中年よ、大掃除はお早めに! 冷蔵庫掃除に悪戦苦闘…おばさんが陥った“経年劣化”によるワナ

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2025-11-26 11:45
投稿日:2025-11-26 11:45
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第55話は「冷蔵庫掃除はお早めに」。

知力体力だけではなく集中力も欠落

 中年、おばさんといった年齢意識はある方にお知らせしておきたい。年末の大掃除の予定があるのなら早めに始めたほうがいい。なぜなら掃除に対する自分の体力、知力が相当低下しているからだ。大掃除はその事実を突きつけてくる。単身住まいの私も毎年、大掃除のワードは意識していて、そのたびに(まあ、賃貸住まいだし)(ひとりだし暴れん坊の子どもがいるわけではないのだから、そんなに汚れていないし)と後ろ向きな理由を並べて、仕事をしていた。が、どうも今年は汚れが気になる。今年の汚れは今年のうちに。重たい腰があがった。

【こちらもどうぞ】それ“和牛”違いですよ! コントのような「おばさん」二人の会話に更年期の私が救われたわけ

 冷蔵庫掃除を決めた。一人暮らしを始めて約20年で二台目の冷蔵庫は540リットルのファミリーサイズ。2017年に購入する際、蔦屋家電のスタッフに「お客様、冷蔵庫が大きくなると生活が豊かになりますよ」と、決めセリフを言われてあっさりと購入した。生活が豊かになったかどうかはいざ知らず、便利であるのは間違いない。2〜3年ほど前に内部の拭き掃除をした記憶はあるけれど、普段はほぼ外側の拭き掃除だけしかしていない(まあ、ひとりだからそんなに開閉もしないし、隙間なく食品が入っているわけではないし)。毎年、私の中の言い訳大王がお出ましになる。ただ今年の私は違う。

 まずはInstagramの「#冷蔵庫掃除」のハッシュタグで、効率的且つ画期的な掃除方法を調べるところから始めた。どうやら冷蔵庫は脚の部分を操作すると、中に食品が入っていても、簡単に動かせて冷蔵庫下のホコリが除去できるらしい。午前10時『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)を聴きながら、まずは冷蔵庫下の掃除からトライ。

「う、動かねえ…」

 インスタグラマーはいとも簡単に冷蔵庫が動かせると言っていたけれど、設置してから9年間、1ミリも移動させていない冷蔵庫が対象だとは言っていなかった。我が家の冷蔵庫は設置時のクッションにぴったりと接着していて、脚の動く気配はゼロだった。おばさんらしく、説明書で確認してみたけれど移動情報については触れられていなかった。早速、あきらめた。今度引っ越すときに掃除をしよう。ここでふと目に入ったオーブン電子レンジの脱臭も始めた。つい先ほどまで冷蔵庫掃除に勢い勇んでいたのに別の掃除に手を出すとは、おばさんらしい集中力の欠落を感じる。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


私「おすすめある?」友達「はずれ品があるってこと?(怒)」沸点低っ!
 あなたの周りには、小さなことですぐキレる「沸点が低い人」はいますか? 普通の人がなんとも思わない出来事も、彼らにとって...
ティファニーのシルバーネックレスが黒く変色…さぁどする?
 夏によく身に着けたティファニーのネックレスを久しぶりに出したら、黒く変色していました。公式HPをのぞくと、「ブティック...
元チャゲアス・ASKAはナゾの投稿…身近な人が陰謀論を唱え始めたら?
 ミュージシャンのASKA(65)がSNSで最近、意味深な投稿を続けている。10月24日にはX(旧ツイッター)を更新し、...
切り取られた街を見上げる 「もっと見たい」は人間の性かな
 ふと見上げたら、切り取られた街が隙間からのぞいていた。  これもチラリズムなのか。全体を見せられるよりも刺激され...
海外駐在妻の驚愕実態!閉鎖的な女のドロドロ、とかくママ友が面倒くさい
 海外駐在ママというと、どこか華やかで羨ましいイメージがありますよね。でも、中には、現地でのママ友との面倒くさい関係に疲...
見ず知らずの人に電車代を貸せる? 一生大切にしたい人が分かった話
 みなさんは人を信用しやすい方ですか? それとも疑い深い方ですか?  私はどちらかといえば後者で、人を簡単には信用で...
パワハラ認定は回避を…叱り上手な人が実践するコツ5つ&間違った叱り方
 人を叱るというのは、意外と難しいものですよね。部下や後輩が失敗した時「ビシッと言ってやろう」と思いながらも、パワハラだ...
「俺を撮ってくれよ」な“たまたま”様、地を這うカメラマン冥利です
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
とことん落ちないと浮上できない 放っておいてあげる優しさ
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
球根いつ仕込む?「秋」の今でしょ!植えっぱなしにオススメの花は7種類
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋は、神奈川の真ん中の片田舎で商売をさせていただいておりますが、今年も悩ましい秋でございま...
「花屋前にいる」「どこ?どこにでもいる顔だから」実は傷つきLINE3選
 誰かの何気ない一言に深く心が傷ついた経験は誰しもあるはず。  相手の性格にもよりますが、ほとんどは相手に悪気がな...
お疲れ様はNG、お元気様はOKのナゼ…職場のうざいローカルルール5選
 社会一般ではない通じない「職場独特のローカルルール」が存在する会社って多いですよね。入社したての社員からすれば、ドン引...
青空に踏切の音が映える 季節は秋でも絶対に手放せないもの
 ここ数年ですっかり浸透したものに男性の日傘がある。 「男が日傘なんて」という謎の気負いも、死を覚悟する日差しには...
たまたまもゴロンと全開!幸せそうなにゃんたま様に昭和CMを思ふ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
中年のババア、もとい「中年女性」になった私たちへ
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
「聞いてよ!」「で、結論は?」せっかち君のLINEはタイパ重視ですって
 世の中には、1秒でも時間を節約したい「超せっかちな人」が存在します。なぜ生き急いでいるのかはわかりませんが、とにかく少...