【おむすびにモヤっと】なっちゃん抜け駆けで「栄養はエエヨ~」は結(橋本環奈)に相談しなかった?

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-03-08 06:00
投稿日:2025-03-08 06:00

第22週「理想と現実って何なん?」#110

 コンビニ弁当の開発案を豊岡部長(隈本晃俊)にプレゼンする菜摘(田畑志真)は、今の説明ではダメだと言われ、結(橋本環奈)から教わった「フレイル」という言葉の意味を語り始める。

 一方、オリジナルのギャルブランドを立ち上げ、展示会を企画している歩(仲里依紗)は、ネット記事による宣伝に力を入れ、その効果が表れ始める。

【こちらもどうぞ】商品開発7年目なのに、なっちゃんの知識不足設定と結への謝罪が不憫すぎる

【本日のモヤっと】

栄養はエエヨ~キャンペーン

「フレイルとは高齢者の方で健康な状態と、要介護状態の中間の段階を指します」。健康で長生きするためにもいち早くフレイル予防に取り組むことが必要だと、上司の豊岡部長らを前に得意げに能書きを垂れる菜摘。ついこの前まで、会社を辞めたいとボヤいていたとは思えません。

 そもそも、フレイル云々、本来ならば結が説明したほうが自然だと思うのです。なんといっても管理栄養士なのですから。それが、菜摘の単独行動だったようで、結も渡された資料を初めて見たふうに眺めていました。献立づくりは共同でやっていたのに、“栄養はエエヨ~キャンペーン”について結になぜ相談しなかったのか違和感が残ります。

 これはあくまでも想像ですが、幼なじみで結とのつきあいも長いなっちゃんは、これまで何度となく結に手柄を横取りされ、煮え湯を飲まされてきたこともあり、今回も「さすが米田さん」になるのを恐れて言わなかったのではないか、と。

 そんな菜摘のプレゼンを聞き、「ええやないか。これはやる意義がある試みや。うちの会社だけやなく、行政も巻き込んだら、大きいプロジェクトになるかもしれへん」とこれまでから一転、ノリノリの部長。「よう自分で気いついたなあ佐久間」と菜摘を褒めるまでに。

 部長の言葉がヒントになったと菜摘がこたえると、間を入って塚本科長(濱田マリ)が、「な~んや、豊岡部長。部下思いの方やったんですね。それやったらもっと優しいしてあげたらええのに」と茶化すように言うと、「彼女は見どころがあるので厳しく教えてきたつもりやったんです」と豊岡部長。その言葉に嬉しくなり、「部長…」と口にする菜摘。これまでの数々のパワハラはすべてチャラになったようです。やはり、豊岡部長はいいひとでしたね。

 ただ、塚本科長は容赦しません。「いやいや。今、令和ですよ。教え方も時代と一緒に変わってきてんちゃいます?」としっかり釘を刺しました。

「そうかもしれませんね」と頷く豊岡部長は立ち上がって、結に向かって、「米田先生。お忙しいなか、うちの佐久間に何度も付き合っていただき、ありがとうございました」と深々と頭を下げました。急に米田先生呼ばわりしたのかは謎…。それにしても、「栄養はエエヨ~キャンペーン」ってどうなん? 行政動きますかねえ。


桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


いよいよ裁判官編。NHK制作陣の遊び心、8時14分過ぎに見たり
 昭和22年3月。新しい日本の憲法に希望を見出した寅子(伊藤沙莉)が向かったのは法曹会館。そこには空襲で被害を受けた司法...
桧山珠美 2024-06-03 16:05 エンタメ
「虎に翼」お宝物件!三山凌輝はピアスにアクセジャラジャラの“チャラ”男
 先週のNHK朝ドラ「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」は、ヒロイン・寅子(伊藤沙莉)にとって、悲しみの連続でした。...
刮目!伊藤沙莉“静”の演技、「佐田優三 仲野太賀」表示も期待は泡沫に…
 これまでの後悔と秘密をすべて打ち明けて、直言(岡部たかし)は安らかに亡くなった。  寅子(伊藤沙莉)は何事もなか...
桧山珠美 2024-05-30 19:10 エンタメ
古谷徹は“あの役”降板?声優不倫騒動の後始末、カギは「キャラの私物化」
 レジェンド声優・古谷徹(70)の不倫報道が世間を騒がせている。 『文春オンライン』よって報じられた37歳年下女性...
優三も草葉の陰で苦笑い? 前代未聞な別れの“懺悔”は直言らしい名場面に
 直言(岡部たかし)は栄養失調と肺炎でもう長くはないと診断される。直言が大事なことを隠していたと知った寅子(伊藤沙莉)の...
桧山珠美 2024-05-30 18:50 エンタメ
「見るんじゃない」と直言。ダチョウ倶楽部の“押すなよ、押すなよ”を彷彿
 直言(岡部たかし)の体調が優れない。寅子(伊藤沙莉)と直明(三山凌輝)はマッチ製造の仕事を紹介してもらい、はる(石田ゆ...
桧山珠美 2024-05-28 15:30 エンタメ
視聴率苦戦だから失敗に物申す!山下智久と錦戸亮、5年ぶり民放作の意義
 山下智久(39)が主演を務める「ブルーモーメント」(フジテレビ系)、錦戸亮(39)がキーマンとして出演する「Re:リベ...
こじらぶ 2024-05-25 06:00 エンタメ
「おいしいものは一緒に」出征前の河原デート。はて?初回を思い出すと…
 寅子(伊藤沙莉)は訪ねてきた後輩の小泉(福室莉音)から、女子部が閉鎖されることになったと知らされる。  今年は高...
桧山珠美 2024-05-24 15:30 エンタメ
優三の優しさシャワー全開!寅子のゴロゴロ床入り作戦も大成功だった神回
 昭和17年3月。直言(岡部たかし)の工場は軍からの注文が途切れず、順調に稼働を続けていた。戦時下で食べ物が貴重になる中...
桧山珠美 2024-05-21 15:30 エンタメ
朝ドラヒロインは「大日本国防婦人会」と揉めるのがお約束
 結婚した寅子(伊藤沙莉)は弁護の依頼も来るようになり順調な日々を送る。  ある日、手伝いとして働くよね(土居志央...
桧山珠美 2024-05-20 15:30 エンタメ
角界一の美容力士・翔猿らが明かした脱毛&モテ事情、全力で推したいのは
 圧倒的な強さと精神力、鍛え抜かれた筋肉美、昭和の名横綱“ウルフ”千代の富士、整った顔立ちと沸き立つ色気がたまらない“各...
「僕じゃ駄目かな」あすなろ白書のキムタクを想起、優三渾身のプロポーズ
 寅子(伊藤沙莉)は、弁護士として社会的な信用を得るためにお見合いをさせて欲しいと直言(岡部たかし)とはる(石田ゆり子)...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
事件はいつも「あの階段」で起こる! 岩ちゃん演じる花岡もう婚約
 晴れて弁護士になったが、女性であることを理由になかなか依頼をしてもらえない寅子(伊藤沙莉)。「女の幸せより大事なものか...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
炎上芸人・粗品は松本人志にビビってない!キンプリへの暴言も計算済み?
 2018年にコンビとして『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)のチャンピオンとなり、2019年にピン芸人として『R-1ぐ...
堺屋大地 2024-05-15 06:00 エンタメ
「握手」の演出に伏線?寅子と花岡は友情の証、優三のそれとは真逆だった
 寅子(伊藤沙莉)の1年先を行く花岡(岩田剛典)は司法修習後の試験に合格。どうしても早く伝えたいと寅子に電話をしてきたの...
桧山珠美 2024-05-14 16:00 エンタメ
あぶ刑事ヒットならドラマ化も?柴田恭兵の“枯れた老人”は世を忍ぶ仮の姿
 先月までNHK-BSで放送していた「舟を編む~私、辞書つくります~」はなかなか素敵なドラマでした。  三浦しをん...