フジテレビ夏ドラマには追い風吹くが…福原遥「月9」&木村文乃「木10」の“共感ドラマ”が本当の正念場
続々とフィナーレを迎えているGP帯の春ドラマ。6月23日の「続・続・最後から二番目の恋」(フジテレビ=月曜夜9時)、24日の「天久鷹央の推理カルテ」(テレビ朝日=火曜夜9時)、25日の「Dr.アシュラ」(フジテレビ=水曜夜10時)、26日の「波うららかに、めおと日和」(フジテレビ=木曜夜10時)、27日の「イグナイト―法の無法者―」(TBS=金曜夜10時)、トリが30日の「あなたを奪ったその日から」(カンテレ・フジテレビ系=月曜夜10時)の6本。
「視聴率で独走したTBS日曜劇場『キャスター』は終盤の第8話、9話で1ケタに転落したものの、15日の最終回は12.0%と面目を保ちました。しかし、ヒロインを演じた永野芽郁さんの不倫疑惑報道の影響は大きく、ネット上の評判はいま一つ。ある調査では“今期のがっかりドラマ”にランクインするという不名誉も。その点、今期健闘したのが、意外や“中居問題”が大きく影を落とす中でスタートしたフジテレビの作品。特に『二番目の恋』と『めおと日和』はネット上で高い支持を得ました」(テレビ誌ライター)
「二番目の恋」には《キョンキョンと中井貴一のかけあいが最高!》《長倉家のみんなが愛おしい》の声が並び、「めおと日和」には《瀧昌さまとなつ美のウブな感じがかわいくて目が離せない》《登場人物がみんなやさしくてほっこりする》の声が並ぶ。一方で「二番目の恋」は《浜崎あゆみの主題歌が“あゆのモノマネ調”なのが浮いてる》、「めおと日和」は《昭和11年という戦争に向かっていく時代らしさのかけらも見えないのが残念》などといったマイナス評価も確かにあるが、それは少数派のようだ。
テレビコラムニストの亀井徳明氏は「いずれも派手な事件や裏切り、ドロドロは一切なく、登場人物が日常を積み重ねていくうちに少しだけ変化が起こる。まあ、ドラマですからそれなりにちょっとした事件やご都合主義的な展開もあることはあるんですけど、その時代で普通に生きていく中で起こり得ることをベースにしているのが、視聴者に安心感を与えたのでは」と分析する。
さらに亀井氏はこう続ける。
「どんなに奇抜な設定や大ドンデン返しなどの仕掛けがあっても、タイパ重視のこの時代、《倍速再生で見て大まかに話が分かればいい》《結末だけチェックすればいい》なんて扱いを受けてしまうことも多々ある。その点、登場人物が魅力的に描かれていると、事件の有無は関係なく、《この人たちを見ていたい》となるんですね。特に2クール、4クール以上なんて連ドラがよくあった昭和を知る世代にとって、“終わらないドラマ”ってある種の希望なんですよ。そういう雰囲気のあるドラマが支持されたというのは、過激なドラマが増えたり、生々しいスキャンダルが報じられたりしている今だからこその現象なのかも」
衝撃的なタイトルや極端な設定で注目を集めようとするドラマは一時的に注目されるチャンスはあるが、敬遠されてしまうリスクも高い。
「それでもインパクトありきのドラマが増え続けるのは、《ネットで話題にならなきゃそもそも見てもらえない》という意識が制作側にあるから。人間関係を淡々と丁寧に描くことの大切さが分かっていても、なかなか実行するのは難しいんでしょうね」(広告代理店関係者)
《ずっと見ていたい》という関係性を描いたドラマが好調だったフジテレビ。夏の月9は児童相談所を舞台にしたハートフルな人間ドラマ「明日はもっと、いい日になる」で、福原遥(26=写真)と林遣都(34)がその路線を踏襲できるか。一方、「めおと日和」の次の木10は木村文乃(37)とラウール(21=Snow Man)で教師とホストの禁断の恋を描く「愛の、がっこう。」。こちらは“ほっこり”と真逆の展開になりそうだ。
「大きな問題を抱えているフジテレビにとって、GP帯の連ドラは視聴者、そしてスポンサー回帰のための重要なコンテンツなのは間違いありません」(前出の広告代理店関係者)
春ドラマで一定の成果を収めた今、その流れを生かせるのか、それとも“永野芽衣問題”に救われただけなのか。フジテレビは6月19日、清水賢治社長(64)が元同局女性アナに対面で謝罪したと、公式サイトで発表した。本格的な再生に向けて、夏ドラマが底ヂカラの見せどころになる?
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