高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格
【あの有名人の意外な学歴】#12
高畑充希(女優/33歳)
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「女優の中でとりわけ頭が良くて、人生設計もしっかりしている」とベテランの芸能記者が評するのは現在、地上波で再放送中の朝ドラ「とと姉ちゃん」でヒロインを務める高畑充希(33)。関西で家具を製造する経営者の家に生まれ育った高畑が女優を志したのは小学生の頃。演劇好きの母に連れられ舞台をよく見にいき、自分もここに立ちたいと思うようになった。
オーディションで10回以上不合格になっても、あきらめることはなかった。女優への道を切り開くために、早稲田大の演劇研究会に入ろうと考えたのである。佐藤B作や堺雅人をはじめ、たくさんの演劇人を生んだ大学公認の組織だ。「単なるサークルの枠を超え、芸能界への足がかりを期待して門を叩く人も少なくない」と同会OBは話す。
早稲田大に確実に入るにはどうすればいいか。中学受験だと考えた高畑は猛勉強を始め、私立女子中高一貫校の四天王寺(大阪市)に合格した。スポーツ芸術コースがあり、オグシオで知られる元バドミントン選手の小椋久美子や五輪団体で3個のメダルを獲得した元卓球選手の石川佳純を輩出。だが、もっとも強みを発揮しているのは受験校として。女子の医学部合格者数で全国トップになるなど、抜群の大学進学実績を残してきた。
高畑がこの「関西屈指の女子校」(予備校講師)に6年間いることはなかった。中学2年の時、ホリプロ主催の「山口百恵トリビュートミュージカル」オーディションに合格。応募総数9621人の中から主役の座を勝ち取り、一気に女優への道が開けた。高校に上がる際は四天王寺に内部進学せず上京した。ピーターパン役に抜擢されるなど、芸能活動が本格化してきたからだ。
高校から入学したのは私立中高一貫校の八雲学園。当時は女子校だったが、現在は男女共学になっている。
堀越高校のような芸能人向けの特別コースがあるわけではないが、女性タレントを数多く受け入れてきた。SPEEDのメンバーだった今井絵理子(現参議院議員)や島袋寛子、先日芸能界を引退した西内まりやも同校の出身だ。
「高畑が他のタレントと違うのは、どんなに忙しくても学業をおろそかにしなかった点。役を演じるために教養が必要だと思っているのでしょう。何より、机に向かうことが好きでたまらないように映った」(制作会社プロデューサー)
現役で法政大キャリアデザイン学部に進学。勉強し続けることは高畑にとって当然の選択だった。だが、すべてが思い通りにいくわけではなかった。舞台をいくつもこなす中、朝の連ドラ「ごちそうさん」でヒロイン杏の義妹役に決まる。大学3年の時だ。
「朝の連ドラは拘束時間が長く、出演者は自由が利かなくなる」(芸能記者)といわれる。高畑の場合も例外ではなかった。大学4年になり撮影が佳境に入ると、大きな決断をする。大学を休学し、その後、中退してしまうのだ。「根がまじめな彼女だけに、中途半端に在学し続けるのは大学に失礼だと思ったのだろう」と記者。そうしたきっぷの良さも高畑の魅力である。
(田中幾太郎/ジャーナリスト)
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