NHK朝ドラ「あんぱん」でおばあちゃん役 浅田美代子はいい年の取り方をしているなぁ
【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】
先日、ある情報番組に女優の浅田美代子が出演していた。その日のテーマに合わせて、高年齢層の代表的な存在として話をしていた。
実年齢が69歳というから、そういう立ち位置なのだろう。本業の女優業では現在、NHK朝ドラ「あんぱん」で今田美桜が演じる主人公の祖母役でいい味を出している。おばあちゃん役がよく似合っていて、実際のフリートークでも初老の上品な女性という雰囲気。いい年輪、年の取り方をしているなぁと思った。
僕らにとっては「赤い風船」で歌手デビューし、その曲が人気ドラマ「時間ですよ」の劇中歌として使われ、しかも幼げな役で本人も出演したことを知っているだけに、「そうか、もう69歳かあ……」とうなってしまうところもある。
浅田は中学・高校を“お嬢さま”学校として知られる東京女学館に通った。そのお嬢さんイメージのまま、時にはちょっと天然キャラをまじえて年を重ねてきたように思える。
僕がよく覚えているのは、正月のハワイ取材を10年以上続けていた頃のことだ。当時のホノルル空港に張り込んで到着する芸能人を取材するのだが、ある朝、浅田が取材に応じてくれた。すでに女優業を中心に活動中で、お母さんを連れてハワイで休日を過ごすと話してくれた。
その日の夕方、ワイキキのハレクラニホテルの入り口で別の取材の準備をしていると、浅田が近づいてきて「今朝、取材してくれましたよね。ありがとうございました」とわざわざ声をかけてくれた。
何をしているのかと尋ねられたので、「野村克也監督夫人の野村沙知代さんの密着取材の一環でリムジンに乗ってやってくるシーンの撮影ですよ」と伝えると、「え! 邪魔にならないところで見ていいですか」と目を輝かせてきた。
僕は「浅田さんの方が芸能界では先輩ですよ」と言ったのだが、当時、バラエティー番組で大人気だったサッチーを「だって生で見たことないもの」と大真面目で返してきた。そして車を降りるサッチーを撮影した後に浅田の方を見ると、「見ましたぁ」と笑って喜んでくれた。
そんな素直さがまったく変わらないまま、“おばあちゃん”になった浅田。こう言っては失礼かもしれないが、長い女優人生は成功していると言えそう。そんな年の取り方を見習いたいものだ。 (金曜掲載)
先日、ある情報番組に女優の浅田美代子が出演していた。その日のテーマに合わせて、高年齢層の代表的な存在として話をしていた。
実年齢が69歳というから、そういう立ち位置なのだろう。本業の女優業では現在、NHK朝ドラ「あんぱん」で今田美桜が演じる主人公の祖母役でいい味を出している。おばあちゃん役がよく似合っていて、実際のフリートークでも初老の上品な女性という雰囲気。いい年輪、年の取り方をしているなぁと思った。
僕らにとっては「赤い風船」で歌手デビューし、その曲が人気ドラマ「時間ですよ」の劇中歌として使われ、しかも幼げな役で本人も出演したことを知っているだけに、「そうか、もう69歳かあ……」とうなってしまうところもある。
浅田は中学・高校を“お嬢さま”学校として知られる東京女学館に通った。そのお嬢さんイメージのまま、時にはちょっと天然キャラをまじえて年を重ねてきたように思える。
僕がよく覚えているのは、正月のハワイ取材を10年以上続けていた頃のことだ。当時のホノルル空港に張り込んで到着する芸能人を取材するのだが、ある朝、浅田が取材に応じてくれた。すでに女優業を中心に活動中で、お母さんを連れてハワイで休日を過ごすと話してくれた。
その日の夕方、ワイキキのハレクラニホテルの入り口で別の取材の準備をしていると、浅田が近づいてきて「今朝、取材してくれましたよね。ありがとうございました」とわざわざ声をかけてくれた。
何をしているのかと尋ねられたので、「野村克也監督夫人の野村沙知代さんの密着取材の一環でリムジンに乗ってやってくるシーンの撮影ですよ」と伝えると、「え! 邪魔にならないところで見ていいですか」と目を輝かせてきた。
僕は「浅田さんの方が芸能界では先輩ですよ」と言ったのだが、当時、バラエティー番組で大人気だったサッチーを「だって生で見たことないもの」と大真面目で返してきた。そして車を降りるサッチーを撮影した後に浅田の方を見ると、「見ましたぁ」と笑って喜んでくれた。
そんな素直さがまったく変わらないまま、“おばあちゃん”になった浅田。こう言っては失礼かもしれないが、長い女優人生は成功していると言えそう。そんな年の取り方を見習いたいものだ。
(城下尊之/芸能ジャーナリスト)
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