郷ひろみは日大桜丘高校野球部でプロを目指すも堀越高校へ転校、ジャニー喜多川氏の手製弁当が…

更新日:2025-10-24 15:08
投稿日:2025-10-24 15:05

【続・あの有名人の意外な学歴 】#10

 郷ひろみ(歌手)

  ◇  ◇  ◇

「今なお、まぎれもないスターだが、あの騒動がなければ、もっと大きな存在になっていた」

 民放で歌番組を担当していた元ディレクターがこう語るのは今月18日に70歳の誕生日を迎えた郷ひろみについて。騒動とは旧ジャニーズ事務所からの独立である。1975年4月、現在も所属するバーニングプロダクションに移籍した。70年代からジャニーズを取材してきたベテラン記者によると「ジャニー喜多川社長の寵愛が過剰になり、郷が耐えられなくなった」のが原因だという。

「当時はまだジャニーズ事務所の規模は小さく、テレビ界への影響は限定的だった。その後、事務所が巨大化していくにつれ、ジャニーズ所属のタレントが出演している時に郷を使いづらくなっていった。それで彼はずいぶん損をしているんです」(元ディレクター)

 福岡県生まれの郷が東京に出てきたのは4歳の時。国鉄(現JR)職員の父が転勤したからだ。一家は品川区の国鉄の社宅で暮らし始めた。小学校と中学は地元の公立に通った。芸能界入りのきっかけは日大桜丘高校への入学が決まったばかりの時だった。知り合いが勝手に映画「潮騒」(71年9月公開)のオーディションに応募。郷は選ばれなかったが、会場に来ていたジャニー氏からスカウトされたのである。

 芸能界にまったく興味がなかった郷は高校に通いだすとすぐに野球部に入部。プロ野球選手になるのが夢だった。だが、外堀がどんどん埋められていく。すっかり郷に惚れ込んだジャニー氏はNHKから大河ドラマの仕事を取ってきてしまうのである。俳優は未経験でズブの素人ながら、平清盛の弟という大役だった。「これから忙しくなるから」と高1の2学期から堀越高校芸能コース(現トレイトコース)に転校させられた。

「堀越とジャニーズの関係はフォーリーブス(北公次を除く3人)を受け入れてから。彼らのマネジャー役を務めていたメリー喜多川さんから要請されたと聞いている。その後、芸能コースがつくられるんです」(同校の元教師)

 ジャニー氏は堀越に通う郷のためにかいがいしく弁当を作ったという。こうした愛情が郷には徐々に負担になっていく。だが、事務所を飛び出した理由はそれだけではないとベテラン記者。

「郷は大学進学志向が強かった。一方、当時のジャニーさんは大学に行く必要はないという考え。このままではジャニーさんのロボットにさせられてしまうと不満が募っていったのだろう」

 4年かけて75年7月に堀越を卒業。翌年、青山学院大法学部を受験したが不合格だった。そこからさらに1浪して日大法学部に合格した。「ジャニーズ事務所が次のスターを生み出せていない時期で、バッティングすることもなかったので、気兼ねなく郷を使えた」と前出の元ディレクターは振り返る。郷はほとんど大学に通えず、入学から1年もたたないうちに中退を余儀なくされている。
(田中幾太郎/ジャーナリスト)

エンタメ 新着一覧


旧ジャニ会見から1年半、STARTO社の再興成否…CD売上と人権意識から考察、ファンは一体何を望む?
 2023年9月および10月、旧ジャニーズ事務所は創業者問題で2度記者会見を開いた。その後、同社所属タレントのテレビ・C...
こじらぶ 2025-04-12 06:00 エンタメ
「あんぱん」阿部サダヲの配合絶妙な演技。高知つながりで“しょくぱんまん”登場!
 元気のない家族のために力を貸してほしいというのぶ(永瀬ゆずな)の頼みに、草吉(阿部サダヲ)は1回きりの約束であんぱんを...
桧山珠美 2025-04-09 17:20 エンタメ
『あんぱん』RADWIMPSの主題歌は本当に「合っていない」のか? 正統派・朝ドラOPの真逆を貫いた意味
 2025年3月31日より、NHK連続テレビ小説『あんぱん』の放送が開始された。国民的キャラクター「アンパンマン」生みの...
「R-1」さや香・新山や吉住らベテラン勢はなぜ負けた? 売れっ子は予選で有利、決勝で不利な理由
 最もおもしろいピン芸人を決める「R-1グランプリ2025」(フジテレビ系)が3月8日に開催された。決勝常連組やベテラン...
帽子田 2025-04-09 09:48 エンタメ
ヤムおんちゃん草吉はあんぱん代をきっちり集金。ジャムおじさんとは違う“先導”に期待膨らむ
 草吉(阿部サダヲ)のあんぱんを食べて、生きる力をもらった朝田家。羽多子(江口のりこ)は内職の仕事を始め、釜次(吉田鋼太...
桧山珠美 2025-04-07 17:20 エンタメ
「あんぱん」ウラの見所~初週からブチかまし!細部に神経が行き届いた作品だと印象付けた中園脚本
 結太郎(加瀬亮)があの世に旅立ち、悲しみに暮れる朝田家。しかし、のぶ(永瀬ゆずな)は一粒の涙も流さなかった。そんなのぶ...
桧山珠美 2025-04-05 06:00 エンタメ
“百戦錬磨”香川照之ゆえの提案「全6話、スイッチを仕込んでいます」【主演ドラマ『災』インタビュー】
「連続ドラマW 災」(WOWOW、6日22時スタート)は、湿り気を帯びた陰鬱な雰囲気とぞわりとする劇伴が感情を揺さぶる不...
朝ドラ「あんぱん」の描写に25年前の“名台詞”が…CA役だった松嶋菜々子の変わらぬ美貌はさすが過ぎる
 ある日、のぶ(永瀬ゆずな)は千尋(平山正剛)とシーソーに乗る嵩(木村優来)を見かけるが、千尋が軽くて動かない。そこでの...
桧山珠美 2025-04-02 17:20 エンタメ
「あんぱん」ヒロインの着物がオレンジ色の納得。ドキンちゃんのモデルゆえの演出
 昭和初期、家族の愛情をたっぷり受けて育った少女が高知の町中を勢いよく駆けていく。「ハチキンおのぶ」こと朝田のぶ(永瀬ゆ...
桧山珠美 2025-03-31 17:20 エンタメ
朝ドラ「あんぱん」男性俳優陣がめちゃ豪華! 赤楚衛二路線で大ブレーク必須な最注目の若手は?
 31日(月)から新しい朝ドラが始まります。その名も連続テレビ小説「あんぱん」。あの「アンパンマン」の作者やなせたかしと...
【おむすびにモヤっと】伏線をまき散らして放送終了、そしてモヤモヤが残った。結はとんでもなくヤベ~やつ?
 歩(仲里依紗)から詩(大島美優)を引き取ろうとするのは甘かったかもしれないと聞いた結(橋本環奈)は、仮定の話を気にして...
桧山珠美 2025-03-29 06:00 エンタメ
【写真特集】倖田來未の美し過ぎるバスト♡ギリギリショット5連発
【この写真の本文に戻る⇒】40代の倖田來未が《全盛期と変わってない》と話題に…20年前と同系ファッションでも、なぜ痛くな...
2025年「冬ドラマ」を調査! 独走状態の『ホットスポット』、疲れた大人世代に『御上先生』は難しかったか
 2025年1月よりスタートした冬ドラマ。惜しまれつつ最終回を迎えたドラマがあった一方で、期待されていたものの視聴率が振...
【おむすびにモヤっと】一瞬の表情で孤独をにじませる歩。最後の最後でヒロイン逆転!?
 結(橋本環奈)は大腸がんで入院している患者・丸尾(細川岳)を担当し、食欲不振の対応に苦慮する。  一方、歩(仲里...
桧山珠美 2025-03-26 17:20 エンタメ
【おむすびにモヤっと】最終週は最後の顔見世? 糸島移住“言い出しっぺ”の愛子さん台詞を深読みすると…
 福岡・糸島に移住することが決まった聖人(北村有起哉)と愛子(麻生久美子)。ヘアサロンヨネダを翔也(佐野勇斗)が継ぐこと...
桧山珠美 2025-03-24 17:20 エンタメ