中年よ、大掃除はお早めに! 冷蔵庫掃除に悪戦苦闘…おばさんが陥った“経年劣化”によるワナ

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2025-11-26 11:45
投稿日:2025-11-26 11:45

終了は夕方17時のどっぷり夕暮れ

 次に製氷機の部品を外して、清掃。終えたところで冷蔵庫の食品をすべて取り出して、プラスチックの仕切りや受け皿も取り出す作業にかかる。ついでに賞味期限切れの食品がないかどうか確認。ここはセーフ。続けて仕切りの水洗いに取り掛かる。ここでひとつ衝撃が登場。

「は、なんだ、この発泡スチロール?」

 購入時、仕切りに張り付けていた発泡スチロールシートがいまだに残っていたのだ。(電気屋さん…外してくれよ…)と思いながら剥がそうとしたけれど、9年接着していたシートは簡単に剥がせなかった。AIに聞くと中性洗剤やアルコールにつけろというので、繰り返してみたが、努力むなしく全ては剥がれなかった。おまけに仕切りのひとつにヒビを発見。(そんなに乱暴に扱ったのだろうか?)とやや落胆しながら、瞬間接着剤とテープで補強する。この作業が終わった時点で『安住紳一郎の日曜天国』のゲストコーナーが終わりに近づいていた。まずい、急がねば。

 次の難関は洗った庫内の仕切りを元に戻す作業だ。(えっと、どこにどれだっけ?)と単純なはずのパズルがうまくハマらない。何度もやり直して、庫内を除菌スプレーで拭いて、ドアポケットにキッチンペーパーを敷き、2時間近く常温で放置されてヘロヘロになった食品を戻す。気づくと安住さんの番組は終了して、次の番組が始まっていた。数年前にこの作業をした際はここでもうすべての拭き掃除が終わっていたのに、まだ冷凍庫も野菜室も終わっていない。ただ今日は自分に課したミッションを完遂してみせる。

 私はランチとスーパーへの買い出しと、30分間の昼寝を挟んで(おばさんには必須)、15時から作業を再開した。冷凍庫と野菜室は冷蔵庫に比べるとスペースも狭いので、トラブルも発生せずに終了。気づくと時刻は17時過ぎ、太陽は沈んでいた。この後、2週間サボっていた、部屋の掃除を終えると18時を超えていた。

 私は、数年前は午前中で終えた冷蔵庫掃除だからと過信していた。この時期の“数年経過”によるおばさんの劣化は大きい。手筈だけは整っていたはずなのに、開いた幕は難関だった。だから改めて言いたい。おばさんの大掃除は時間を長めに確保して、少しずつが鉄則だ。予定調和なんてあり得ない。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


虫歯1本に治療費100000円!? ベラボーな額を請求される米国の高額治療費
「アメリカに住んでます!」 と聞くと、日本にはないキラキラした素敵な生活を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。 ...
2024-02-26 19:02 ライフスタイル
〆ラー卒業のアラフォーに!「かに鍋&水炊き」缶のススメ
 お酒を飲んだ後、人はなぜラーメンが食べたくなるのでしょうか? アルコールに浸った体が脂と塩分を欲しているのか…。  ...
子どもの友達に「ばあば」と間違えられたショック! 高齢出産の後悔4つ
 世間では、高齢出産する人がとても増えていますよね。晩婚化が進んだ背景や、不妊治療が保険診療になった変化も大きいでしょう...
日本海から吹きつける風の中、黙々と歩く少年たちが愛おしい
 早朝にも夕方にも見える空の色、学生服の少年少女、ミラーに映る電車。  どこか非現実的な景色は、まるで中村宏の絵画...
おんにゃの子の匂いに夢中!“たまたま”君の恋が実るといいな
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
親バカ上等!いうて夫よりマシかも?子どもの可愛すぎるお手伝い失敗談
 子どもはいつだって、ママを助けたい、褒められたい、役に立ちたいと思っていますよね。だから、小さい子どもはママを喜ばせよ...
惚れてまうやろー!彼氏より気が利くChatGPTに「好き」について聞いた
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第65回「パカラパカ、春のひとみにタツノオトシゴ」
【連載第65回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
恐怖の親知らず抜歯!30女が超ビビりながら人生初抜歯した話
 皆さんは親知らずがまだ生えていますか? 筆者は30代になってもすべての親知らずが生えたままです。  歯は大切にしてい...
千代田区民は“勝ち”だよね。通勤ラッシュを知らない自分は上流階級層の女
――『東京の中心に暮らす、ということ』…なんてね。  鈴木綾乃の頭の中にマンション販売のコピーのような、そんな言葉...
え…? 優雅な御茶ノ水ママ友会をブチ壊した、地方出身者の悪気ない一言
 御茶ノ水駅が最寄りの持ち家に住む薬剤師の綾乃。2歳年上の夫・孝憲と4歳の娘・香那と3人家族で余裕ある生活を送る彼女は、...
世帯年収1500万円でも越えられない壁。耐え難い屈辱を喰らった女の選択
 御茶ノ水駅が最寄りの持ち家で2歳年上の夫・孝憲と4歳の娘・香那と3人家族で余裕ある生活を送る彼女は、ママ友と共に充実し...
たまにはこんな日もあるよね? 終電を見送ってしまった夜
 久しぶりの仲間との時間が楽しくて、「あと1杯だけ」「あと10分だけ」を続けていたら終電を見送ってしまった。  だ...
「自責と他責」バランス上手な大人が口癖にしている神ワード
 ここ数年、自責思考・他責思考みたいな話題をよく見かけませんか? 私はもう見るたびに「うるせぇ~!」となっている反面、し...
出張ホスト、ママ活、女風…女性の金目当てに上京する男性が増えている!
 近頃は地方移住が話題となっていますが、その逆に「地方では稼げないから上京する」男性も出てきています。  出張ホストや...
ご飯をありがとにゃ! お母さんが大好きな“たまたま”君たち
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...