日焼け止め、重ねたら「効果もアップ」するの? 下地を塗る順番も聞いてみた/医師監修

コクハク編集部
更新日:2025-07-08 11:50
投稿日:2025-07-08 11:50

【回答:△】SPF値は単純に足し算されない

山内皮ふ科スキンケアクリニック(福岡県)
院長
山内大輔先生

【Q】日焼け止めを兼ねた下地を薄く塗るだけでは、あまり効果がないというのは本当?

【A】多くの人が日焼け止めを「薄く」「少量」しか塗っていない傾向にあります。

 しかし量が少なすぎると、肌に均一な膜を形成できず、ムラが生じやすくなります。結果として表示されているSPF/PA値よりもはるかに低い防御力しか得られず、部分的に日焼けしてしまうリスクが高まります。

 顔全体に十分な効果を得るためには、約0.8gの日焼け止めが必要です。具体的な目安としては、クリームタイプならパール2粒分、ローションや液体タイプなら1円玉2枚分が推奨されています。

【Q】SPF値の高いものを少しずつ重ね塗りする効果ありますか?

【A】「SPF20の化粧下地にSPF25のファンデーションを重ねたらSPF45になる」というのは誤解です。

 日焼け止めのSPFやPA値は、それぞれの製品が単独で規定量を塗布した場合に測定される値であり、単純に足し算されるわけではありません。

 しかし、日焼け止め効果のある下地やファンデーションを重ねて塗ること自体は問題ありません。むしろ日焼け止めの塗りムラを補ったり、時間経過による落ちをカバーしたりする補助的な効果が期待できるでしょう。

 特に化粧下地は、日焼け止めの膜を阻害しないよう、日焼け止めを塗った後に使用するのが正しい順番です。

 化粧下地やファンデーションに含まれるUVカット効果は、あくまで「補助的な役割」と捉えるのが適切です。これらを日焼け止めの代わりとして薄く塗るだけでは、十分な紫外線防御効果は得られません。

【Q】日焼け止めパウダーやスプレーは気休めでしょうか?

【A】パウダーやスプレータイプは決して「気休め」ではありません。これらは、日中の紫外線防御効果を維持するための有効なツールとして活用できます。特に、メイクの上から手軽に塗り直しができ、化粧崩れを防ぐ効果も期待できます。

 しかしスプレータイプは塗りムラができやすいという特性があり、パウダータイプもクリームやミルクに比べて、規定量を均一に塗布するのが難しい場合があります。

 そのため、これらはメインの日焼け止めとしてではなく、あくまで日中の「塗り直し」や「補助的な防御」として活用するのが賢明です。

日焼け止めは「「規定量を守ることが大前提」

 日焼け止めの重ね塗りについて、両医師とも「規定量を守ることが大前提」という見解で一致していました。SPF値が単純に足し算されるわけではないものの、補助的な効果は期待できるとのこと。特に塗りムラを補ったり、時間経過による効果の減少をカバーしたりする役割には期待できそう。

 日焼け止めパウダーやスプレーについては見解が分かれましたが、いずれにせよメインの日焼け止めの代わりではなく、塗り直し用のアイテムとして活用するのがよさそうです。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ビューティー 新着一覧


「レチノール」って大丈夫? シミ・シワに“ほどほどケア”で取り入れたい
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
今すぐお腹の肉を隠したい! “部分ぽっちゃり”を撃破する6大アイテム
 若い頃にほっそりしていた人も、食生活をまったく変えていない人も、なぜか40代になるとだんだん代謝が落ちてふっくらしてく...
無自覚のスメハラは不本意…「香水つけすぎた?」判断法と匂いの落とし方
 いい香りを身にまとえる「香水」は、年代問わず多くの人が使っていますよね。でも、時には香水をつけすぎたことに自分で気がつ...
アラフォーこそ挑戦!ピンクとツヤ感“命”の「純欲メイク」やり方&コツ
 SNSで話題の「純欲メイク」。若い人にしかできないと諦めていませんか? 実は、純欲メイクは40代女性の魅力を最大限に引...
好きでも似合わない色ってありますよね…上手に取り入れる2STEPの方法
 ファッションを楽しむ上で知っておきたいのが「自分に似合う色」。とはいえ、好きだけど周囲の人には「似合わない色」と言われ...
不器用な人こそ試して!「ヘアアレンジが苦手」でも“おしゃれ髪”は叶う
 おしゃれな女性を見ていると、ファッションだけでなくヘアスタイルもセンスよくアレンジしている人が多いですよね! でも、ヘ...
冷えとの戦いは夏も続く! 30代からの「つらい下痢」改善対策ガイド
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
Over30歳向け・アイシャドウの掟…パウダーとクリームのどう使い分ける
 美しいアイメイクを完成させる手順は、アイシャドウの選び方から始まります。  アイシャドウにはさまざまなテクスチャ...
年1アプデの「セルフネイルとフェイスパウダー」はご褒美ブランドで!
 ネイルリムーバーとネイルポリッシュ、フェイスパウダーを年に1回のペースで最新アイテムに買い替えています。  長年...
見るだけでもツボ!? 平成vs令和「ギャルメイク」を再現→比較してみた
 ギャルアイメイクは、ガッツリとアイラインを引き、涙袋をくっきりと目立たせたうえに、まつげも盛りまくってぱっちりとした大...
サラダチキンそのままは飽きた…ダイエッター向きレシピ&代用食材3つ
 高タンパクで低カロリーな食材としてダイエッターに人気なのが「サラダチキン」ですよね! コンビニで簡単に手に入るだけでな...
「夏老け」って嫌な響きだな…40代を悩ませる5つの原因と対策を解説
 40代になってから「夏が過ぎると、一気に老けた気がする」と感じている人はいませんか。ジリジリと紫外線が肌を焦がす夏は、...
出た、ショッカーママ!紫外線対策やりすぎは女性として何かを失うかも
 暑い夏。女性の大敵といえば「紫外線」ですよね。40代を超えたら、しっかり紫外線対策をしたいところですが、たまに街中で見...
スプーンを活用!?「夏も崩れないアイメイク」を叶えるマル秘テク5つ
 夏は特に、アイメイクがうまくいかないと悩む声が聞こえてきます。粉末のアイシャドウが肌に密着してくれずに粉飛びしてしまっ...
性交痛の記憶がちらつく…セカンドバージンは“3つの戦法”で乗り越える!
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
また黒ずんでる!夏に毛穴が目立つ理由&引き締めるために有効なケア4つ
 夏の肌悩みの代表格といえば、毛穴の目立ち。夏になると一段と毛穴が開いたり黒ずんだりするので、「なんとか毛穴を引き締めて...