「国宝」大ヒットの裏で映画界の惨状…テレビが製作にかかわるデメリット

更新日:2025-11-01 17:03
投稿日:2025-11-01 17:00

【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】

 先日、映画や配信ドラマなどを製作するプロデューサーとゆっくり話をする機会があった。

 その際、「国宝」は例外として、最近は全体的に話題になったり、大きな売り上げになる映画が「非常に少なくなっている」現状について聞いてみた。すると、“ボヤキ”とも言えそうな言葉がプロデューサーの口から次々と出てきた。

 一番問題になるのは製作費だそうだ。10年、20年前の半分くらいの予算になってしまったという。例えば、映画「あぶない刑事」クラスを製作すると、以前なら費用は最低3億円が必要だと聞いていたが、現在はその半分の1億5000万円でもかなり立派な作品予算なんだとか。そのプロデューサーが作ることのある小さな作品の場合は、2000万から3000万円だそうだ。

 当然、ギャラの高いベテランや大物の俳優を使うのは難しい。いきおい、最近売れ始めたばかりの若手俳優を中心に据え、ギャラの総額を抑える。ひと昔前には敵役、脇役にも大物、例えば里見浩太朗や松方弘樹が登場してくることもあって作品に深みが出てきたものだが、そんなぜいたくができるケースは減ってしまっている。出演者を豪華にできるのは、ヒットが見込め、テレビ局が映画の「製作委員会」に入って後になってテレビ放映で回収できるもの。

 ところが、テレビで放送するとなると、今度は制約が多過ぎるという別の問題が出てくる。現在のテレビドラマではヌードどころか、セミヌードシーンを出すことすらかなりのハードルになる。大昔のホームドラマ「時間ですよ」は森光子さん主演で人気だったが、銭湯が舞台だから毎週のように女湯のシーンがあって、女性客がバストトップを出してバックに映っているのが当たり前だった。

 飲み屋で藤竜也がたばこを吸いながら酒を飲んでいるのも当たり前。しかし今は、刑事ドラマの追跡シーンもちゃんとシートベルトを装着してからスタートさせる状況だ。プロデューサーは「そんなの、おかしいでしょ。いっそ、そんなシーンはなしにすべきだ」と憤っていた。

 一方、これと関係のない映画や配信はお金を出して納得して見てくれるお客さん相手だから、ある程度は緩いという。それでも昨今は、コンプライアンスに気をつけなければならず、暴力シーンは必要ギリギリにするそうだ。なにしろ、「女優がお尻をフリフリするシーンひとつでR-18指定されたこともある」とか。昨今は、テレビ局がバックアップする作品が多い。これではおもしろいモノを作る自由度がない。

(城下尊之/芸能ジャーナリスト)

エンタメ 新着一覧


「ライバーの裏側」怖っ!壮絶な足の引っ張り合いになる瞬間
 毎度! お世話になります。ライブ配信アプリの光と闇を見続けている「龍野ヲトシ」です。  ライブ配信の主役はライバ...
真の国宝級イケメン 吉沢亮の新1万円札がお財布にあったら…
 昨今、あちこちで国宝級イケメンなる者が出回っていますが、そのほとんどはまがいものといっていいでしょう。真の国宝級イケメ...
#ちむどんどん反省会は狙い通り?NHK朝ドラが反社の描写って
 NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」が連日のように炎上している。沖縄が本土復帰50年を迎えるタイミングで制作された本作...
2022-08-05 06:00 エンタメ
推しを育てるには“投げ銭”が不可欠! トラブル回避のコツは
 毎度! お世話になります。ライブ配信アプリの光と闇を見続けている「龍野ヲトシ」です。  ライブ配信の仕事に携わっ...
「バチェロレッテ」S2を振り返り!アラフォーのメンタル崩壊
 Amazon Prime Videoで配信中の『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン2が先日ついに最終回を迎えました。が...
竹内涼真“反省いがぐり頭”とホクロで魅せる「六本木クラス」
 イケメンというのは何をやっても絵になるものですね。「六本木クラス」(テレビ朝日系)の宮部新役の竹内涼真(29)を見てつ...
小倉優子はバツ2 家庭的で可愛いけど“男運がない”女性の特徴
 タレントの小倉優子(38)が27日、自身のSNSで離婚したことを報告した。今回の離婚理由や親権、養育費については触れて...
木村拓哉“超問題発言”でファンが詮索合戦…何が問題だった?
 木村拓哉(49)が、今月21日に放送された音楽バラエティー番組「LOVE LOVE あいしてる 最終回・吉田拓郎卒業S...
こじらぶ 2022-07-29 11:25 エンタメ
消えるライバーの勘違い…ライブ配信は芸を見せる場にあらず
 毎度! お世話になります。ライブ配信アプリの光と闇を見続けている「龍野ヲトシ」です。  僕がライブ配信に関わり始...
中島裕翔が“禁ドロ”「純愛ディソナンス」で子犬系むき出し!
「教師と生徒 禁断の恋愛ドラマ」といえば、真田広之×桜井幸子の「高校教師」(1993年・TBS系)、松嶋菜々子×滝沢秀明...
羽生は別格でも…フィギュア選手が“一発屋”で終わらないワケ
 フィギュアスケート男子の羽生結弦(27)が今月19日、記者会見しプロ転向を表明した。 「自分が理想としているフィ...
2022-07-22 06:00 エンタメ
“投げ銭”だけで生活したい!勝ち組ライバーが実践してるコト
 毎度! お世話になります。ライブ配信アプリの光と闇を見続けている「龍野ヲトシ」です。  僕がライブ配信に関わり始...
「石子と羽男」中村倫也の“超バブリー衣装”っておいくら?
 TBSドラマの“顔”といえば、日曜劇場。今クールの「オールドルーキー」は作品の内容とは別のトピックスでも注目される一本...
「ちむどんどん」四角関係に終止符? あーモヤモヤする!
「ちむどんどん」というのは、「ワクワクする」とか「ドキドキする」という意味だと聞いております。ところが、その素敵なタイト...
“東谷先生”のガーシーchがBAN!綾野剛ら暴露に謝罪の可能性
 先般の参院選で比例区からNHK党で立候補し、約28万票を獲得、初当選したガーシーこと東谷義和氏(50)が13日、インス...
「色恋&枕営業」の闇!一部ライバーの暴走はぶっちゃけ迷惑
 毎度!お世話になります。ライブ配信アプリの光と闇を見続けている「龍野ヲトシ」です。ライバーって楽して稼げる仕事って思わ...