更新日:2019-11-14 17:01
投稿日:2019-10-31 17:30
とんでもないことになった
翌朝、私はほとんど眠れないまま、彼女の寝ているベッドを抜け出しました。部屋着を着て、とにかくいつも通り、隣室のパソコンの前に座りました。
さあ、どうしたらいいんだろう。
セクハラやいじめ等で被害者が怖れるのは、相手が本気を出すことです。だからヘラヘラと笑ってしまうのですが、ここまで本気を出したからには、彼女ももう自分が満たされないまま、黙って引き下がれはしないでしょう。
とんでもないことになってしまった。いまはとにかく体が気持ち悪い。シャワーを浴びよう。……と、立ち上がりかけたときです。
G「なにしてるの?」
部屋の入り口に、彼女が立っていました。全裸のままでした。
G「どうしたのぉ?」
小首を傾げて、囁くように訊いています。入り口から動かないでいることで、ひとりで別室に行った私に不快を示し、咎めているようでした。
「あなたが大嫌い」と口にできず…
私「私……嫌なんです」
勇気を出して言いました。
私「こういうの、本当に嫌なんです。付き合ってもいない人とこういうのは、だらしないし、本当に嫌なんです」
あなたが大嫌いで、おぞましいいのだ、と、はっきり口にできなかったのは、私の弱さでした。
彼女が手を差し出しました。
G「綾さんは、なぁんにも気にしなくていいんだよ。さ、ベッドに戻ろう」
その白く贅肉をまとった裸体は、窓からの朝日を浴びて、つやつやチカチカと輝いていました。
次回に続きます。
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