救急箱の中身、チェックしてる? 「いざ」の時に役立つ“常備薬”の選び方【薬剤師が解説】

コクハク編集部
更新日:2025-05-01 06:00
投稿日:2025-05-01 06:00
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、ちょっとした有名人です。タヌキか妖怪の噂も囁かれるなか、健康に関する知識はズバ抜けていて…。
 そんなえりのボスのもとには今日も悩みを抱えた女性が立ち寄ったようですよ。救急箱って、定期的に見直してますか?

1. 救急箱を整理したら…ひっ、ゴミだらけ!

 今回は、ナギサさん(32歳/仮名)からのご相談です。

「えりのさん、整理整頓のコツってご存知ですか?」

「整理整頓? そうねぇ…いろいろなコツはあるけど…。急にどうしたの?」

「この前、救急箱の整理をしたんです。でも、使用期限が切れた薬や期限前だけど買ったときに飲んだだけの薬がたくさんあって…。しかも家族が似たような薬を買ってきて、両方とも開封されているものもあったんです。かといって、期限前だと捨てるのはもったいなくて…」

「救急箱は普段から使うものじゃないないから、中身の整理も難しいわよね」

 えりのボスの言葉に、ナギサさんは頷きます。

「そうなんです…。ちょっと調べてみたんですけど、薬ってやっぱり複雑で私にはすぐに理解ができなくて困っているんです。最低限の薬は揃えておきたいんですが、そもそも最低限の薬ってどんなものなのか、考えれば考えるほどわからなくて。

 実家では中身が揃っている救急箱セットを買っていたんですけど、それも結局使わずに期限が切れて捨てるものが多かったから、もったいないし…」

 最近はずっと救急箱の中身について悩んでいるのか、暗い表情になるナギサさん。

 これは放っておけません!

2. 役立つ救急箱にするポイント

「いざというときに役立つ救急箱にするためには、まずは家族構成やライフスタイルを考えるのがおすすめよ。たとえば、大人は飲めても子どもには飲めない薬もあるから、そういう場合は子ども用の薬も揃えておく必要があるわ。

 他にも、たとえばゴルフやテニスなどの趣味があるなら、ねん挫したときのために湿布を用意しておくといいわね。

 旅行が多かったり車酔いしやすい体質だったりするなら、酔い止め薬を常備しておくと役に立つわよ」

「なるほど…。確かに、自分たちがよく使う薬を常備しておくことは大切ですね。

 ちなみに、初歩的な質問で恥ずかしいのですが、薬って全部救急箱に入れてもいいんでしょうか? 前に眼科で処方された目薬は冷蔵庫に保存するものがあって…。ドラッグストアなどで買える薬にも、そういうものはあるんでしょうか?」


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 ナギサさんの質問に、えりのボスはニッコリ笑って答えます。

「それはいい質問ね! 薬は基本的に高温多湿の場所や直射日光が当たる場所は避けて、密封された場所に保存するものが多いわ。ただ、ナギサさんが言う通り冷蔵庫に保存した方がいいものもあるの。そういうものは、薬を購入するときについている添付文書に書いてあるわよ」

「添付文書…。実は、いつも面倒で読まずに捨てていました」

「面倒でも読んだ方がいいわよ。

 添付文書には保存方法だけじゃなく、薬を飲める対象年齢や、1日に飲む回数、飲む時間の間隔、飲むときの錠数なども書いてあるわ。これからは面倒でもしっかり目を通してね。

 もちろん、添付文書を読んでもわからない場合は、ドラッグストアや薬局の薬剤師もしくは登録販売者に質問してね。妊娠中や授乳中に薬を服用する場合も、医師や薬剤師に相談してからの方がいいわ」

「わかりました! いつも質問するのは遠慮していましたが、今後はわからないことがあったら聞いてみます!」

「その調子よ。それじゃあ、次は常備しておきたい薬や成分を具体的に紹介するわ」

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