伴侶、ペット…大事なパートナーの死の乗り越え方。花屋が痛感する「ほどほど」と「さっぱり」

斑目茂美 開運花師
更新日:2025-04-02 06:00
投稿日:2025-04-02 06:00
 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は、ギフトやデイリーユースの販売に加え、冠婚葬祭をはじめとした「ライフイベント」でお花で飾ることも重要な任務の一つです。ゆえに土地のルールやしきたりに詳しくなるのも当然といえば当然。“誰に聞いたらいいのかわからない事案”に遭遇した人たちの相談にお応えするのも、地元の花屋さんならではのお役目でしょうか。

パートナーが亡くなったらどれくらい悲しむの?

“街の萬相談所”にいらしたお客様のなかには、長いお付き合いになることも珍しくなく「伴侶が亡くなってしまったその後」という場面に出くわしたりもします。

 今回は「悲しみの先に何を見る? その後を生きるための伴侶の死の乗り越え方」の解説です。

ストレス数値MAXは「配偶者の死」

 米心理学者らによるライフイベントのストレス度合いを数値化した調査では「配偶者の死」がもっとも数値が高く、その得点は100点だとか。果たして自分が配偶者と死別したとき、悲しいでしょうが、そんなにストレスを感じるか…と疑問に思う方は意外に多いかもしれません。

 少なくとも私の周りや日々出会うお客様との会話では、男女でその悲しみの度合いや深さに若干の違いがあるように感じます。

 女性はご主人を亡くした後、しばらくは悲しみや喪失感などに明け暮れるものの、程なくするときちんと生活を立て直せる“底力”をお持ちの方が多い。もちろん、死別時の年齢も大きく関係しているでしょうが、とりわけ、シルバー世代の方はそのようにお見受けします。

 習い事に一層没頭なさる人、お友達と旅行したりランチに行ったりと楽しく時間を気にせず過ごす人。お子さんも自立して一人暮らしもすっかり板につき「毎日家に帰るのは寝るためだけね」なんてすっかり元気を取り戻して毎日を生きていらっしゃる。“家の外の世界”に目を向けられる方は、悲しみの先に生活を組み立てられる方が多いなぁという印象です。

【読まれています】「旦那死ぬよ!」住職から叱られて以来、大事な“トイレのあれ”。運気アゲアゲ狙うなら「水回り」が狙い目

 一方で男性が残った場合、一言でいうと「しょんぼり」な毎日になっちゃう方が多い。亡くなった奥様が今まで担ってきた日常の仕事を、ある日突然ご自身がやらなければならないことも大きいのでしょうが、メンタル的にも奥様に依存なさっていた男性は多い。

 こんな強面のお父ちゃんがかぃ!? という方でも、「大丈夫?」をお声掛けをしただけで泣いちゃう方も少なくない。そして究極のしょんぼりから、やがて心身の病を患い、死別から一年も経たないうちに「あー心配になって奥さんが迎えに来ちゃいましたね」なんてケースも…。

 ご注文を受け、伴侶に手向ける花を制作する時の寂しさは何度経験しても慣れるものではありません。夫婦仲が良く、奥さんが大好きなご主人が、奥様のために花を買いにいらしたら、特に気をつけて声掛けをするようにしております。

日頃から「ほどほど」「さっぱり」を目指す

 シルバー世代の女性が生活を立て直すケースにはいくつかの条件があるとも思っています。

 楽しく正しく生き抜く条件は、ずばり「ほどほどの依存」。ご主人と死別し、しばらくして、ご自身が壊れてしまう方の多くは強烈な亭主関白だったり、ご主人のいない世界が想像できないくらい猛烈に愛されていた場合だけでなく、普段から家族やさまざまな物事への依存が強い傾向にある方々です。

 何事にも「激しい」と申し上げたら良いのでしょうか…年齢にもよりますが、配偶者や家族の死を機に、認知症のスイッチが入ってしまう方も珍しくなく、ワタクシの家族や親族はそのパターンでスイッチが入ってしまいました。

 その点、悲しみを乗り越えてご自身の生活を取り戻せる方々は、感覚的に「ほどほど」を上手にお分かりになっている気がします。

 通常生活で感じるストレスの大半は自分の思い通りにならないことでしょうが、猛烈に依存している配偶者の死はレベルが違います。抗えない自然の原理とわかっていても、自分の日々の生活の中から消える逆噴射の事象であり、到底受け入れられない――。

 ワタクシの場合、主人には申し訳ありませんが、その対象は愛猫たち。特に猫店長「さぶ」がいなくなったら…ワタクシ生きていけるんでしょうか。と日々想像しただけで震えておりますw。

 代わりなんぞ無い。依存するなという方が無理だ。そんなお声も聞こえてきそうですが、何事も「ほどほど」「さっぱり」が理想なんだと、日々の接客で感じております。

 たとえ、悲しみの淵で動けなくなったとしても、周りを見渡せば、心配しながらアナタを見つめている人がいる――そんなふうに気付けることを遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


親バカ上等!いうて夫よりマシかも?子どもの可愛すぎるお手伝い失敗談
 子どもはいつだって、ママを助けたい、褒められたい、役に立ちたいと思っていますよね。だから、小さい子どもはママを喜ばせよ...
惚れてまうやろー!彼氏より気が利くChatGPTに「好き」について聞いた
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第65回「パカラパカ、春のひとみにタツノオトシゴ」
【連載第65回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
恐怖の親知らず抜歯!30女が超ビビりながら人生初抜歯した話
 皆さんは親知らずがまだ生えていますか? 筆者は30代になってもすべての親知らずが生えたままです。  歯は大切にしてい...
千代田区民は“勝ち”だよね。通勤ラッシュを知らない自分は上流階級層の女
――『東京の中心に暮らす、ということ』…なんてね。  鈴木綾乃の頭の中にマンション販売のコピーのような、そんな言葉...
え…? 優雅な御茶ノ水ママ友会をブチ壊した、地方出身者の悪気ない一言
 御茶ノ水駅が最寄りの持ち家に住む薬剤師の綾乃。2歳年上の夫・孝憲と4歳の娘・香那と3人家族で余裕ある生活を送る彼女は、...
世帯年収1500万円でも越えられない壁。耐え難い屈辱を喰らった女の選択
 御茶ノ水駅が最寄りの持ち家で2歳年上の夫・孝憲と4歳の娘・香那と3人家族で余裕ある生活を送る彼女は、ママ友と共に充実し...
たまにはこんな日もあるよね? 終電を見送ってしまった夜
 久しぶりの仲間との時間が楽しくて、「あと1杯だけ」「あと10分だけ」を続けていたら終電を見送ってしまった。  だ...
「自責と他責」バランス上手な大人が口癖にしている神ワード
 ここ数年、自責思考・他責思考みたいな話題をよく見かけませんか? 私はもう見るたびに「うるせぇ~!」となっている反面、し...
出張ホスト、ママ活、女風…女性の金目当てに上京する男性が増えている!
 近頃は地方移住が話題となっていますが、その逆に「地方では稼げないから上京する」男性も出てきています。  出張ホストや...
ご飯をありがとにゃ! お母さんが大好きな“たまたま”君たち
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
荒れる2024年幕開け 花屋が祈りを込めた「復興と希望」の花束
 2024年が明けました。今年は元旦から思いもよらないことが起こって、まさに辰年。大きな変化の年が始まったようでございま...
2024年こそシンデレラボディ!フェロモンジャッジで分かるケア&香り術
 素敵な女性はいい香りがする――。  そう感じるのは、肌から放たれるフェロモンの効果。フェロモンが高まると色気だけ...
動物は「あったかい場所」を見つける才能があるみたい
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
暇すぎ死にそう…大きな声じゃ言えないけど仕事中にばれない暇つぶし5選
 同じ仕事でも、忙しいと時間は早く過ぎ、暇すぎると永遠に時計が止まったように見えるもの…。とはいえ、仕事の拘束時間なので...
見上げた青空が眼に染みて…1日に1回くらいは空を眺めてみる
 青空が眼に染みると思ったら、しばらく空を見上げていなかった自分に気が付いた。  うつむいて歩くのがクセになってい...