アラフィフ独女が『人事の人見』を見て思うこと。平成の働き方はもう通用しない…私たちはどう振る舞うべき?

mirae.(みれ) ライター
更新日:2025-06-27 18:47
投稿日:2025-04-29 06:00
 アラフィフ独女ライターのmiraeです。前回のコラムでもお伝えしたとおり、アラフィフである私は、氷河期世代として社会に出たときから、セクハラやパワハラが当たり前の職場で働いてきました。フジテレビの性加害問題に接し、自分の経験とも重なる部分が多く、改めて働き方の世代間ギャップについて考えさせられました。

 そんな中で出会ったドラマ『人事の人見』は、世代間の価値観のズレを象徴するような作品でした。今回は、『人事の人見』を見て感じた昭和・平成・令和の働き方について考えたいと思います。

ドラマ『人事の人見』とは?

 2025年4月期のフジテレビ系火曜21時枠でスタートしたドラマ『人事の人見』は、主演にTravis Japanの松田元太さんを迎えたオフィスエンターテインメント。舞台は老舗文房具メーカー「日の出鉛筆」の人事部です。


 主人公・人見廉(ひとみ・れん)は、ちょっとおバカでピュアな性格の“新米人事”。型破りながらもまっすぐな言動で、問題社員や部署のトラブルに首を突っ込み、結果的に会社の問題を一つひとつ解決していきます。既成概念や常識にとらわれず、「人事は人を見て、支える仕事」という信念を体現する人見の姿勢は、まさに現代の企業社会に必要な視点そのものです。

 この作品では、第1話の“退職代行サービス”を使って会社を辞めようとする営業部の若手社員と体育会系の中年上司のトラブルから始まり、社員のサービス残業や副業問題、上司と部下の摩擦など、現実にもありそうな職場のトラブルを題材にしつつ、人見のピュアで真正面から向き合う姿が、コミカルで温かみのあるタッチで描かれています。

【こちらもどうぞ】アラフィフ独女が見たフジテレビ問題。氷河期世代の私が感じた世代間の「当たり前」のズレ

昭和・平成・令和の世代間の働き方の変化

 ドラマ『人事の人見』には、昭和、平成、令和という異なる時代背景で働いてきた会社員たちが登場し、それぞれの価値観や働き方がぶつかり合う場面が描かれます。ここでは、その世代間の違いについて、私自身の実感も交えながら見ていきましょう。

昭和の働き方

「24時間働けますか?」というエナジードリンク「リゲイン」のCMに象徴されるように、昭和の働き方は「会社が第一」「家庭は女性に任せる」が前提。家族との時間よりも会社での評価、根性論や精神論が支配的で、休むこと=悪という空気も当たり前でした。

“上司は絶対、部下は従うもの”という縦社会の中で、パワハラやセクハラ、モラハラは「問題」とされることなく、むしろ「社会人としての洗礼」「愛のムチ」とすら言われてきましたものです。

 彼らは、“自分たちの働き方が正しい”と信じ、それを下の世代にも強いるという構図が長らく続いていたのです。

平成の働き方

 私が社会に出たのはまさにこの平成初期、いわゆる就職氷河期世代でした。バブルがはじけ、失われた30年のスタート地点。仕事はあるにはあっても選べず、待遇は厳しく、景気回復の兆しが見えない中で、上司に逆らう余地などありませんでした。

 平成の世代は、コピー取りやお茶くみ、飲み会でのお酌や料理の取り分け、そして男性上司の機嫌取りをすることが“気の利く女性”として評価される、そんな時代に社会人としての基礎を築きました。営業職には必ずといっていいほど女性のアシスタントがつき、女性はサポート役であることが前提とされた時代です。

 上にはバブル世代の「昭和型上司」、下にはまだ少数だった「ゆとり世代」の部下。間に挟まれながら、自分たちは理不尽に耐えるしかない、という空気が。セクハラやパワハラのような言動を受けても、「言い返すほうが損」「我慢するのが大人」と教えられて育ってきたのです。

mirae.(みれ)
記事一覧
ライター
アラフィフのフリーライター。ライター歴は15年以上。いろいろこじれて48歳で処女卒業。現在は性に奔放で貪欲に、独身生活を謳歌中。
X

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


上司の「社会人、何年目?笑」にモヤッ。その嫌味、こう返せばスッキリ!私の賢い対処法
 職場で避けて通れない存在、それが「上司」。何気ない一言が嫌味っぽく聞こえる上司にモヤモヤしている人、多いのでは? 面と...
「どんな親なの?と笑われる」キラキラもシワシワも…名前が“生きづらさ”を生む現代。親からの愛にラベルを貼るな
 キラキラネーム、シワシワネームなど年代によって“名前”の傾向が異なります。名前が“社会的ラベル”になる現代では、名前を...
「ママかわいいよ」息子にほっこり♡ 一方、スクショ拡散のトラブルも…子どものLINE6選
 最近では、子どもでも連絡ツールとしてLINEを使いこなしています。小学生はほのぼのとしたやり取りが中心だったのに、中高...
新人アイドル★にゃんたま君にロックオン! 赤いバラの二重奏がよく似合う
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「女として見れない」にグサッ。私がトラウマ級に“傷ついた一言”6つ。いまだに引きずってます…
 人から言われた一言によって、自分の価値観や人生が変わることもあるはず。傷つく言葉であれば、それがトラウマになったりコン...
【漢字探し】「腕(ウデ)」の中に隠れた一文字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
“モデル級”美猫の大胆ポーズもにドキッ。クールな見返りにゃんたまも♡ 幸せあふれる9連発
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 2025年9月にご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかし...
お米も野菜も高すぎる! 見切り品しか買えない現実…40女が新政権に願う“ちょっとの期待”
 先日、スーパーの野菜売り場で青々としたおいしそうなレタスを見つけた。  その値段、まさかの199円。  決...
えっバレた!? ズル休み→「診断書持ってきて」で大ピンチ…冷や汗ダラダラ“絶体絶命”LINE3つ
 あなたは、LINEで窮地に立たされた経験があるでしょうか? これからご覧いただくのは、絶体絶命の大ピンチLINE! 嘘...
自信がない人ほど要注意! 55年のベテランママから教わった“人付き合いの極意”
 スナックのママといえば、これまでにも紹介したことがありましたが、波瀾万丈な人生を送っている方が多め。  だからこ...
どれだけお得なの! VOCE12月号の付録がコスパ良すぎて震えた。13名品を一度に試せる異次元レベル
 VOCE12月号 通常版の付録は、美容家・大野真理子さんが本気で選んだ13アイテムとミノンの5点セット。  さら...
花より饅頭のストリッパーが恋する乙女に? SNSで毎日見てます…♡
 踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...
青い海すら霞む“にゃんたま”…猫さまの悩ましい眼差しにメロメロ♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
あれ、蚊が寄ってこない? 虫も避ける“中年おばさん”の血…私の身体はそんなに「不味い」のか
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
仮装するって言ったじゃ~ん! ママ友にハメられた? ハロウィン行事のトラブル4選
 時期的に、ママ友とのハロウィン行事に参加しようとしている人もいるでしょう。でも、ママ友とのトラブルには気をつけて! ち...
夫は“推し”を支えるスポンサー? 私が「推し活」にハマれなかった理由。現実逃避もいいけれど
 最近、アイドルやお笑い芸人、アーティストなどの推し活に夢中な友人を見ていると、みんなキラキラした目をしていて、完全に“...