「お受験したい」6歳娘の言葉にアタフタ。“公立で十分”は親の勝手な思い込みですか?

しろいしろ
更新日:2025-11-20 11:45
投稿日:2025-11-20 11:45

公立に進学した私。もしあの女学校に入学していたら…

 私は首都圏からはるか遠いある地方都市出身で、小中はもちろん公立だった。

 しかし、家の近所には、ミッション系の私立中高一貫女子校があった。

 私の実家は自営業で、その中高一貫女子校の取引業者であった。幼い頃は、仕事の話に行く親に連れられて、その学校の敷地内でよく妹と遊ばされたものだ(牧歌的な時代だった)。

 素敵な庭、中世のお城のような建物で、お姫様ごっこが楽しかった。シスターや生徒たちにもよくしてもらい、仏教徒であるが、付き合いでクリスマスはその学校の教会に毎年祈りを捧げに行っていた。そこで出されるココアとクッキーの味が今でも忘れられない。

 だから、中学はてっきりその学校に行くものだと思っていた。実際、父親もシスターに「娘を通わせるんでよろしく」ということを言っていた。小学校の同級生にも「中学校は一緒のところに行けないんだ」と、話したこともある。

 だが、ふと気が付けば、公立中学校に入学していた。

両親に「中学受験」という発想がなかった

 入学して間もなく、「あの女学校に行く話があったよね」と親に話したところ、「えー、行きたかったの?」と意外そうに軽く流されてしまった。シスターへの挨拶は営業トークだったことに、そのとき気づく。

 両親は共に地元の公立小中出身だ。今の私に小学校受験の発想がないのと同じように、中学校受験という考え自体がなかったのだろう。もし、自分から「受験したい」と積極的に申し出たとしても、向き合い方がわからず、スルーされていた可能性は十分にある。

 私が当事者だった30年ほど前は、今ほど中学受験というのが一般的ではなかったと思う。地方ならなおさらで、いくら校区内にある学校だと言えど、通っていた公立小学校からその私立中学校に進学した生徒は0人だった。

 結果的に、小中学時代はのんびり過ごすことができたが、あの時、中受をしてあの女学校に行っていたならどんな人生になっていただろう、とふと思うことがある。

しろいしろ
記事一覧
地方出身。公立中→高校受験でN大付属校から内部進学でそのままN大へ。現在フリーライター。神奈川・湘南地区在住。現在公立小一年生のひとり娘・ミオリの中学受験を検討中。夫も地方出身で、公立高校→私立工業系大学卒のサラリーマン。

ライフスタイル 新着一覧


友史上極ネガ、ごめん連呼、Wi-Fiジャック…LINEの異変はSOSサイン?
 毎日ネガティブなニュースが流れる現代では、メンタルがやられてしまう人が少なくありません。  自分は大丈夫でも身近...
今更「アイドル」になろう。そして、安倍なつみとCoCoの追憶
「おら、アイドルになる!」  そう叫んで、女の子走りでステージから捌けた瞬間、自分でブッと吹き出してしまう。アイド...
困り顔がたまらない! オッドアイ“たまたま”君にロックオン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
早咲きも遅咲きも
 桜の種類によって咲く時期はそれぞれ違うのだという。  ソメイヨシノは蕾が膨らみかけている白州で八ヶ岳を背に満開の...
インフルだから修学旅行ずらせる?⇒令和も健在!“あたおか”モンペの恐怖
 モンスターペアレント、略してモンペ。自己中心的、理不尽、過保護、クレーマーとして学校や教師を悩ませる存在ですが、LIN...
「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」って最上級の褒め言葉?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第72回「爪切りはイヤイヤ」
【連載第72回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
私が見た最凶の闇ホステス!後輩いびり、“ブルーカラー”のお客様を蔑む女
 ホステス歴10年。スナックへの愛は今も増しており、これからもスナックの良さを知っていただくべく、何か綴れたらと思ってい...
“取り柄のない”自分の才能の見つけ方 手作りも副業も無理…深く悩まないで
 コロナ禍以降、近場のイベントを楽しむ人が増えました。そのなかで伸びてきているのが、手作りのものを販売する市場的イベント...
お花畑に2匹目の“たまたま”が♡ 今日の恋愛運はいかがかにゃ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
台湾の聖子ちゃん?女神「媽祖」の人気が凄まじい…カオスな宗教お祭り記
 ガヤガヤとうごめく人混みの頭上に降りそそぐ、どう考えてもヤケドしそうな熱々の花火! 街全体が熱狂に包まれ、路上はさなが...
2024-04-24 06:00 ライフスタイル
お財布に優しい「ド根性植物」8選 ほっぽらかしでも毎年咲いてくれて感謝
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋の店先に、一体どこから生えているのか分からない「羽衣ジャスミン」が咲いています。勝手に土...
LINEグループを自然な言い訳で退会するテク⇒「一旦」の前置きは使える
 付き合いや流れでメンバーに加わることのあるLINEグループ。  通知がうざかったり、会話の内容が嫌だったりすると...
後妻つらいよ。“子の運動会にパチンコした男”⇒前妻の嫌がらせは茶飯事
 バツイチ男性と再婚した場合、時々運の悪いことに「前妻からの嫌がらせ」を受けてしまう人がいます。女性は、愛や嫉妬が絡むと...
“たまたま”を下から見上げる背徳感…やんちゃ坊主も困り顔
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
甲斐駒ヶ岳(春)のごほうび
 峠を登り振り返ると一面雲で覆われていた空が割れ甲斐駒ヶ岳が顔を出した。  春を待ちわびて眺める景色もまたごほうび...