月経不調はストレスで悪化する? “脳疲労”と生理痛を軽くするセルフケア【専門医監修】

横倉恒雄 婦人科・心療内科医
更新日:2025-09-30 08:00
投稿日:2025-09-30 08:00

2. 冷え・血行不良対策

「お腹が出ているファッションや下着、きついガードル・ジーンズ等はなるべく避けましょう。

 また、日頃からお風呂での半身浴を習慣にすると、骨盤内の血流がよくなり、月経不調・痛みの原因となるホルモン代謝を促進してくれるので、症状軽減の効果が期待できます。

 40℃くらいお湯に、汗がジワッとにじむ程度まで浸かることがコツ。体を芯から温めることができます。ただし、過多月経や子宮筋腫の場合は、血流が促進されることで出血が増えることもありますので注意しましょう。

 座りっぱなしの仕事をしている女性は、下記のような骨盤まわりを動かす軽い運動を習慣にすると効果的です。

簡単エクササイズ A 【“骨盤を前後に”動かす】

1. 椅子に浅めに腰かけ、両足を床につける(背もたれに寄りかからない)
2. 背筋を伸ばし、頭を動かさないように意識しながらお腹をへこませて、骨盤を後傾(腰を丸めるイメージ)
3. 次に、背筋を伸ばしたまま、骨盤を前傾(腰を軽く反らす)

 2と3をゆっくりと繰り返す。1日10~20回を目安に。

【効果】骨盤の柔軟性を取り戻し、血流・冷え改善に。猫背・腰痛改善にも。

簡単エクササイズ B 【“腸腰筋(太ももの付け根)を刺激“する】

1. 椅子に浅めに腰かけ、両足を床につける(背もたれに寄りかからない)
2. 右足の膝を曲げたまま、斜め外側に向かってぐるっと半円を描くように回し、元に戻す
3. 左足も、同様にまわして、元に戻す

 左右10回ずつを目安に回す。

【効果】股関節のつまりを予防、血流・冷え改善。下腹ぽっこり改善にも。

 どちらも、座ったままできる簡単な運動ですので、デスクワークの合間やリビング等でぜひ習慣にしてみてください。

 不調がない時はエレベータやエスカレーターを使わず、できるだけ階段を使うようにするといいですよ」(横倉先生)

セルフケアで快適に!

 月経まわりの不調は、日常生活の中で“五感を意識する習慣”をつけることでストレスケアをしたり、日頃から“冷えや血流を良くするケア”を取り入れると、痛みなどをやわらげる助けになります。

「いつものことだから」とガマンしたり薬を飲んだりするだけでなく、簡単にできるセルフケアを取り入れながら、少しでも快適に過ごしていきたいですね。

(取材・文 入江由記)

横倉恒雄
記事一覧
婦人科・心療内科医
医学博士。横倉クリニック(東京.田町)院長。慶應義塾大学医学部産婦人科入局。東京都済生会中央病院産婦人科に勤務、同病院にて日本初の「健康外来」を創設。病名がない不調を抱える患者さんにも常に寄り添った診察を心がけている。クリニックで行っている講座も好評。著書に『脳疲労に克つ』『心と体が軽くなる本物のダイエット』『今朝の院長の独り言』他がある。

ライフスタイル 新着一覧


40女スーパー銭湯でととのえず、ぴーちくぱーちくな先客にモヤった話
 スーパー銭湯が好きです。週末のランニングがてら、あちこちの施設に出向いております。広い湯船にざっばーん! からの~、サ...
まるで御神体のよう! 美しく雄々しい“たまたま”に幸せを祈ります…
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
どれくらい実践してますか? 家でできる環境にいいこと「7つの習慣」
 子供たちに限りある資源を残すためには、私たちの日々の努力が欠かせません。今回は、みんなが普段心がけている環境にいいこと...
胡蝶蘭はお祝い専用? 寺の住職から聞いた「お悔やみ花」としての需要
「つかぬことをお伺いしますが……」  猫店長「さぶ」率いる愛すべき我が花屋には、お客様から毎日のように“ちょっと困...
台無しなんですけど!家族旅行なのに「夫のイライラ言動」と4つの予防策
 世の女性の中には、せっかくの家族旅行中、「夫のイライラする言動」によって、楽しい雰囲気が台無しになってしまうケースも…...
“頑張り屋のメンヘラ”が「セルフラブ」という人生の処方箋を知りました
「セルフラブ」という考え方は、確実に私の人生に大きな影響を及ぼしています。  セルフラブについて学び始めた時「世界...
【にわか呑み鉄】電車とビール好きにたまらない「流鉄BEER電車」に参戦
 さる9月2日(土)、千葉県流山市で「電車好き」と「ビール好き」垂涎の1日限りのイベントが開催されました。  通常は入...
かつて入り浸った店も 横丁の思い出も時代と共に変わってゆく
 昼間の細い路地を軽装の観光客が闊歩する。  誰かにとってはノスタルジーでも、また違う誰かにとっては新鮮に映るんだ...
にゃんたま写真の成立には“たまたま”への愛のピントがマスト
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「才色兼備」は女性だけに使われる不適切表現?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ずーっといい子ちゃんとか無理!「笑える悪口LINE」で上手に息抜きを
 友達や同僚から人の悪口を聞かされたらあまり良い気分にならないでしょう。でもそれがユニークな悪口だとしたら、思わずクスッ...
ほっこり読み切り漫画/第57回「隣りの芝生はオーノー」
【連載第57回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 生きものたち、...
これって良心ですか、マウントですか?「おまいう」説教LINE3選
 説教をされて、いい気分になる人はあまりいませんよね。でも、いつもどこか偉そうで、何かと説教をしてくる人はいるもの。 ...
相棒のぬいぐるみは無理! 大人になっても捨てられないもの6選と対処法
 物や情報に溢れた現代では、断捨離やミニマリストに憧れる人が多いですよね! でも、大人になってもどうしても捨てられないも...
40代で振り返ると納得!いろいろあった人生の転機、思い出してみない?
 人生の転機とは、その時には気がつかず、後になってから「転機だった」と気がつくもの。特に40代を過ぎると、人生の前半を振...
今年はお日様が大きく見える そろそろ落ち着いてくれるかな
 この数年で男性の日傘がすっかり定着したのも納得の暑さ。  日陰に逃げても、どこまでも太陽に追いかけられている気が...