたい。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


#2 専業主婦がライブ配信にハマるわけ「誰かが私の才能を見出して…」
【#1のあらすじ】  かつて2流アイドルグループの中堅メンバーだった麻美は、現在立川で専業主婦として平凡な毎日を送...
#3 立川の夫と恵比寿の彼、女の幸せはどちらに?元アイドルが選んだ道は
【#1、#2のあらすじ】  かつて2流アイドルグループの中堅メンバーだった麻美は、現在立川で専業主婦として平凡な毎...
40女開運が気になるお年頃!金運UP「雑誌付録の財布」どう活用する?
 今回ご紹介する雑誌付録は、人気キャラ「マムアン」のインテリアBOXとフォーチュンアドバイザー・イヴルルド遙華さん監修の...
何が起こった? 街にあふれる人に少し違和感を抱いて
 いつも、穏やかな参道にただようちょっと物々しい雰囲気。  何があったかは分からないけど、思わずカメラを構えた。 ...
親ガチャにハズレた! 5つの苦い思い出とそこから一歩を踏み出す方法
 生まれる時、私たちは親を選べません。どんな親のもとに生まれるかは、ガチャガチャのごとく運次第。  大人になるにつれ「...
寂しがる親との距離感、よい解決策は?大人になるほど複雑に
 みなさんは、親との距離感って考えながら付き合っていますか? ベタベタしすぎず、ドライすぎず、お互いを尊重し合えるのが理...
キッチンに馴染む 無印良品の「真っ白な消火器」買いました
 突然冷え込んで、一気に冬っぽくなってきました。この時期になると我が家の近所では見回りの小さな消防車が「カンカン」と音を...
ニャルソック発動中!カメラバックに夢中な“たまたま”の後姿
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
花にも高温の後遺症!パンジービオラ「茎がビローン」をバッサリde解消
 いきなりの寒さです。猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は、まぁまぁ暖地の神奈川にございますが、ここにきて例年通りの...
なぜ独身女性は性格に難ありと思われるの? “訳あり女”回避に大事なこと
「いいトシして独身の女性は性格に難あり」なんて言葉を聞くことがありますよね。独身の女性は「私も周りからそんな風に思われて...
すべてはそこから 人も食べ物も「相手を知る」と好きになる
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
モテないのは「太ったから」ってさぁ 女友達の素直すぎるLINEにグサッ
 自分にも人にも素直な人は魅力的ですよね。言葉に計算や嫌味が隠れていないため、付き合いやすく感じるはずです。 ...
子供も自分も波風立てずに守りたい! モンペア級要注意ママ友の見分け方
 子育て中はママ友との付き合いは少なからず避けられません。もちろん、気の合う人もいるでしょうが、中には要注意人物やモンス...
マウント地獄は住んでから…ゴミ捨て顔作りは当然!タワマン住民あるある
 華やかなイメージのあるタワマン生活。誰よりも高い場所から街の景色を見下ろせるのだから、とてもいい気分だろうなと想像して...
戦いごっこの兄弟を激写!純白のツー“たまたま”はまさにお宝
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
生活感がない世界が一閃切り開かれる瞬間をみた
 生活感がない世界が一閃切り開かれるよう。  巨大な建築物と、血管のように張り巡らされた路線と、時間に正確な鉄道と...