元TOKIO国分太一の「人権救済申し入れ」に見る日本テレビの“身勝手対応”

更新日:2025-10-27 17:03
投稿日:2025-10-27 17:00

 元TOKIOの国分太一(51)が、「コンプライアンス上の問題行為」を理由に「ザ!鉄腕!DASH!!」を降板させた日本テレビに瑕疵があったとして、23日、代理人弁護士を通じて日弁連に人権救済を申し立てた。

 日本テレビは6月20日、国分にコンプライアンス上の問題行為が複数あったとして福田博之社長が会見、同番組の降板を発表した。そして25日にはTOKIOが解散し、国分は他のレギュラー番組や広告からも全て降板、広告解除による違約金は相当な額で、業界追放状態になっている。

 日本テレビは国分の申し立てに関して自局の各番組で報じたが、「具体的な実態が僅かでも世間に知られれば……まさに深刻な人権侵害を招くことが想定される」として詳細は明かしておらず、「国分氏へのヒアリングを行って本人の認否、事実関係が確認できたことを受けてなされており、全くの事実誤認です。弊社の手続きの適正性に疑義を生じさせる誤った記述であり、抗議いたします」と反論。

 当初から”ハラスメントだとしても刑事事件に相当する問題ではない”とは発表しているものの、詳細を明かさず、謝罪に応じず、国分が前に進めないというのも公平性に欠けるのではないか。同志社女子大学教授(メディア論)の影山貴彦氏がこう言う。

「今まで日本テレビ側の一方的な言い分がそのまま報じられてきただけに、ようやく双方の意見が議題にのぼったといえるでしょう。確かに国分さんに非はあるとはいえ、『プライバシーの保護』を隠れみのに言及しないというのは健全なのか、このままダンマリを決め込むようなことがあれば尻すぼみになってしまうと思います。日本テレビも全て情報開示拒否、反発ではなく、情報を伝えるプロとして、プライバシーに配慮したうえで何らかの情報の開示をするべき。そのうえで国分さんも会見などを開き、自分で語ることができれば納得のいく着地点が模索できるのでは」

 日本テレビは、「月曜から夜ふかし」での“やらせ問題”についてマツコ・デラックス(53)と村上信五(43)が謝罪したシーンをカットしてTver配信して炎上。また「セクシー田中さん」原作者の件も未解決で、ネット上では「全部国分太一のせいにして、日テレの番組なのに虫がよすぎないか」「一企業のコンプラ違反認定で業界追放って、それこそパワハラ」という声もあがり、視聴者たちは日本テレビに対して不信感を抱きつつある。

「申し入れの件を公平に報じても、一方で消化不良な対応では、これまでの対応が収束を急いだように見えてしまう。国分さんの件がこのまま終わりを迎えることになれば、日本社会にとって良き前例とはならないと考えます」(影山氏)

 国分だけでなく、日本テレビの企業としての対応が問われている。

  ◇  ◇  ◇

 ネット検索では「国分いったい何をした?」が今だ検索上位に。関連記事【もっと読む】国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇…なども合わせて読みたい。

エンタメ 新着一覧


旧ジャニ会見から1年半、STARTO社の再興成否…CD売上と人権意識から考察、ファンは一体何を望む?
 2023年9月および10月、旧ジャニーズ事務所は創業者問題で2度記者会見を開いた。その後、同社所属タレントのテレビ・C...
こじらぶ 2025-04-12 06:00 エンタメ
「あんぱん」阿部サダヲの配合絶妙な演技。高知つながりで“しょくぱんまん”登場!
 元気のない家族のために力を貸してほしいというのぶ(永瀬ゆずな)の頼みに、草吉(阿部サダヲ)は1回きりの約束であんぱんを...
桧山珠美 2025-04-09 17:20 エンタメ
『あんぱん』RADWIMPSの主題歌は本当に「合っていない」のか? 正統派・朝ドラOPの真逆を貫いた意味
 2025年3月31日より、NHK連続テレビ小説『あんぱん』の放送が開始された。国民的キャラクター「アンパンマン」生みの...
「R-1」さや香・新山や吉住らベテラン勢はなぜ負けた? 売れっ子は予選で有利、決勝で不利な理由
 最もおもしろいピン芸人を決める「R-1グランプリ2025」(フジテレビ系)が3月8日に開催された。決勝常連組やベテラン...
帽子田 2025-04-09 09:48 エンタメ
ヤムおんちゃん草吉はあんぱん代をきっちり集金。ジャムおじさんとは違う“先導”に期待膨らむ
 草吉(阿部サダヲ)のあんぱんを食べて、生きる力をもらった朝田家。羽多子(江口のりこ)は内職の仕事を始め、釜次(吉田鋼太...
桧山珠美 2025-04-07 17:20 エンタメ
「あんぱん」ウラの見所~初週からブチかまし!細部に神経が行き届いた作品だと印象付けた中園脚本
 結太郎(加瀬亮)があの世に旅立ち、悲しみに暮れる朝田家。しかし、のぶ(永瀬ゆずな)は一粒の涙も流さなかった。そんなのぶ...
桧山珠美 2025-04-05 06:00 エンタメ
“百戦錬磨”香川照之ゆえの提案「全6話、スイッチを仕込んでいます」【主演ドラマ『災』インタビュー】
「連続ドラマW 災」(WOWOW、6日22時スタート)は、湿り気を帯びた陰鬱な雰囲気とぞわりとする劇伴が感情を揺さぶる不...
朝ドラ「あんぱん」の描写に25年前の“名台詞”が…CA役だった松嶋菜々子の変わらぬ美貌はさすが過ぎる
 ある日、のぶ(永瀬ゆずな)は千尋(平山正剛)とシーソーに乗る嵩(木村優来)を見かけるが、千尋が軽くて動かない。そこでの...
桧山珠美 2025-04-02 17:20 エンタメ
「あんぱん」ヒロインの着物がオレンジ色の納得。ドキンちゃんのモデルゆえの演出
 昭和初期、家族の愛情をたっぷり受けて育った少女が高知の町中を勢いよく駆けていく。「ハチキンおのぶ」こと朝田のぶ(永瀬ゆ...
桧山珠美 2025-03-31 17:20 エンタメ
朝ドラ「あんぱん」男性俳優陣がめちゃ豪華! 赤楚衛二路線で大ブレーク必須な最注目の若手は?
 31日(月)から新しい朝ドラが始まります。その名も連続テレビ小説「あんぱん」。あの「アンパンマン」の作者やなせたかしと...
【おむすびにモヤっと】伏線をまき散らして放送終了、そしてモヤモヤが残った。結はとんでもなくヤベ~やつ?
 歩(仲里依紗)から詩(大島美優)を引き取ろうとするのは甘かったかもしれないと聞いた結(橋本環奈)は、仮定の話を気にして...
桧山珠美 2025-03-29 06:00 エンタメ
【写真特集】倖田來未の美し過ぎるバスト♡ギリギリショット5連発
【この写真の本文に戻る⇒】40代の倖田來未が《全盛期と変わってない》と話題に…20年前と同系ファッションでも、なぜ痛くな...
2025年「冬ドラマ」を調査! 独走状態の『ホットスポット』、疲れた大人世代に『御上先生』は難しかったか
 2025年1月よりスタートした冬ドラマ。惜しまれつつ最終回を迎えたドラマがあった一方で、期待されていたものの視聴率が振...
【おむすびにモヤっと】一瞬の表情で孤独をにじませる歩。最後の最後でヒロイン逆転!?
 結(橋本環奈)は大腸がんで入院している患者・丸尾(細川岳)を担当し、食欲不振の対応に苦慮する。  一方、歩(仲里...
桧山珠美 2025-03-26 17:20 エンタメ
【おむすびにモヤっと】最終週は最後の顔見世? 糸島移住“言い出しっぺ”の愛子さん台詞を深読みすると…
 福岡・糸島に移住することが決まった聖人(北村有起哉)と愛子(麻生久美子)。ヘアサロンヨネダを翔也(佐野勇斗)が継ぐこと...
桧山珠美 2025-03-24 17:20 エンタメ