セレブママの心をくすぐる幼稚舎の“おしゃれパワー” 早実初等部とアクセスや環境は大差ナシ

更新日:2025-04-20 17:03
投稿日:2025-04-20 17:00

【お受験のリアル】#4

 早実初等部vs慶応幼稚舎(4)

  ◇  ◇  ◇

「小学校選びは母親の意向で決まる」と話すのは長年、お受験の世界をウォッチしてきた70代の幼児教室幹部。「私がかかわった半世紀近く、常に中心にあったのは慶応幼稚舎。お母さんたちの憧れの的となってきた」と振り返る。

 02年にスタートした早稲田実業初等部に対し、幼稚舎は1874年創設。内部進学先を見ても、慶応大は私大系トップの医学部を擁するが、早稲田大にはない。早実初等部が幼稚舎に追いつけない理由は伝統や医学部の有無だけではない。母親たちからの支持の差である。幼稚舎の最寄駅は地下鉄広尾。周辺には大使館が立ち並び、有栖川公園、インターナショナルマーケット、フレンチレストラン……。いかにもセレブの街を思わせるたたずまいが広がる。

 対する早実初等部があるのは国分寺市。「おしゃれを気にするセレブママからすると、だいぶ田舎に来たように感じるらしい。子どもが毎日通うのは大変だという理由から、早実より幼稚舎に行かせたがるが、それは表向き。何より、お母さん自身が都落ちした気分になるようです」とは幼児教室幹部の分析だ。

 早実初等部の開設にかかわった早稲田大の元教授は、「広尾と比較したら、確かにあか抜けないが、アクセスや環境面で幼稚舎に劣っているとは思わない」とママたちの反応に不満そう。事実、都心から距離はあるものの、時間はそれほどかかるわけではない。新宿駅から中央線快速で約30分。本数は多くないが、特別快速に乗れば21分で国分寺駅に着く。

「都心から通学する場合、下りですから朝のラッシュも大したことがない。幼稚舎に通うよりはずっと楽だと思う」と話す元教授が幼稚舎より優れている点として挙げるのは、初・中・高等部が同じ敷地内にあることだ。12年間ずっと、国分寺に通うのである。通学コースが変わらないのは生徒にとっては退屈な面もあるかもしれないが、安全を確保しやすいメリットは大きい。

■清原和博氏の長男・次男も幼稚舎出身

 一方、幼稚舎の生徒は中学に上がる時に別の場所に行くことになる。中等部(港区)、普通部(横浜市)、湘南藤沢中等部(藤沢市)の3校から選ばなけれならない。「お母さんもいつまでもセレブを気取っているわけにはいかない」(幼児教室幹部)のである。とはいえ、6年間の優雅な時間は何物にも代えがたいようだ。

「著名人の子どもがいっぱいいる幼稚舎に保護者として顔を出すだけで、気分が高揚してくるといいます」(同)

 親が有名というだけでない。幼稚舎出身者がタレントになるケースも枚挙にいとまがない。嵐の櫻井翔は普通部2年の時、旧ジャニーズ事務所に履歴書を送り芸能界入り。活動しながらしっかり学校に通い、慶応大経済学部を卒業した。

 元プロ野球選手の清原和博氏の長男・正吾と次男・勝児も幼稚舎出身だ。今春、慶応大を卒業し社会人になるはずだった正吾は大学野球部の活動で就活ができなかったため、現在就職浪人中。一昨年夏の甲子園で優勝を果たした塾高野球部の出場メンバーの勝児はこの4月、慶応大商学部に入学。兄と同じく大学野球部に入部し、神宮での活躍が期待されている。

 華々しさでは、早実初等部より幼稚舎のほうがだいぶ上。ママたちの心をくすぐるようだ。

(田中幾太郎/ジャーナリスト)

  ◇  ◇  ◇

 とかく著名人が在学することが多い慶応義塾大学。関連記事【もっと読む】鈴木福の“芸能人御用達”堀越高→慶大進学に「夢がある」の声!受験を乗り越えたことを称賛…では、同大学への進学を果たした鈴木福について伝えている。

エンタメ 新着一覧


【おむすびにモヤっと】商品開発7年目なのに、なっちゃんの知識不足設定と結への謝罪が不憫すぎる
 結(橋本環奈)と菜摘(田畑志真)は、考案したコンビニ弁当がなぜダメだったかを製造担当の管理栄養士から聞き、開発を断念す...
桧山珠美 2025-03-05 18:15 エンタメ
【おむすびにモヤっと】変顔炸裂の第22週。名も無き管理栄養士が大手コンビニで商品共同開発の“ミラクル”
 結(橋本環奈)は仕事柄、栄養指導をする立場にあるため、患者から怖いとか厳しいと言われ、そのことに複雑な気持ちになってい...
桧山珠美 2025-03-03 17:30 エンタメ
大倉忠義“授かり婚”でますます追い風…イクメン俳優花盛り! 林遣都は赤ちゃん言葉で子育て奮闘
 大倉忠義(39)、結婚! またひとり独身イケメンが旅立ってしまいました。お相手は<一般女性>とのこと。またしても<一般...
【朝ドラおむすび】通夜の親族席最前列に知らない中年女2人…永吉の娘? 一言の台詞もなく忽然と姿を消した
 聖人(北村有起哉)の大学進学用のお金を勝手に人に貸した永吉(松平健)の行為が、米田家の呪いである人助けだったのかどうか...
桧山珠美 2025-03-01 06:00 エンタメ
【朝ドラおむすび】気の毒過ぎる委託会社の栄養士・柿沼。大鶴義丹チョイ登場で気になる“大鶴の恩返し”
 結(橋本環奈)は、聖人(北村有起哉)に永吉(松平健)が大学進学用のお金を何に使ったのかを話し始める。結は米田家の呪いの...
桧山珠美 2025-02-26 17:30 エンタメ
SNSで目立つ「新生timelesz」への厳しい声 オーディション番組なぜ荒れる? マニアでも予想不能な展開に
 話題のオーディション番組『timelesz project -AUDITION-』(Netflix)が最終回を迎え、待...
【おむすび】米田家4代食卓トークにモヤっ。盛り上がらないドラマで盛り上がらない万博の“宣伝”効果は?
 福岡・糸島に住んでいる永吉(松平健)と佳代(宮崎美子)が神戸にやって来る。結(橋本環奈)はてっきり聖人(北村有起哉)の...
桧山珠美 2025-02-24 17:30 エンタメ
新生timeleszに国民的人気グループの目。タイプロ開催で佐藤、菊池、松島メンバーの3人が自ら選んだ意義
 旧ジャニーズのグループのなかでも「Sexy Zone」という名前はいかがなものかと常々思っておりました。中国表記だと「...
現役芸人が見た『ホットスポット』のすごさ。お笑いのテクをドラマに落とし込む「バカリズム脚本」の妙
 バカリズムが脚本を担当したドラマ『ホットスポット』(日本テレビ系、日曜22時30分~)が話題だ。毎回の放送終了後にはS...
帽子田 2025-02-23 06:00 エンタメ
【最新回のおむすびにモヤっと】優秀ドクターと管理栄養士の描き方に違和感。次週予告編では喪服姿ちらり…
 結(橋本環奈)たちは、病院で外科医の蒲田(中村アン)から聖人(北村有起哉)の胃がんの手術がうまくいったが、今後5年は経...
桧山珠美 2025-02-22 14:37 エンタメ
KAT-TUN解散で「男性アイドル25周年の壁」説が再燃…SMAP、嵐も超えられないその理由とは
 2月12日、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)所属のKAT-TUNが、3月31日をもって解...
こじらぶ 2025-02-22 06:00 エンタメ
矢口真里の「クローゼット不倫」は許された?『Mステ』出演に誕生日会、異様な精神力を高めた結果の大復活
「クローゼット不倫」というパワーワードを生み出してから早10年以上。元・モーニング娘。の矢口真里が、1月20日に42歳の...
堺屋大地 2025-02-20 06:00 エンタメ
【きょうの朝ドラおむすび】北村有起哉と緒形直人の“神回”。証明写真機で“プリ”するおっさんず
 胃の精密検査で気を病む聖人(北村有起哉)は、孝雄(緒形直人)に誘われて大阪の街をおしゃれして歩くことに。そして、聖人は...
桧山珠美 2025-03-12 23:48 エンタメ
【おむすびにモヤっと】おかずのメニューを聞かずに1300kcalをも導き出す“徳積みヒロイン”
 翔也(佐野勇斗)の母・幸子(酒井若菜)が栃木から神戸に孫の顔を見に来て、イチゴ栽培のおもしろさを語る。愛子(麻生久美子...
桧山珠美 2025-02-18 17:30 エンタメ
「KAT-TUN電撃解散」への本音。亀梨和也と田中みな実とくっつくのは、やっぱり嫌だな
“♪ギリギリでいつも生きていたいから~”と私たちの前に現れたKAT-TUN。2006年3月のことでした。結成から5年、デ...
【最新回の朝ドラおむすび】蒲田医師(中村アン)は大門未知子をリスペクト?“パワハラ”の不評が気になる展開
 結(橋本環奈)は、勝手に退院しようとする低栄養の患者・麻利絵(桧山ありす)の病室に行き、このまま退院したら一生後悔する...
桧山珠美 2025-02-15 06:00 エンタメ