「あんぱん」名言集は寛先生からヤムさんへ…。相変わらずの登美子、“パンの数”は再婚の匂わせなの?

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-05-28 12:40
投稿日:2025-05-28 12:40

第8週「絶望の隣は希望」#43

 嵩(北村匠海)はのぶ(今田美桜)に思いを告げられないまま、東京へ戻ることに。帰り際、嵩が朝田家の前を通りかかると、次郎(中島歩)が訪ねてくる。そこで初めてのぶが結婚することを知った嵩は、のぶに精一杯の作り笑顔を向ける。

 意気消沈して戻って来た嵩を、健太郎(高橋文哉)は銀座へ連れ出す。すると、衝撃の再会が待っていて……。

【こちらもどうぞ】「あんぱん」寛先生(竹野内豊)の戒名になるほど…人柄を表すようでGJだ

【本日のツボ】

「絶望の隣は、絶望の2丁目かな」(ヤムさん)

 ※※以下、ネタバレあります※※

 ついに嵩がのぶの結婚を知ることに。朝田パンの店前で、次郎と鉢合わせするのですが、その時のメイコの慌てっぷりに注目。次郎と嵩を交互に見て、「ハッ」「フッ」と笑ってごまかし、困ったなあという、その姿がとても可愛らしかったです。女・蘭子役の河合優実もですが、三女・メイコ役の原菜乃華も、いつかヒロインとして朝ドラに帰ってきて欲しいものです。 

 「のぶちゃんを卒業する」と言っていた嵩ですが、結婚することを知り、平静を装いつつ、内心の動揺は隠し切れず、曲がり角で躓くことで、嵩の心情を現していました。

 次郎と仲良く話すのぶを寂しげにみつめる嵩が、「しょくぱんまんさま~」と追いかけるドキンちゃんにおいてけぼりにされるばいきんまんに重なって見えました。どんなにドキンちゃんに尽くしても報われないばいきんまん、それが嵩ということなのかもしれません。

 すべてを知り、絶望のどん底に叩き落されたような嵩を追いかけてヤムさん(阿部サダヲ)がどこからともなくやってきます。

「お前もいろいろと大変だったな」「しけた顔してんなあ~。そうか、お前も聞いたか。あのチビが結婚すること」畳み掛けるように話しかけます。「はい」力なく答える嵩に、「また線路行くか?」と昔のことを持ち出してからかうように言います。

「大丈夫ですよ。『絶望の隣は希望』ですから。伯父さんのこの言葉を信じて僕は生きていきます」。あの時、寛(竹野内豊)から言われた言葉をヤムさんに返しますが、そんな嵩に、「本当の絶望はこんなもんじゃないよ。それでも人生は続く。歩き続けるんだな」とヤムさん。「絶望の隣は絶望の2丁目かもな」と笑いながら励まします。

 寛が亡くなり、「あんぱん」名言集はどうなることかと思っていましたが、ヤムさんがいました。しかもちょっと辛口。いい味してます、ヤムさん。

相変わらず美しい母・登美子

 のぶの祝言は時節柄質素に。次郎と早々に高知で新婚生活を始めました。

 一方の嵩はというと、まだ立ち直れず、こたつと一体化。健ちゃん(高橋文哉)に連れ出されて、出掛けた銀座のパン屋で母(松嶋菜々子)と再会します。相変わらず、お美しい。

 あんぱん5個買っていたということは、またまた再婚したのでしょうか。いろいろと気になります。のぶがヒロインなのに、のぶよりも嵩界隈に俄然興味が沸きます。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


大泉洋こそ“真のモテ男”じゃないか?「かくかくしかじか」の圧倒的な存在感に新たな一面を見た
  先日、いろんな意味で話題の映画「かくかくしかじか」を鑑賞してまいりました。「東京タラレバ娘」や「海月姫」などのヒット...
「あんぱん」のぶ、“落とし前”の付け方はそれでいいのか。次郎役の中島歩はあまりにも素晴らしかった
 終戦から5か月が経ち、国民学校ではGHQの指導のもと軍国主義教育からの転換が図られる。のぶ(今田美桜)は病気が一向に回...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
『バチェラー6』第8話(最終話)を正直レビュー! ラスト予想、当たった人いるの? 制作サイドにまんまと騙されました
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第8話。本編最終回です。小田...
中村未来 2025-07-25 15:23 エンタメ
曽田陵介、FANTASTICS佐藤大樹と“縁”に驚き「青春時代の人が隣にいた!」甘酸っぱい中学生の頃
 2019年に俳優デビューをきっかけにドラマ、映画、舞台とさまざまな作品に出演。そして先ごろ放送を終了した『いつか、ヒー...
望月ふみ 2025-06-23 07:00 エンタメ
【募集】2025春ドラマの感想は? 面白かった&ガッカリを教えて!『対岸の家事』『最後から二番目の恋』etc
 コクハクでは2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。4月よりスタートした春ドラマ、「面白かった」作品や「...
72歳、ザ・ぼんち里見まさとに“若い女子”が熱狂。イケジジブームが来るか? 老害にならずモテる大人の魅力
 去る5月17日フジテレビ系で放送された結成16年以上の漫才師による大会『THE SECOND~漫才トーナメント~・グラ...
「あんぱん」ここがヘンだよ、戦争パート。のぶが夫に駆け寄らないのはなぜだ?
 次郎(中島歩)からの便りに顔を輝かせるのぶ(今田美桜)だったが、それは海軍病院からだった。のぶが不安な気持ちで病室に入...
桧山珠美 2025-06-21 12:55 エンタメ
『バチェラー6』第7話を正直レビュー!石森さんの“事実発覚”に全視聴者が驚いた…。辻󠄀本さんの高度な会話テクにも注目
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。第7話は、クアラルンプールへ久次米...
中村未来 2025-06-21 06:00 エンタメ
『バチェラー6』第6話を正直レビュー!小田美夢の“あまりにあざとい”テクニック。キス連発は最初から決めてた?
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第6話。前回のラストで、早朝...
中村未来 2025-06-20 06:00 エンタメ
「あんぱん」清(二宮和也)は出る出る詐欺じゃなくて一安心。岩男とリンはやっぱり“チリンの鈴”だった
 銃撃された岩男(濱尾ノリタカ)は、嵩(北村匠海)にリンはよくやったと言って息絶える。八木(妻夫木聡)は、リンは親のかた...
桧山珠美 2025-06-19 17:28 エンタメ
『バチェラー6』第5話を正直レビュー。自然体の笑顔をやっと見れた。で、なんで突然キスした?
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第5話。もう折り返しなんて早...
中村未来 2025-06-19 06:00 エンタメ
令和ロマンくるま、吉本退所でも絶好調の今。もう一度「M-1」優勝を狙ってみてはどうか
 4月末で吉本興業との契約を終了した令和ロマン高比良くるま。一時期活動休止していたが、5月末には復帰。現在、精力的に活動...
帽子田 2025-06-19 06:00 エンタメ
『バチェラー6』第4話を正直レビュー。石森さんまさかの本命? みんな久次米さんの魅力をもっと伝えて~!
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第4話。ホワイトローズを受け...
中村未来 2025-06-18 06:00 エンタメ
奥平大兼、世間とのギャップに戸惑い「僕のプライベートを見たら驚くと思う」悩んだときの考え方は?
 長澤まさみさんと共演した映画『MOTHER マザー』でのデビューに始まり、映画やドラマで常に心に残る芝居を見せている奥...
望月ふみ 2025-06-18 06:00 エンタメ
田中圭ショックか?木梨憲武、玉木宏ら「夫婦円満」をアピールするイケメンたち。向井理も丸くなった
 サントリー「角瓶」のCMが新しくなりましたね。「♪ウィスキーがお好きでしょ」の歌をバックに、バーテンダーの井川遥と客の...
「あんぱん」嵩(北村匠海)と健ちゃん(高橋文哉)コンビが心強い。岩男には“嫌な予感”しかない…
 嵩(北村匠海)は、絵の才能を見込まれ宣撫班勤務を命じられる。宣撫班では紙芝居を見せていた市場でひと騒動があったといい、...
桧山珠美 2025-06-16 16:45 エンタメ