Snow ManはSMAP・嵐に続く国民的アイドルになれたのか? ヒット曲がイマイチでも“モンスター級”と言えるわけ

こじらぶ ライター
更新日:2025-04-25 06:00
投稿日:2025-04-25 06:00

「局地的」になるのはYouTubeやSNSの影響が大きい

 CDシングルの「売上」という観点では、SMAP、嵐と比べても、Snow Manのこの5年の平均売上は極めて高い。

 ただ、ファン以外にまで浸透した「ヒット曲」となると、どの楽曲が該当するか難しいところだ。映画「おそ松さん」の主題歌「ブラザービート」あたりは、聞き覚えのある人も多いかもしれない。それ以外の楽曲は、「売上」に対し、世間への浸透度という点でアンバランスさも感じる。


 これは、SMAP、嵐が第一線を走った平成において、娯楽がテレビに一極集中していたのに対し、Snow Manがデビューした令和では、YouTubeやSNSなど人々の興味が多様化したことに原因があるだろう。お茶の間の皆が一つのテレビに向かって音楽番組を楽しんでいた頃は、“誰もが知るヒット曲”も生まれやすかった。

 だが現代では、一定の世代やファンの中での“局地的なヒット曲”になるケースが多い。

 サブスク音楽配信サービスも主流となり、CDが売れないこの令和に、Snow Manがミリオンを連発しているのは、安定したクオリティーの楽曲、メンバーの“わちゃわちゃ感”が楽しめる特典映像、ファンの高い献身性という要因が考えられる。特に、見返りがなくとも、彼らにミリオンを届けたいという想いだけで売上に貢献するSnow Manのファンダムは、とてつもなく強大だ。

強大なファンダムが支えるモンスター級のグループ

 デビュー曲から「SixTONES vs Snow Man」名義でSixTONESと競り合い、コロナ禍で拡大するK-POPブームと闘い、今も旧事務所創業者問題を機に露出を増やした他事務所ボーイズグループの上を行く。強大なファンダムに支えられ、Snow Manはモンスター級の「売上」を誇るグループになっている。

 冠番組という視点で見ると、SMAPや嵐は長年GP帯冠番組で親しまれたが、Snow Manは「それSnow Manにやらせて下さい」(TBS系)が、2023年よりゴールデン帯で放送されている。

 前述の通り、テレビの影響力はSMAP、嵐の時代より低下しているが、現代において重要とされるコア視聴率は驚異の5%台(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録するなど、若年層に刺さっている。過去になかった指標として、配信サービス・TVerのお気に入り登録数も、333万(4月22日執筆時点)を突破している。

 また、SMAP全盛期にYouTubeはなく、嵐は活動休止前年にようやくチャンネル開設に至ったが、Snow Manはデビュー前からYouTubeに注力してきた。チャンネル登録者は393万人を誇り、冠番組以外でも、メンバーの魅力をリアルタイムで発信できている。

 俳優業で成功を収めている目黒蓮(28)、パリコレにも進出しているラウール(21)、バラエティーで大活躍の向井康二(30)、宮舘涼太(32)、佐久間大介(32)など、個人個人の飛躍もまだまだ伸びしろがある。さらに、YouTube活動やサブスク解禁など、現代だからこそできる多様なリーチの仕方で、新規ファンも獲得し続けている。

 SMAP、嵐とは時代や環境が違いすぎるため、同列で語ることは難しいが、Snow Manは現代で考えられうる限り、最も国民的アイドルに近い存在なのではないだろうか。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」千尋(中沢元紀)は本当に良い子…史実どおりの展開なのか。しょくぱんまんのようなイケメンだ
 けんかした嵩(北村匠海)と千尋(中沢元紀)に、寛(竹野内豊)は改めて後継ぎはいらないと告げる。そして、何をしながら生き...
桧山珠美 2025-04-23 17:51 エンタメ
こうでなくちゃ! 志尊淳の正解を「恋は闇」で見た。いい人よりも“妖しい姿”に妄想が駆り立てられる
 新ドラマ「恋は闇」(日本テレビ系)の志尊淳が良きです。  前クールの「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった...
「あんぱん」なんて贅沢!今が旬、河合優実の“目で語る”表現力と色気に驚く。俳優・ソニンのEE JUMP感を消した演技も見事
 なりたい夢を見つけたのぶ(今田美桜)は、女子師範学校合格に向けて猛勉強をし始めるが、成績が思わしくなく頭を抱える。同じ...
桧山珠美 2025-04-21 14:23 エンタメ
怪演・市原隼人に「ヤバい超大物」2人が熱烈ラブコール。迫真すぎる“ガンギマリ”の演技がモテる理由か
 大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)にて、盲目の大富豪にしてゾクッとする異様な雰囲気を放つ鳥山検校を怪演...
堺屋大地 2025-04-21 06:00 エンタメ
ラランド・サーヤは「名誉男性」なのか? お笑い界の“女すぎる”という悪口に思うこと
 ラランド・サーヤが参加するバンド「礼賛」が大阪で行ったライブで、痴漢行為が発生。被害女性がSNSで被害を訴えたことで発...
帽子田 2025-04-20 06:00 エンタメ
「あんぱん」松嶋菜々子の“毒”さえチャーミングにする厄介な美しさ。ドキンちゃんにも見えてしまった
 8年間音沙汰のなかった登美子(松嶋菜々子)が突然帰ってくる。登美子に対してわだかまりが残ってはいるものの、自分の漫画を...
桧山珠美 2025-04-19 06:00 エンタメ
「あんぱん」登美子(松嶋菜々子)の登場が不穏…色っぽいけど。貴島中尉(市川知宏)は“あのキャラ”を意識?
 新聞社に出した漫画で賞金をもらい、ご機嫌の嵩(北村匠海)。一方のぶ(今田美桜)は、パン食い競走で転びそうになったところ...
桧山珠美 2025-04-17 16:02 エンタメ
カトパンへの嫌味に物議…新井恵理那は承認欲求のカタマリか、悪役を演じる聖人か?
 昨年3月、8年間出演して総合司会も務めていたテレビ朝日系の朝の情報番組『グッド!モーニング』を降板したフリーアナウンサ...
堺屋大地 2025-04-17 06:00 エンタメ
【募集】春ドラマ何見る? 面白かった&ガッカリを教えて!『最後から二番目の恋』『あんぱん』etc
 コクハクでは2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。4月よりスタートした春ドラマ、「期待している」「面白...
笠松将、柳楽優弥を超えなければと思っていた。俳優業の“わからなさ”は「自分自身にビビッている感覚」『ガンニバル』シーズン2インタビュー
“この村では、人が喰われているらしい……”    2022年の年末にディズニープラス スターにて独占配信がスタートす...
望月ふみ 2025-04-15 06:00 エンタメ
「あんぱん」嵩(北村匠海)の“ジェラシー”がなんとも可愛い! 寛(竹野内豊)の診察シーンが見たかった
 昭和10年、高等女学校の5年生になったのぶ(今田美桜)は、ある日、貴島中尉(市川知宏)と再会。祭りのパン食い競走で使う...
桧山珠美 2025-04-14 19:03 エンタメ
15分の朝ドラで高揚感を得られるんだ! のぶ&嵩の“子役最終回”が見せた未来の夫婦関係
 久しぶりに登美子(松嶋菜々子)の顔を見て胸がいっぱいになる嵩(木村優来)だったが、登美子は困惑した表情を浮かべる。のぶ...
桧山珠美 2025-04-12 06:00 エンタメ
旧ジャニ会見から1年半、STARTO社の再興成否…CD売上と人権意識から考察、ファンは一体何を望む?
 2023年9月および10月、旧ジャニーズ事務所は創業者問題で2度記者会見を開いた。その後、同社所属タレントのテレビ・C...
こじらぶ 2025-04-12 06:00 エンタメ
「あんぱん」阿部サダヲの配合絶妙な演技。高知つながりで“しょくぱんまん”登場!
 元気のない家族のために力を貸してほしいというのぶ(永瀬ゆずな)の頼みに、草吉(阿部サダヲ)は1回きりの約束であんぱんを...
桧山珠美 2025-04-09 17:20 エンタメ
『あんぱん』RADWIMPSの主題歌は本当に「合っていない」のか? 正統派・朝ドラOPの真逆を貫いた意味
 2025年3月31日より、NHK連続テレビ小説『あんぱん』の放送が開始された。国民的キャラクター「アンパンマン」生みの...