松本人志は“面白さ”だけで逆転できるのか。「DOWNTOWN+」に見るお笑い界の行く末

帽子田 芸人、ライター
更新日:2025-12-04 11:45
投稿日:2025-12-04 11:45

面白さは文句なし。だが、SNSでは否定的な声

 松本さんはチェアマン的な立ち位置で企画を仕切っており、ちょっと前まではよく見た絵面だが「懐かしい」と感じてしまった。やはり、テレビでエース級に活躍する芸人を一挙に集めたとき、その中でもカリスマ性がある松本さんがチェアマンとして据えられていると非常に見やすく、面白さがより伝わりやすくなる気がした。

 コンテンツとしては文句なしに面白くて、「流石松っちゃん!」とお笑い大好き少年だった頃の感情を思い出して新鮮だったが、大人になってしまった僕としては違和感を覚えてしまう部分もいくつかあった。

 オープニングで衝撃的だったのは、約2年ぶりに姿を現した松本さんが涙をこらえていたことだ。感動系の番組などで涙ぐむくらいのことはあったが、こんな形で涙を見るなんて想像もしなかった。

 有料配信部分なので詳しくは触れないが、松本さんが起こした女性トラブルとその裁判の顛末を説明する場面もあった。

 松本さん側の釈明としては納得できた部分もあったが、それ故に「なぜ会見を開いて自分の口で説明しなかったんだろう」ということがより強く疑問に残る。意見があり反論があるなら限られた人しかみないプラットフォームで説明するのではなく、第三者の目もある場面で訴えかけた方がよかったのでは、と思ってしまった。(できない理由があったのかもしれないが)

 そしてやはりというか、ダウンタウンファン以外の世間の反応はかなり厳しい。登録者数も伸び、松本さんも勝利宣言をしていたが、SNSでの反応はかなり否定的な意見が多いのだ。

周りの芸人にまで飛び火

 出演芸人をはじめ、松本さん復帰を支持する芸能人もかなり苛烈に叩かれる事態になっている。例えばロッチ・中岡さんが「(DOWNTOWN+に)呼んでもらって 笑ってもらって 年額プラン分の料金を取り返したいです!」とポストしたところ、批判が殺到。

「被害者の女性がどう思うか? コンプラ的にどうか? を考えずにこの投稿するのが怖い」「性加害した人をどうやって笑えばいいの?」「ロッチは性加害を容認するのか」など、辛辣なコメント欄となっている。

帽子田
記事一覧
芸人、ライター
別名義では芸人として活動。一時期は年100本以上のライブに出演、ライブ主催の経験もアリ。一応現役の芸人ではあるが、ただのお笑い、バラエティ番組ファンでもあります。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


タナケン(生瀬勝久)の決め言葉、「どうだろうね」に込められた真意
 スズ子(趣里)は、不安を抱えたまま喜劇王・タナケン(生瀬勝久)との舞台稽古を続けていた。  なんとかしようと、ス...
桧山珠美 2024-01-22 15:16 エンタメ
ブギウギ新章、タナケン役生瀬勝久の“顔芸”と「3枚の張り紙」が見もの
 小夜(富田望生)が付き人をやめると言って姿を消してから3カ月、愛助(水上恒司)は大学を卒業し、村山興業で働き始める。 ...
桧山珠美 2024-01-17 15:49 エンタメ
5年ぶり「おっさんずラブ」にコレジャナイ感?それでもいいと思うところ
 あの「おっさんずラブ」が5年ぶりに帰ってきました。2018年4月期にスタートした同作は、ピュア過ぎるおっさんたちの恋愛...
小夜(富田望生)の食い意地は国境を越えた!愛か、餌付けされただけか
 復学した愛助(水上恒司)は、スズ子の公演に触発され、いっそう勉学に励んでいた。  そして、公演が再開して以来、ス...
桧山珠美 2024-01-12 16:05 エンタメ
任侠ドラマ出演の高岡蒼佑様…小栗旬&芸能界批判に“かわいいチワワ”か!
 アウトローな役柄などで人気を博していた元俳優の高岡蒼佑。役者引退宣言をしていたものの、今年2月にリリースされる任侠ドラ...
堺屋大地 2024-01-11 06:00 エンタメ
朝ドラ名物の闇市、小夜の食い意地はタダモノじゃねえ!
 戦争が終わって3カ月、世の中の混乱は続き、スズ子(趣里)たちは未だ公演ができずにいた。  愛助(水上恒司)の病状...
桧山珠美 2024-01-09 14:50 エンタメ
歯に衣着せぬ小夜のキャラを生かしたブギウギ流「玉音放送」シーン
 終戦の日。スズ子(趣里)たちは巡業先の富山で玉音放送を聞く。りつ子(菊地凛子)は慰問先の鹿児島で敗戦を知る。  ...
桧山珠美 2024-01-08 15:50 エンタメ
原作は4コマ漫画! 名作“ぎぼむす”のイケメントリオを味わい尽くそう
 新年あけましておめでとうございます。  例年であれば、大晦日は「ジャニーズカウントダウンライブ」で年越しするので...
特攻隊の前で「別れのブルース」、過去の“淡谷のり子物語”と異なる描き方
 1945年、日本の戦況はますます悪くなっていた。富山に慰問に来ているスズ子(趣里)は、女中の静枝(曽我廼家いろは)の話...
桧山珠美 2024-01-05 14:00 エンタメ
制作費の都合?「夜来香ラプソディ」音楽会シーンなしは残念すぎる
 上海の羽鳥善一(草彅剛)は、音楽会の準備を進めていた。羽鳥は、黎錦光(浩歌)が作曲した「夜来香」にブギを取り入れた音楽...
桧山珠美 2024-01-04 17:50 エンタメ
【2023年人気記事】マッチ様は逃げ上手と無責任のプロだった
【「残念プロフェッショナル」の流儀】  2023年も「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大き...
堺屋大地 2024-01-02 11:44 エンタメ
辻希美&杉浦太陽はニベアのCM…仲良しラブラブ芸能人夫婦はお金を生む
 元モーニング娘。のなかで1番の勝ち組は、やっぱり辻ちゃん(辻希美)でしょう。  先日も元モー娘。の中澤裕子、保田...
スズ子と愛助の無償の愛、平和ボケの今とは違って生きるも愛するも命がけ
 東京に戻ったスズ子(趣里)は、空襲で一面ががれきになっている惨状を目の当たりにする。  スズ子が三鷹の家に戻ると...
桧山珠美 2023-12-28 14:10 エンタメ
東京大空襲、愛し合うスズ子と愛助の運命は…金曜放送回を前におさらい
 トミ(小雪)の許しが出て、山下(近藤芳正)が正式に楽団のマネージャーとして加わることになった。  スズ子(趣里)...
桧山珠美 2023-12-27 17:40 エンタメ
コワモテ黒田の起用は大正解! スズ子派に寝返り、顔芸と手振りが秀逸
 結核が再発した愛助(水上恒司)の看病を、三鷹の家で続けることになったスズ子(趣里)は、日々愛助のために身を尽くしていた...
桧山珠美 2023-12-26 15:50 エンタメ