私の生理、山口百恵なみに華々しく引退? 男性に知ってほしい“女のつらさ”

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2025-12-17 11:45
投稿日:2025-12-17 11:45

打ち上げ花火のような出血

(…1ヶ月空いたし、そろそろ終わりなのかな)

 14歳で初潮を迎えてから数十年。生理もラストステージに突入している。

「Thank you for everything さよならのかわりに」

 私の心に流れるのは山口百恵の「さよならの向う側」。年代的に彼女の活躍ぶりは知らないけれど、引退時のラストステージに歌った一曲は名シーンとして知っている。月経の終わり、そして閉経へと向かうステージにはふさわしい。

(あ、あれ? きた? あれ)

 百恵ちゃんの曲も虚しく、出血はやってきた。ああ、ナプキンも買わなくちゃいけないし、買い時をすっかり間違えて、ボロボロになったサニタリーショーツを履かなければならない。しかもこの出血のペースが完全におかしい。男性諸君、これは頭に入れておいた方がいいと思うが、通常の出血は2〜3日目が壊滅的にひどく、心身を完膚なきまでに叩き壊してくる。そしてだんだん出血量は減少、1週間くらいで収まる。つまりパートナーの生理期間は必要以上に優しくしてあげてほしい。尋常ではない出血量、ふつうなら入院していてもおかしくない。が、今回の生理は「こんなもんかな」と少量が三日続き、終わっていくかと思いきや、四日目の深夜から急に出血増量。そして冒頭のくたばって起き上がれない私に戻る。

 噂には聞いていた閉経前に起こる、花火のような生理の乱れが、想像以上のひどさで既に心が折れている。今通っている婦人科の医師に状況を訴えた。

「こればかりは…閉経するまで続くものですし…」

 と、言葉を濁されてしまった。確かにそうだ。体調なんて十人十色なのだから、私の閉経がいつ来るのか聞いても分かるはずがない。今、ホルモン補充もしているのだから、これ以上、治療選択肢がないのも分かる。あとは寝るしかない。結局、日曜日にぶっ倒れていた私も14時くらいから足裏のじんわりとした温かさとともに、起き上がった。「大丈夫、いける」とつぶやき、冷蔵庫の掃除を兼ねて料理、掃除、セルフ白髪染めまで完了させ、夕飯はがっちりと食べた。

 まあ日曜なのでどこか気が緩んでいたのかもしれない。ひょっとして外出をする仕事の現場(撮影、取材、打ち合わせ、プレゼン、ラジオ出演etc)があったら、どうにか起きて行くもんな。でも本当に女はつらいよと思う、年の瀬。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


真夏を彩る花 2023.7.28(金)
 こうも暑いとゲンナリするけど、むしろ過酷な状況を楽しむかのように咲く。  逆境でがんばる花のたくましさに驚く。 ...
皆が皆、社交的ではないよね…懇親会が苦手な人が“極力疲れない”対処法
 会社員だと避けて通れないものの一つが「懇親会」。参加人数が多かったり、他部署と交流をしないといけなかったりと、「正直疲...
対応ミスると悲惨! お盆の義実家トラブル5つの地雷&回避術
 お盆も間近! 義実家への帰省が憂うつという奥様は、あなただけではありません。気を使っているつもりでも、義両親を怒らせて...
華やか! チャトラ軍団のウキウキ上機嫌“たまたま”が大集合
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
手芸初心者が挑戦!思い出の子供服をくるみボタンに 2023.7.27(木)
 子供の思い出の服を手もとに置いておきたいけど、かさばる物は増やしたくない。子育て中のママやパパには地味に悩ましい問題。...
マジで使える! 夏に強い切り花と長持ちさせる秘訣を“開運花屋”が解説
 今夏の暑さは「暑い」より「痛い」の方がしっくりくる感じがいたします。更年期ど真ん中のワタクシ、本当にシビれますわ。 ...
費用0円!「いま暇?」LINEに付き合ってくれる“神友”との暇つぶし3選
 暇で退屈な時に、暇つぶしに付き合ってくれそうな気の知れた友達に「いま暇?」とLINEを送ってしまうこと、ありますよね(...
美術館で「名画の習作」から教えられたこと 2023.7.26(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
昔は仲良かったのに…友達との溝ができる5つの理由と対処法
 学生時代から続いている友達とは気心が知れているものですが、だからといって永遠にいい関係が続くとは限りません。また、大人...
業務スーパーが有能すぎる! おすすめ食材5選&飽きないアレンジ方法
 プロ仕様の食材や調味料が大容量で買えると人気の「業務スーパー」。一度にたくさん買うのでお得だし、おいしい食材もたくさん...
4回の引越しで実感!家族で住みやすい土地にする3カ条、転勤族でも安心
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
夕暮れが忍び込む街 2023.7.24(月)
 日差しが落ち着いて、街が暖色に染まる時間。  自分が生まれた場所でもないのに、なぜだか懐かしい気持ちになる。 ...
絶景!ガラステーブルの下は“たまたま”も肉球も見放題の天国
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
天然=可愛いのあぁ勘違い…職場のぶりっ子アラフォーの痛すぎLINE3選
 口調や仕草で可愛らしさをアピールする「ぶりっ子」は、若い世代ならまだ可愛いなと思える範囲ですよね。でも中には、アラフォ...
なぜこんな男と結婚した!? 姉の旦那が嫌いだと感じた5つの瞬間と対処法
 大人になっても仲良しな姉妹って最高ですよね。でも、大好きなお姉さんが選んだ相手だからといって、旦那さんとまで気が合うと...
飛ぶためには一度なにかを手放す必要がある 2023.7.23(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...