もともと寄生大好きの依存体質女子
【vol.30】
もともとなにかに依存しがちなわたしは、ひろしとの出会いによって疾風怒濤の倍々ゲームのような依存が顕著になっていきました。
月に一度の週末、ひろしが本宅に戻っている時や精力的に海外に出張に行ってしまった時、「明後日までひろしがいない」、「5日間ひろしが出張」という事実に突然、心臓発作にでもあったかのような苦しさと動悸・息切れを感じて、平常心を保つのがひどく困難だったことがあります。
知らず知らずのうちにひろしの日々のルーティンに組み込まれていたわたしは、そのルーティンから放り投げ出された時の自分自身の処遇を持て余し、依存具合はどんどん酷くなっていました。
毎朝同じ時間に起き、朝食を取り、一緒に出勤する――。たったこれだけのことを毎日ともにこなしていると、いざひとりになった時に異常な相手への執着に愕然とするのです。
しかも相手のルーティンに組み込まれた場合、相手は何も変化がないのに、自分はドラスティックな変化を無意識に受け入れているわけです。
依存症メーカー
ヒトは1日に9000回は意思決定をしているといいます。その意思決定が他者によってなされ、忖度のない、かつ、有無をいわさぬ決定事項ばかりだと楽であることには変わりなく、楽なんだけれども他との軋轢を生まずにいられない状況にもかかわらず、愛という名のもとに受け入れるということを繰り返しているとどうなるか、お分かりでしょうか。
そうです、立派な依存関係が完成するのです。「お前はわしのいうことだけ、聞いてればええんや」という言葉で交渉の余地のない、そしてその通りにしてしまうひろしは、多分に依存症メーカーです。
ただし、年齢のこともあってそこまでぴったりハマってくれる依存気味の女子もいなかったことから、これまであちらこちらで好き勝手に鵜飼っぷりを発揮していたわけですが、ここにきてジェロントフィリア風味の依存気味なわたしが登場したことで、最悪の意味で最高の相性だったわけです。
ゴルフ中でも食事中でも、「早よ帰ってオマ○コしたいなあ」(「セックス」と言わない昭和初期)と放言するひろしは、自由過ぎて、その通りにしてしまいます。
浴衣と嫌がる喘ぎ声は、万国共通、男子の餌。わたしが女子たちと夏祭りに行くために浴衣を着た時なんて、本気で困りました。
エロコク 新着一覧