更新日:2025-12-22 08:00
投稿日:2025-12-22 08:00
普段と変わらない会話なのに
深夜の街は静かで、空気は透き通っていた。最初は他愛もない話をしていた。大学の課題のこと、ゼミの先生の口癖、この前あったテストの珍事件。
普段と変わらないはずの会話なのに、二人きりの空気はどこか少しだけ違っていた。
ふと、美帆がつまずきかけた。その瞬間、祐介が反射的に腕を伸ばす。指先が触れ、そして離れる。それだけで鼓動が跳ねるように速くなる。
その後、しばらく沈黙が続いた。気まずさよりも、言葉を挟んでしまうのが惜しいような静けさだった。美帆が俯いて歩いていると、突然、手がそっと包まれた。
「…大丈夫?」
祐介の声は小さく、少しだけ震えていた。美帆はその時の感触を、今でもはっきり覚えているという。
暖かくて、優しくて、でもどこか頼りなくて。まるで「離したくない」と言われているように感じた。
言葉はなくても満たされて
歩幅が自然と合っていき、指が絡まるたびに胸が苦しくなるほどドキドキした。並んで歩いているだけなのに、体温がゆっくり上がっていく。
お互いほとんど喋らなかったのに、不思議と心は満たされていった。
「この夜が終わったら、もう友達には戻れない」
美帆は直感的にそう思ったという。そして、その直感は当たっていた。
その後、二人は正式に付き合ったわけではない。気持ちを伝えたタイミングが合わなかったり、それぞれ就活が忙しくなったりして、関係は曖昧なままゆっくり薄れていった。
ラブ 新着一覧
「冷酷と激情のあいだvol.144〜女性編〜」では、コロナ禍に結婚をした夫・エイジさん(仮名)との結婚は間違いだったので...
男性の好みは人によって異なりますが、不思議と悪い男ばかり好きになる女性がいます。周りから、「どうして?」と心配され、そ...
2023-05-26 06:00 ラブ
映画にはさまざまなベッドシーンがありますが、映画によっては、ひたすら色々な人とエッチをし続ける、全編ベッドシーンに近い...
結婚したら恋愛とは無縁になると思うでしょう。しかし、実際はそうとも限らないようです。
人妻になった女性も、夫以外に...
元カレから連絡が来るとドキッとしますよね。もしも、その人ともう一度付き合えたら……と思った経験はありませんか。
...
「彼はいつか離婚してくれるはず」「どうせ結ばれないなら、2番目の女としてそばにいたい」。そうした期待や感情を持つ不倫は、...
素敵な女性はいい香りがする――。
そう感じるのは、肌から放たれるフェロモンの効果。フェロモンが高まると色気だけ...
私は結婚していますが、男性と2人きりで食事に行くことがあります。
これを「異常だよ!」と思うのか、「まぁ、よく...
長い間連れ添う間柄だと、喜ばれるプレゼントのアイデアが尽きますよね。ましてや、誕生日以外に結婚記念日、クリスマスプレゼ...
これまで年下男性に興味がなかった女性は必見! 今回は、大人女性が年下彼氏にギャップ萌えしたキュンエピソードをご紹介しま...
素敵な出会いがあった後、恋愛関係まで発展させるためには「LINEを制する」ことが絶対不可欠な時代ですよね。もちろん、会...
離婚率の高い日本ですが、実は離婚に至らないまでも「家庭内別居」をしている夫婦は意外と多いようです。お互いに気持ちが冷め...
あなたは好きな人と恋バナしていますか? まだしたことがないなら、ぜひ1度話を振ってみてください。
そのときの彼の...
2023-05-20 06:00 ラブ
人の旦那を見て、羨ましいと思う瞬間ってありますよね。「でも、これって罪なの?」なんて考える必要はありません。人の夫を羨...
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
「冷酷と激情のあいだvol.143〜男性編〜」では、結婚を前提に交際をしている恋人・由香さん(29歳・仮名)が、交際半年...
















