更新日:2026-01-18 11:45
投稿日:2026-01-18 11:45
「あの気持ち、味わわせたくない」
数日後、里穂は義母に会った。ふとした拍子に、「健太がね、昔のこと覚えてて」と話すと、義母は驚いた顔をした。
「えっ、そんなつもりじゃなかったのに…」
それが本心なのだろう。でも、“そんなつもりじゃない”は、受け取る側には通用しない。無意識の優しさの偏りは、確実に記憶として残る。しかもそれは、次の世代が大人になってから、静かに浮かび上がってくる。
健太は最後にこう言ったという。
「だからね、もし僕に子どもができたら、同じことはしない。比べないし、温度差も作らない。あの気持ち、味わわせたくないから」
孫差別は、その場では波風が立たないかもしれない。でも、時間差で確実に心を揺らす。
子どもは覚えている
愛情は、与えた側の自己評価ではなく、受け取った側の記憶で決まる。そしてその記憶は、思っているよりもずっと長く、深く残るのだ。
人は忘れたつもりでも、子どもは覚えている。声のかけ方、視線の向け方、写真の枚数。ほんの些細な差が、やがて「自分はどう扱われていたか」という輪郭になる。
優しさは平等でなくてもいい。けれど、偏りはいつか必ず、言葉になって返ってくる。
だからこそ、大人が思う「このくらい」は信用できない。記憶に残るのは、与えた量ではなく、感じ取られた温度だ。
気づかれないまま過ぎた差は、消えずに積もり、いつか静かに「覚えているよ」と語り出す。
ライフスタイル 新着一覧
まもなくひな祭り。卒業式から始まる年度末商戦も2月の最終週から始まり、猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は不本意な...
愛すべき昭和の時代に生まれた女性は、平成、令和と3つの時代に順応しながら生きています。でも、やっぱり幼い頃に体に染み付...
女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
緊張している同僚、落ち込んでいるパートナー、前進するのを怖がっている友達。そんな人を支えたいときは、こんな応援LINE...
どこの職場でも、「あの人とは距離を置きたいんだよね…」と周りから嫌われている人ってひとりやふたりいますよね。今回はどこ...
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
パートナーなしの51歳独女ライター、mirae.(みれ)です。最近何かと話題になっているバブル崩壊後の「就職氷河期世代...
育ちがいい人と育ちが悪い人、その差は一体どこにあるのでしょうか。今回は、育ちがいい人がしないことを7つ紹介します。逆に...
岩手・陸前高田市の震災遺構「奇跡の一本松」と「ユースホステル」にて
【連載第91回】
ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場!
「しっぽのお...
知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
人間誰しも、失敗します。でもその後の対応次第で相手に許してもらえるかどうかが決まるのも事実ですよね。
今回は、...
口癖は、なかなか自分では気がつかないものですよね。中にはネガティブだったり、相手をイライラさせるやばい口癖も…。
...
世の中には、どうしても相手より優位に立ちたいがために、マウントを取ってきたり、のろけ話をしてきたりする人がいます。
...
スナックに通うようになると、お客さんが一人だけ、なんて日に遭遇することもあります。そういう時、私は貸し切りで嬉しい気持...
陰キャ女子、集合! 今回はキラキラとは無縁な女性がキラキラ女子を嫌う理由のあるある5選を紹介します。「キラキラ女子が苦...
















