芸能人の番組・CM降板…莫大な違約金報道の信ぴょう性と過剰なまでのCMキャンセルの謎に迫る

更新日:2025-07-03 17:03
投稿日:2025-07-03 17:00

 2025年の上半期が終わった。昨年末からだけでも元SMAPの中居正広氏(52)、今年に入ってからは俳優の永野芽郁(25)、田中圭(40)の2人、さらに元TOKIOの国分太一(50)と芸能人のスキャンダルが次々と発覚している。それぞれ、疑惑を一部否定したり、完全否定している場合もあれば、「コンプライアンス違反」との説明のみで本人が活動自粛したりなど対応はさまざまだ。

 そんな中、共通して話題になるものがある。番組・CM降板、そしてそれに伴う違約金だ。特に、国分の番組・CM降板に伴う損害賠償額は40億~50億円になると報じるメディアもあるほどだ。人気タレントともなると契約金が大きい代わりに問題を起こすとペナルティーもデカいのかと思いたくもなるが、そもそも、このウン十億円と言われる損害賠償額は違約金として支払うものらしい。だが、いくらなんでも少々高額すぎではないだろうか。

 第一、日本では懲罰的損害賠償は認められていないとされている。この制度は加害者に社会的制裁を加える必要があると裁判所が判断した場合に、実際の損害額を超えて認められる賠償金を課すことを指し、アメリカでは賠償額が天文学的数字になることが珍しくない。しかし、日本では損害賠償とは「相手に与えた損失を補償すること」を重視していて、基本的に加害者に制裁を加えることまで予定されていない。

 それなら数十億円とも言われる莫大な金額は、全額がタレント側が企業側に与えた損害額だけで到達する額なのだろうか。番組・CM降板に伴う違約金のシステムについて、民事訴訟に詳しい山口宏弁護士が言う。

「タレントがCMに出演する際、芸能事務所と企業側との契約書に『損害賠償額の予定』を入れておきます。これがいわゆる違約金に当たります。そして問題が起きた時、違約金はできるだけ具体的に算定されなければいけません」

■商品そのものの人気のピークが過ぎたということも考えられる

 タレントがいわゆる「不祥事」を起こした場合、CMを作り直す費用のほかに、そのタレントがCMに出ていたことによってどれだけ売り上げが下がったかを具体的に算出しなければならないという。それ加えて、山口氏によると、「売り上げが下がったといっても、その分がタレントの責任として認められるとは限りません。商品そのものの人気のピークが過ぎたということも考えられるからです」。

 となると、裁判になれば実際にタレント側に請求している「損害賠償額の予定額」が全額認められるとは限らないように思われるし、報道のように賠償額が40億~50億円になるかどうかについてもいったん立ち止まった方が良さそうにも思える。

 さらに「被害者たる企業の側にも損害の拡大防止義務があります。つまり、問題があったタレントをCMに使い続けて売り上げが下がったとしても、それは被害者、企業の側が自分の被害の拡大を防止する努力を怠ったとされます」(山口宏氏)。

 昨今、タレントの不祥事が起きた時にすぐさまCMが差し止められるケースが多い。企業側がイメージを守るためというのはもちろんだが、それ以前の問題として、「企業が被害が拡大しないように手を打っておかなければ、タレント側に損害賠償を請求しても認められない可能性がある」(山口宏氏)からという面もありそうだ。

  ◇  ◇  ◇

 情報が開示されないがゆえに悪評が独り歩きを始めている。関連記事【もっと読む】国分太一は“家庭内モラハラ夫”だった?「重大コンプラ違反」中身はっきりせず…別居情報の悲哀…では、国分太一について流布している最新の悪評について伝えている。

エンタメ 新着一覧


桂場の甘味好き、愛を語る家裁メンバー…「虎に翼」の登場人物は愛すべき人たちばかり
 最高裁大法廷では、いよいよ美位子(石橋菜津美)の事件の判決が出されようとしていた。寅子(伊藤沙莉)は早朝、よね(土居志...
桧山珠美 2024-09-25 17:10 エンタメ
期待はずれと面白かった夏ドラマを調査!『新宿野戦病院』をよそにアラフォー世代に刺さったのは…?
 2024年夏ドラマが続々と最終回を迎えています。今期も話題を振り撒いてくれた数々の作品がありましたが、みんなの率直な感...
ちちんぷいぷい返しを試みた航一は朝ドラヒロイン良き夫“ベスト5”に入る
 寅子(伊藤沙莉)の名前を知る少女の祖母・佐江子(辻沢杏子)が訪ねてきて、孫を助けてほしいと寅子にすがる。  そん...
桧山珠美 2024-09-23 17:25 エンタメ
『光る君へ』は吉高由里子、『スオミの話』には長澤まさみ…人気脚本家“お気に入り俳優”の傾向は?
 大石静氏脚本のNHK大河ドラマ『光る君へ』、クドカン節がさく裂するフジテレビ系『新宿野戦病院』など、昨今放映されている...
斎藤元彦知事は謹んで却下! イケメン知事5の存在を脅かす“大本命”は…
 わたくしたちイケメン愛好者の間で、常々イケメン知事と注目しておりましたのが、北海道の鈴木直道知事、青森県の宮下宗一郎知...
「虎に翼」大団円へ…ブレない寅子、桂場、航一の名場面をありがとう
 桂場(松山ケンイチ)に真っ向から意見した航一(岡田将生)だが、心ならずも寅子(伊藤沙莉)にまで心配をかける事態に陥って...
桧山珠美 2024-09-21 06:00 エンタメ
悪評だらけの天才、平手友梨奈が遅刻やドタキャンを繰り返す本当の理由
 2022年12月に、鳴り物入りで韓国大手事務所「HYBE」傘下の「NAECO」に移籍したものの、今年8月、2年も経たず...
堺屋大地 2025-01-03 10:01 エンタメ
【写真特集】魔性の女こと葉月里緒奈の色っぽい流し目…
【この写真の本文に戻る⇒】真田広之も“シタ夫”経験者…裏切られたサレ妻が離婚後も「また一緒にいたくなる男」にある共通点
寅子フリーズ! 美佐江くりそつな美雪登場、意味深な微笑が恐怖をあおる
 元明律大学女子部の一同が、久しぶりに寅子(伊藤沙莉)の家で顔を合わせる。涼子(桜井ユキ)は司法試験に挑戦していた。皆、...
桧山珠美 2024-09-18 16:35 エンタメ
芸人はランジャタイ伊藤から学べるか 「地雷女」を避けるたった一つの方法
 ランジャタイ・伊藤幸司(38)が未成年との不適切な関係を持ったことを暴露され、芸能活動を休止した。過去を振り返れば、伊...
帽子田 2024-09-18 10:08 エンタメ
老眼鏡かける寅子。「最後はいい方に流れていく」発言にトラツバロス一歩手前…!
 香淑(ハ・ヨンス)は、原爆被害に遭った外国人への支援を始めることを決意する。一方、寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)は...
桧山珠美 2024-09-16 14:00 エンタメ
秋元康との共通点も? 柏木由紀がすがちゃん最高No.1に惹かれた理由を考察
 9月11日、NEWSポストセブンが、元AKB48のゆきりんこと柏木由紀さん(33)と、お笑いトリオ・ぱーてぃーちゃんの...
伊藤健太郎は破局して正解! “小栗旬軍団”加入でバーター出演の機会にも恵まれる
 伊藤健太郎が帰って来ました。これは朗報です。あの不祥事からかれこれ4年。本人も充分反省しているようですし、そろそろ許し...
【写真特集】背中ぱっくりドレスを着こなす滝クリ。健康的な美脚も披露!
【この写真の本文に戻る⇒】滝川クリステルに「好きになれない」の声多数。バリキャリだけど同性ウケしないのはなぜ?
航一も明治生まれの男。娘に手を上げるのか!? と一瞬緊張が走ったシーン
 のどか(尾碕真花)の婚約者・誠也(松澤匠)が星家にやってくる。しかし、星家では航一(岡田将生)と優未(川床明日香)が優...
桧山珠美 2024-09-12 17:15 エンタメ
「東出昌大の再婚を叩いたら負け」なのか? SNS社会は彼に試されている…
 2015年1月、朝ドラ『ごちそうさん』で夫婦役を演じた杏と結婚して3人の子を授かるも、映画『寝ても覚めても』で共演して...
堺屋大地 2024-09-11 06:00 エンタメ