『べらぼう』瀬川(花の井)ロスに捧ぐ。小芝風花の“初々しい演技”が見れる初期5選「魔女の宅急便」も実は…

zash
更新日:2025-05-25 06:00
投稿日:2025-05-25 06:00

横浜流星との共演が見られる『天使のいる図書館』

『べらぼう』の主演俳優である横浜流星さんとは、実は8年前に映画『天使のいる図書館』(2017)で共演を果たしています。

 知識は豊富だが、コミュニケーション能力に欠けている図書館司書の吉井さくら。ある日、一人の老婦人が何か困っている様子を見かけた彼女は、思い切って話しかけることを決意。この出会いがさくらの運命を大きく変えていくことになる…というストーリー。

 祖母の死をきっかけに、機械的な口調の堅物人間になってしまったという過去を持ち、他人との関わりを持たないようにしてきた女性を、小芝さんは繊細な演技で好演して魅せます。

 終始、無表情ではあるものの、老婦人との関係に、かつての祖母との関係を重ね合わせ、その心情に大きな変化が現れる様子を実に見事に体現。その演技は、自身が王道の正統派女優というよりも、様々な役柄を演じ分ける個性派女優であると宣言しているように見て取れ、彼女の女優魂を大いに感じさせる次第です。

 また、横浜さんはそんな小芝さん演じるさくらと心を通わせる老婦人の孫役に扮しており、ホッコリさせる関係性を構築。横浜さん演じる幸介と徐々に惹かれあっていく様子は、まるで青春の1ページを見ているかのよう。この頃からすでに抜群の相性を見せつけています。

ダンスの才能も発揮『ガールズ・ステップ』(2015)

 映画『ガールズ・ステップ』(2015)では小芝さんの印象をガラリと変えるシリアスな演技に挑戦しています。

 5人の女子高生がイベントでパフォーマンスを披露し、必修科目であるダンスの単位を取得しようとすることから幕を開ける。5人は、次第にダンスの楽しさ、素晴らしさに目覚めていき、ダンス部として大会に出場することを目指していく。

 主人公のクラスメイトで、根暗な性格が印象的な片瀬愛海役に扮する小芝さん。普段は常に下を向いているような物静かな女子が、裏ではSNSで知り合った年上のサラリーマンと交際中という二面性のある役どころを演じます。

 さらには、後にそのサラリーマンの子供を身籠ってしまうという展開も待ち受けており、デビュー間もない女優が演じるには、かなり高難度な少々影のあるキャラクターでした。小芝さんはそんな役柄に臆することなく、真っ向から向き合い、緩急自在の演技と奥深い表情で、壮絶な役どころを熱演して魅せています。

 劇中ではダンスの才能も遺憾なく発揮。演技面を初め、十年後に演じることになる『べらぼう』花の井役の役作りに、大いに役立ったと言えるのではないでしょうか。

子どもの頃から培ってきた映画、海外ドラマ、特撮、アニメの知識を活かして活動中。各媒体でコラム、取材レポート、インタビュー記事を執筆する他、雑誌やマスコミ用リリースへの寄稿も行っている。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


曽田陵介、FANTASTICS佐藤大樹と“縁”に驚き「青春時代の人が隣にいた!」甘酸っぱい中学生の頃
 2019年に俳優デビューをきっかけにドラマ、映画、舞台とさまざまな作品に出演。そして先ごろ放送を終了した『いつか、ヒー...
望月ふみ 2025-06-23 07:00 エンタメ
【募集】2025春ドラマの感想は? 面白かった&ガッカリを教えて!『対岸の家事』『最後から二番目の恋』etc
 コクハクでは2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。4月よりスタートした春ドラマ、「面白かった」作品や「...
72歳、ザ・ぼんち里見まさとに“若い女子”が熱狂。イケジジブームが来るか? 老害にならずモテる大人の魅力
 去る5月17日フジテレビ系で放送された結成16年以上の漫才師による大会『THE SECOND~漫才トーナメント~・グラ...
「あんぱん」ここがヘンだよ、戦争パート。のぶが夫に駆け寄らないのはなぜだ?
 次郎(中島歩)からの便りに顔を輝かせるのぶ(今田美桜)だったが、それは海軍病院からだった。のぶが不安な気持ちで病室に入...
桧山珠美 2025-06-21 12:55 エンタメ
『バチェラー6』第7話を正直レビュー!石森さんの“事実発覚”に全視聴者が驚いた…。辻󠄀本さんの高度な会話テクにも注目
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。第7話は、クアラルンプールへ久次米...
中村未来 2025-06-21 06:00 エンタメ
『バチェラー6』第6話を正直レビュー!小田美夢の“あまりにあざとい”テクニック。キス連発は最初から決めてた?
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第6話。前回のラストで、早朝...
中村未来 2025-06-20 06:00 エンタメ
「あんぱん」清(二宮和也)は出る出る詐欺じゃなくて一安心。岩男とリンはやっぱり“チリンの鈴”だった
 銃撃された岩男(濱尾ノリタカ)は、嵩(北村匠海)にリンはよくやったと言って息絶える。八木(妻夫木聡)は、リンは親のかた...
桧山珠美 2025-06-19 17:28 エンタメ
『バチェラー6』第5話を正直レビュー。自然体の笑顔をやっと見れた。で、なんで突然キスした?
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第5話。もう折り返しなんて早...
中村未来 2025-06-19 06:00 エンタメ
令和ロマンくるま、吉本退所でも絶好調の今。もう一度「M-1」優勝を狙ってみてはどうか
 4月末で吉本興業との契約を終了した令和ロマン高比良くるま。一時期活動休止していたが、5月末には復帰。現在、精力的に活動...
帽子田 2025-06-19 06:00 エンタメ
『バチェラー6』第4話を正直レビュー。石森さんまさかの本命? みんな久次米さんの魅力をもっと伝えて~!
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第4話。ホワイトローズを受け...
中村未来 2025-06-18 06:00 エンタメ
奥平大兼、世間とのギャップに戸惑い「僕のプライベートを見たら驚くと思う」悩んだときの考え方は?
 長澤まさみさんと共演した映画『MOTHER マザー』でのデビューに始まり、映画やドラマで常に心に残る芝居を見せている奥...
望月ふみ 2025-06-18 06:00 エンタメ
田中圭ショックか?木梨憲武、玉木宏ら「夫婦円満」をアピールするイケメンたち。向井理も丸くなった
 サントリー「角瓶」のCMが新しくなりましたね。「♪ウィスキーがお好きでしょ」の歌をバックに、バーテンダーの井川遥と客の...
「あんぱん」嵩(北村匠海)と健ちゃん(高橋文哉)コンビが心強い。岩男には“嫌な予感”しかない…
 嵩(北村匠海)は、絵の才能を見込まれ宣撫班勤務を命じられる。宣撫班では紙芝居を見せていた市場でひと騒動があったといい、...
桧山珠美 2025-06-16 16:45 エンタメ
前田敦子の「アイドル否定発言」に物議。卒業後に佐藤健と撮られても、現役時は“偶像”を演じきったプロなのに
 先月、『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)に出演した元AKB48の前田敦子。番組内で「『アイドルになりた...
堺屋大地 2025-06-16 06:00 エンタメ
ジュニア退所は「timeleszのせい」…何かと荒れるタイプロ界隈、それでも彼らは“必要だった”といえるわけ
 6月2日、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所。以下、SE社)のジュニア内グループ・Go!Go...
こじらぶ 2025-06-23 18:09 エンタメ
「あんぱん」戦場での緊迫シーンにホッ。嵩(北村匠海)らの“偶然の再会”、まるでドラマみたい…は禁句です
 小倉連隊に動員が下令され、嵩(北村匠海)は中国に行くことに。出発前日、嵩はひとり星を眺める八木(妻夫木聡)にこれまでの...
桧山珠美 2025-06-16 16:27 エンタメ