『べらぼう』瀬川(花の井)ロスに捧ぐ。小芝風花の“初々しい演技”が見れる初期5選「魔女の宅急便」も実は…

zash
更新日:2025-05-25 06:00
投稿日:2025-05-25 06:00

コメディエンヌの才能爆発『トクサツガガガ』

 女優・小芝風花の名前が一躍全国区になった作品と言えば、やはりNHKにて放送された『トクサツガガガ』(2019)でしょう。

 本作の主人公は商社勤めのOL・仲村叶。表では‘‘できる女’’を装いながら普通に生活しているが、実は熱狂的な特撮オタク。「女は女らしく」と散々言われ続け育ってきた叶は、オタクであることを同僚や母親に隠しながら生きてきた。しかしそんな秘密を隠し通せない試練が彼女を襲う!


 小芝さんといえば、やはりシリアスからコメディまでこなす幅広い演技幅が大きな魅力の女優でしょう。そんな彼女のことコメディセンスという点においては、間違いなく本作によって培われたものだと思われます。

 劇中で小芝さんは、特撮オタクの‘‘あるある’’を巧みに演じ切って見せるのだが、その嫌みのない所作が織りなすコミカルな姿は、あまりにも自然体で、コメディエンヌとしての才能を遺憾なく発揮。そのキュートな魅力は、オタクだけにとどまらず、男女問わず多くの視聴者を惹きつけました。

まるでショー!『ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ』

 小芝さんのコメディセンスが光る作品と言えば、2019年にテレビ朝日にて放送された『ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ』(2019)も外せません。

 本作は、ある日、突如として新種のウィルスが蔓延し、人々がゾンビになってしまった世界を舞台としている。さらに、あろうことか新種のゾンビに噛まれてしまうと、四六時中ラップを歌い続ける‘‘ラッパーゾンビ’’へと変貌してしまうという設定が盛り込まれてます。


 小芝さんは、ラップ嫌いの主人公・稲穂みのりを演じます。ラップ嫌いの主人公が、ラッパーになりたくない一心で逃げ惑う様子が何とも小気味よく、そんなコミカル演技ととも、ゾンビから逃げ惑う鬼気迫る表情を同時に見せるあたりが、さすがの小芝風花! と拍手を送りたくなるほどの名演技。

 さらに、特筆すべきは、茨城弁の使い分け。大阪府出身の彼女にとっては、あまり馴染みがないであろう茨城県の方言を、まるで地元出身であるかのように喋っている姿にはもはや脱帽。クライマックスではラップまで披露しており、もはや本作は「小芝風花の小芝風花による小芝風花のためのショー」だとも感じました。

小芝風花の出発点を再確認

 初期から様々な役どころを演じてきた過去が、現在の小芝風花を作り上げているということを再認識するには打ってつけ。どんな場面にも対応できる引き出しの多さは、彼女が若い頃から培ってきた経験の賜物なのでしょう。

子どもの頃から培ってきた映画、海外ドラマ、特撮、アニメの知識を活かして活動中。各媒体でコラム、取材レポート、インタビュー記事を執筆する他、雑誌やマスコミ用リリースへの寄稿も行っている。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


魂のラインダンスに涙、涙…入浴シーンの「四季の宴」趣里、歌うまい!
 山寺でのストライキは団員たちの要求が全面的に受け入れられ、幕を閉じる。  山を降り、ようやくいつも通りの練習を始...
桧山珠美 2023-10-25 16:30 エンタメ
梅丸少女歌劇団による山寺でのダンスシーンはニュースになった“アレ”
 山寺でのストライキが続く中で、大和礼子(蒼井優)はスズ子(趣里)に自分の過去の話をする。両親に反対されて、縁を切ってま...
桧山珠美 2023-10-24 17:03 エンタメ
道枝駿佑“マイハル”の無表情は拙い?いいえ、ラストの笑顔のためだった!
 秋の新ドラマがスタートしています。いくつかチェックしましたが、ミステリーや考察ドラマって疲れて帰ってきた頭と体にはなん...
色恋に敏感なリリー、昭和8年が舞台の朝ドラに「百合」の描写は必要?
 大和礼子(蒼井優)はストライキをするしかないと言い出す。一方、橘アオイ(翼和希)は、お客様が大切だと言い、また、礼子が...
桧山珠美 2023-10-20 16:20 エンタメ
直撃!俳優・藤原大祐の恋愛観「告白するなら年上、1回目のデートで」
 10月20日から全国公開となる新感覚ホラー映画「リゾートバイト」。小さな島の民宿でアルバイトする大学生たちに様々な怪奇...
2023-10-20 06:00 エンタメ
【写真特集】藤原大祐を直撃! ここでしか見られない本編&未公開カット含む全29枚!!
                                        ...
2023-10-20 06:00 エンタメ
労働争議で板挟み…“スズ子の恩人”林部長役・橋本じゅんの意外な一面
 世界恐慌の波が押し寄せ、USKの賃金削減と人員削減が告げられる。一部の楽団員と新人の劇団員は解雇されてしまった。 ...
桧山珠美 2023-10-19 15:40 エンタメ
大和礼子(蒼井優)さまの箴言…誰にも負けないスズ子の個性とは?
 昭和8年。デビューから6年が経ち、スズ子(趣里)は脇役ながら劇団の中心メンバーとして活躍し、新人の教育係にもなっていた...
桧山珠美 2023-10-16 14:30 エンタメ
タバコの逢引き場面にズキュン!“喫煙イケメン”柳俊太郎にやられます
 コンプライアンスなるもののせいで、昨今のドラマはなにかと不自然なことが多いようで。  犯人が車で逃げるシーンで「...
朝ドラ本編とは別にオリジナルの舞台演目フルver.も制作、手が込んでいる
 鈴子(澤井梨丘)は1週間で稽古に復帰し、同期3人で切磋琢磨して稽古を続けた。  単独公演まで1カ月となり、鈴子た...
桧山珠美 2023-10-14 13:30 エンタメ
宝塚からセクシー女優に転身、“芸能人の有名税”となぶっていいのか
 セクシー女優という職業は、昔と比べると女性にとっても身近に感じる職業となってきました。モデルやグラビア、アイドルなど、...
大和礼子(蒼井優)が手渡したトンボ柄の布は…主人公・鈴子そのもの
 公演で橘アオイ(翼和希)の衣装の羽を忘れたことをきっかけに鈴子(澤井梨丘)たち3人は仲違いをしてしまう。  そん...
桧山珠美 2023-10-11 16:15 エンタメ
物語が動き出した2週目、鈴子指導役は宝塚不合格の現役OSK男役スター
 鈴子(澤井梨丘)は梅丸少女歌劇団(USK)に研究生として入団する。鈴子たち新入生は、まず先輩の稽古を朝から見て覚えてい...
桧山珠美 2023-10-09 15:20 エンタメ
ご意見番GACKTがバカなフリしてジャニーズ問題連投の訳、「貝」も得意
GACKT様(歌手、実業家・50歳)  GACKT様はセルフブランディングに余念がなく、常に自身の好感度アップのた...
堺屋大地 2023-11-14 16:25 エンタメ
ジャニーズの看板消滅…北公次のバク転から始まったイケメンアイドルたち
 ジャニーズ事務所の名称が10月17日からSMILE-UP.(スマイルアップ)に変更されるそうですね。頭では理解している...
近藤真彦がジャニーズの長男坊と呼ばれた必然、逃げ上手と無責任のプロ
近藤真彦様(歌手・59歳)  近藤真彦さんことマッチ様と言えば、40年以上にわたりジャニーズ事務所のタレントとして...
堺屋大地 2023-11-14 16:26 エンタメ