街頭インタビュー改ざんは「月曜から夜ふかし」だけか? 欲しいコメント取れず現場は四苦八苦

更新日:2025-11-02 17:03
投稿日:2025-11-02 17:00

 日本テレビ系バラエティー番組「月曜から夜ふかし」は、街頭インタビューでのやりとりを捏造したとして、放送倫理・番組向上機構(BPO)から放送倫理違反を指摘されたが、街頭取材のデッチ上げは「夜ふかし」だけなのか。

 自炊で食べることの多い料理を聞かれた中国出身の女性が、鍋料理と答えたのを、「夜ふかし」のチーフディレクターは「これではオチが弱い」と、中国ではカラスをつかまえて煮込んで食べると改ざんしていた。しかし、テレビ業界ではこんなことは日常茶飯事だという。

「このケースでは、インタビューされた人が日本在住だったので、番組を見て発覚しましたが、インバウンド客はインタビューされても番組を見ることはないから、どう編集してもクレームは来ません。また、字幕でなく日本語の吹き替えをかぶせてしまうので、本当にそう話しているのかも確認できない。外国人インタビューは捏造も改ざんも何でもありです」(情報バラエティー制作会社AD)

 いや、日本人相手の街頭インタビューだって怪しいものだ。そもそも、街で突然カメラを向けられて、的確なコメントを数分で話せる素人なんていない。拒否されることも多く、TBSアナの安住紳一郎の若いころの経験では、20~50人に声をかけて、答えてくれるのは1人だったという。

 ようやく何人か収録できても、さらに編集・加工して、使えるのは10人に1人いるかどうかだろう。歩留まりをよくするため、スタッフは話してほしいエピソードを誘導質問したり、テイク2を撮り直したりと仕込む。最近多いのはイラストで顔を隠した映像で、はたしてその人がしゃべっているのかどうかもわからなくなっている。

「サラリーマンの街録というと、東京・新橋駅前のSL広場が定番ですが、場所柄、一流企業勤めや中央官庁の官僚が多い。決して一般的なサラリーマンの平均的な声とはいえません。それでも、『世のサラリーマンたちは』なんてナレーションで流される。これって虚構でしょ。本当に街頭インタビューで街の声を放送しようとしたら、生中継で行き当たりばったりで聞くしかありません」(前出のAD)

 SL広場のほかにも、若者に話を聞くなら渋谷スクランブル交差点、働く女性なら丸の内、買い物客なら戸越銀座商店街などが街録定番スポットなのだそうだ。

(コラムニスト・海原かみな)

エンタメ 新着一覧


夕飯のカレーで描いた星家の“遠慮のない家族”への変化。入山法子の名場面を振り返り
 昭和37年1月、「原爆裁判」の原告のひとり、吉田ミキ(入山法子)が法廷に立つことを承諾。広島から上京してきたミキを、原...
桧山珠美 2024-09-05 17:30 エンタメ
虎に翼の脚本は朝ドラ特有の“中だるみ”なし!塚地出演「あさイチ」との連携プレイにも救われた
 昭和34年、優未(毎田暖乃)は高校1年生に。直明(三山凌輝)と玲美(菊池和澄)の間に子供が産まれ、猪爪家はますますにぎ...
桧山珠美 2024-09-02 17:30 エンタメ
東出昌大“狩猟系イケメン”面目躍如。通り過ぎていった女性たちは何を思う
 期待に応える男、東出昌大(36)がまたまたやってくれました。今度は“デキ婚”ですって。いつかやってくれるだろうとは思っ...
第110回感動のラストシーン! 余貴美子演じる百合さんの“ある台詞”がとっても可愛かった
 寅子(伊藤沙莉)たちとの同居がつらいと本心を語り、家を出ようとするのどか(尾碕真花)。そんな彼女に、優未(毎田暖乃)は...
桧山珠美 2024-08-31 06:00 エンタメ
【写真特集】10年前の初々しい東出昌大。オールバック、ナチュラル、横流し…髪型3変化
【この写真の本文に戻る⇒】杏との離婚から4年、東出昌大“デキ再婚”で話題の養育費問題。子のために前妻が即やるべき事【弁護...
虎に翼108回目でお見事だった2つのシーン。世の中の“普通人”の理不尽な思いを代弁させた
 稲垣(松川尚瑠輝)と小橋(名村辰)にも手伝ってもらい、裁判所で中学生向けの法律の勉強会を開いた寅子(伊藤沙莉)。だが話...
桧山珠美 2024-08-28 17:15 エンタメ
松本人志はいまや「憧れの芸人」ではない。若手芸人が話す3つの理由
「生きるお笑い界の伝説」ことダウンタウン松本。還暦を迎えた今も大人気の冠番組を複数抱え、お笑い界で最も大きな発言権を誇る...
帽子田 2024-08-28 09:38 エンタメ
なんて賢い子!“星家イチのオトナ”が優未だった件。27日あさイチに“料理男子”井上祐貴が降臨
 寅子(伊藤沙莉)と優未(毎田暖乃)は星家で暮らし始めるが、航一(岡田将生)の長男・朋一(井上祐貴)、長女・のどか(尾碕...
桧山珠美 2024-08-26 17:35 エンタメ
木戸大聖が世間に見つかってしまった!月9「海のはじまり」スピンオフでファン急増中
 めめ(目黒蓮)の体調不良が心配でなりません。現在、フジテレビ系月9「海のはじまり」に主演していますが、Snow Man...
平手友梨奈がHYBEと契約終了、2度目の退所で訪れる転機。神童が“本物”に返り咲く日
 平手友梨奈(23)が今月8日、韓国の大手芸能事務所「HYBE」日本本社のレーベル「NAECO」との専属契約を終了した。...
こじらぶ 2024-08-24 06:00 エンタメ
寅子の「心が躍るような」結婚式。放送残り1カ月ちょっと、NHKにスピンオフで描いてほしいこと
 お互いそれぞれの名字を名乗ったうえで、「夫婦のようなもの」になることを決めた寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)。猪爪家...
桧山珠美 2024-08-24 06:00 エンタメ
なぜ田中みな実は「いらん一言」を放つのか。女優ヅラ発言の真意を考察
 放送中のドラマ『ギークス〜警察署の変人たち〜』(フジテレビ系)にて、3人の主要キャラのうちの1人に抜擢されている田中み...
堺屋大地 2024-08-23 06:00 エンタメ
【写真特集】女子アナ時代、初々しい浴衣姿の田中みな実
【この写真の本文に戻る⇒】 なぜ田中みな実は「いらん一言」を放つのか。女優ヅラ発言の真意を考察
航一は本当に明治生まれなのか?「夫のようなもの」を許容できる男に疑惑
 航一(岡田将生)から、そこまで悩むのなら結婚をやめようと告げられた寅子(伊藤沙莉)。それは婚姻届を出す結婚をやめようと...
桧山珠美 2024-08-24 00:23 エンタメ
『ラヴィット!』に疑問の声。違和感たっぷりでもギャル曽根の「超ギャルル」を推すワケ
「日本でいちばん明るい朝番組」をコンセプトに、平日の朝に笑いと情報を届けている人気番組『ラヴィット!』(TBS系)。 ...
寅子版「自分会議」はユニークな演出だった! “ラスボス”百合さんに俄然注目
 結婚したら、自分か航一(岡田将生)のどちらかの名字が必ず変わることに、改めて気付いた寅子(伊藤沙莉)。  自分が...
桧山珠美 2024-08-20 15:30 エンタメ